「そろそろ2店舗目を出したい。」
1店舗目が軌道に乗り始めると、多くの美容室オーナーが一度はこう考えます。スタッフが増えてきた、売上が安定してきた、もっと成長したい。その気持ちはとても自然なものです。
ただ、ここで立ち止まって考えてほしいことがあります。
「なぜ2店舗目を出すのか」を、言葉にできるでしょうか。
2店舗目の出店は、1店舗目の延長ではありません。
固定費が倍になり、人の問題が倍になり、オーナーの目が届かない場所でお金が動くようになります。
勢いだけで出すと、売上は伸びたのにお金が残らないという状態に陥ります。



この記事では、美容室の2店舗目について、出すべきタイミング、融資の考え方、2店舗経営の年収シミュレーション、よくある失敗パターンまで解説します。
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監修者


西脇 敬久
MBA、公認会計士、税理士の資格を有し、美容業界に特化した公認会計士・税理士として多数の美容室を支援。
決算書や試算表を専門家だけのものにせず、経営者が経営判断に使える形へと整理することを強みとしている。
美容室経営において本当に見るべき数字を明確にし、「誰でもわかる会計の見える化」を通じて、利益構造やコストバランスをシンプルに把握できる財務設計を行う。美容室向けの会計セミナー講師としても活動中。
美容業界に特化した会計・労務の専門チーム。
500サロン以上の支援経験をもとに、数字・人・将来の判断を“感覚”ではなく“軸”でできる経営を支えています。税金や節税だけで終わらせず、
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まず考えるべきこと|「どの未来を選ぶか」を決めているか
2店舗目を出す前に、もっと大きな問いがあります。
あなたのサロンは、どの未来を目指しているのか?
サロン経営には、本質的に2つの道があります。
道①:1〜2店舗で筋肉質になる道
固定費を抑え、オーナーの目が届く範囲で経営し、利益率を最大化しながら店舗を育てていくスタイル
コスト管理がしやすく、教育も直接伝わりやすい。採用の難易度も比較的低く、キャッシュを最も残しやすいモデルです。



「拡大しない」と決めることが、逆に強い経営をつくるケースも多く見られます。
道②:多店舗展開でスケールを狙う道
組織化と拡大を前提に成長していくスタイル
売上規模は大きくなり、採用力やブランド力も上がります。
ただし、同時に求められる仕組みの難易度も一気に上がります。
店長育成、教育制度、採用基盤、本部機能。
1店舗目では「オーナーの人柄」で回っていたことが、2店舗目以降は「仕組み」でしか回らなくなります。
どちらが正解か?
どちらも正解です。
ただし、選ばないまま感覚で店舗を増やすと、お金は残らない。これが最大のリスクです。
「なんとなく人が増えたから」「いい物件が見つかったから」で出店すると、固定費だけが積み上がり、利益がついてこない。2店舗目の出店を考えるなら、まず「自分はどちらの道を進むのか」を決めることが出発点です。
2店舗目を出すタイミング|3つの条件
では、2店舗目を出すのに適したタイミングとは何か。
「ヒト・モノ・カネ」の3つが揃っていることが前提です。
条件①:任せられる人材がいる(ヒト)
2店舗目の成否を分けるのは、オーナーがいなくても回る店舗をつくれるかどうかです。
2店舗目にオーナー自身が行くなら、1店舗目を任せられる店長が育っているか。逆に2店舗目に店長を送り込むなら、その人にサロンの運営を任せられるレベルまで育っているか。
人が足りない状態で出店すると、両方の店舗が中途半端になります。
人がいないのに出すのは、最もよくある失敗パターンです。
条件②:1店舗目の利益が安定している(カネ)
2店舗目を出した直後は、家賃・人件費・広告費が先行し、売上がついてくるまでに半年〜1年かかります。
その間の赤字を、1店舗目の利益で吸収できるかが勝負です。
目安として、1店舗目の月間利益(借入返済後)が30万〜50万円以上安定して出ていること。これを下回る状態で出店すると、2店舗目が軌道に乗る前に資金がショートするリスクがあります。
条件③:開業から2〜3期が経過している(時間)
融資の観点では、開業から3期目がひとつの目安です。
日本政策金融公庫で創業融資を受けた場合、2期分の決算実績があれば追加融資の審査を受けられます。3期目に入ると過去2期の実績をもとに融資枠が広がり、民間の銀行からの借入も選択肢に入ってきます。
ただし、2期分の決算書の中身が良くなければ融資は下りません。次のセクションで詳しく解説します。
2店舗目の融資|美容室が借りるために知っておくべきこと
美容室の2店舗目の出店には、1店舗目と同等かそれ以上の資金が必要です。ほとんどの場合、融資なしでの出店は現実的ではありません。
融資が下りないサロンの共通点
2店舗目の融資が通らないケースで最も多い原因は、「決算書の数字が悪い」ことです。
経営状況は悪くないのに、決算書の数字が悪い。
なぜこうなるかというと、節税を意識して過度に経費を使ってしまうからです。
たとえば、1店舗目が順調だからといって高級車を経費で購入したり、不要な設備投資を前倒しで行ったりすると、利益が圧縮されて決算書の見栄えが悪くなります。
銀行は決算書の利益額と借入返済能力を見ます。「税金を減らしたい」と思ってやった節税が、「2店舗目の融資が通らない」という結果を招く。これは本当によくある話です。
2店舗目を3年以内に出したいなら、1年目・2年目は意識的に利益を出す経営をすること。
節税よりも、融資が受けられる決算書をつくることを優先する方が、結果的にお金は残ります。
融資先の選択肢
2店舗目の融資先は、主に以下の3つです。
日本政策金融公庫(公庫)。創業融資の実績があれば、追加融資を申し込めます。公庫の支店決裁の上限は原則1,000万円前後ですが、2期以上の実績があれば「一般貸付」が使えるようになり、融資枠が広がります。
民間の銀行・信用金庫。2店舗目以降は、公庫だけでなく民間金融機関との関係づくりも大切です。今後3店舗目を視野に入れるなら、この段階で信用金庫や地方銀行に口座を開設し、融資の相談実績をつくっておくことをおすすめします。
設備リース。自己資金が限られる場合、内装や設備をリースで調達する方法もあります。月々のコストは増えますが、初期投資を抑えられます。
借入償還年数という指標
融資を受ける際に知っておきたい指標が、借入償還年数です。
借入償還年数 = 借入残高 ÷ 年間キャッシュフロー
たとえば、年間で500万円のキャッシュフローがあるサロンが3,000万円の借入を抱えている場合、3,000万 ÷ 500万 = 6年です。
銀行はこの年数が短いほど返済能力が高いと評価します。
5年以内が優秀、10年以内が許容ライン、10年超は新規借入が厳しくなる水準です。
2店舗目の融資を受ける前に、自分のサロンの借入償還年数を計算しておくと、銀行との交渉がスムーズになります。
自己資金の目安
融資とは別に、手元資金(自己資金)を200万〜300万円程度確保しておくのが安心です。
融資が下りるまでの期間の支払いや、想定外の出費(内装の追加工事、スタッフの前倒し採用など)に対応するためです。
美容室2店舗経営の年収|数字で見るリアル
「2店舗経営すれば年収はどのくらいになるの?」
これは気になるところだと思います。具体的にシミュレーションしてみます。
2店舗経営の年収シミュレーション
| 項目 | 1店舗のみ | 2店舗経営 |
|---|---|---|
| 月間売上(1店舗あたり) | 200万円 | 200万円 × 2 = 400万円 |
| 4大コスト合計(80%) | 160万円 | 320万円 |
| 月間利益 | 40万円 | 80万円 |
| 借入返済(月) | 10万円 | 20万円(2店舗分) |
| 手元に残る金額(月) | 30万円 | 60万円 |
| 年間オーナー収入(概算) | 約360万円 | 約720万円 |
4大コスト(人件費・家賃光熱費・材料費・広告費)を売上の80%以内に収められていれば、2店舗で年収700万円台は現実的な水準です。
ただし、注意点がある
上のシミュレーションは、2店舗とも安定稼働している前提です。
実際には、2店舗目はオープンから半年〜1年は赤字になるケースが多い。その間は1店舗目の利益で2店舗目の赤字を補填するため、出店直後のオーナー年収は一時的に下がります。
また、2店舗になるとオーナーがプレイヤーとして施術に入る時間が減り、マネジメントの比重が増えます。
オーナー自身の技術売上が減る分、スタッフの生産性が年収を左右するようになります。
売上が増えてもお金が残らない構造
2店舗経営で最も危険なのは、売上は倍になったのにお金が残らないパターンです。
これは「返済はコストではない」ことを理解していないと起きます。
借入金の返済は経費ではなく、税金を支払った後の利益から行うものです。売上が増えて利益が増えても、借入返済と税金を支払うと手元にお金がない。
これが「黒字なのにお金がない」の正体です。
2店舗経営の年収を考えるときは、利益ではなくキャッシュ(手元に残るお金)で見ることが大切です。
美容室の2店舗目の失敗パターン|よくある5つ
美容室の2店舗目の出店で失敗するケースには、共通のパターンがあります。
失敗①:人が足りないのに出店する
最もよくあるパターンです。「いい物件が見つかったから」で出店し、スタッフの採用が間に合わない。セット面はあるのに人がいない。広告費30万円をかけても、受けられる枠が少ないから回収できない。経費だけが膨らんでいきます。
失敗②:1店舗目と違うことをしようとする
「2店舗目は別のコンセプトで」と考えるオーナーは多いですが、これはリスクの塊です。1店舗目と違うことをすると、成功パターンが通用せず、スタッフの移動もスムーズにいかなくなります。
1店舗目の成功モデルを再現する方が、成功確率は高い。
失敗③:内装にお金をかけすぎる
1店舗目で我慢した分、2店舗目で理想を全部詰め込む。「やっと自分の好きなお店がつくれる」という気持ちはわかりますが、高額な投資に見合う売上が立たなければ、返済だけが重くのしかかります。
失敗④:節税しすぎて融資が通らない
前述の通り、過度な節税は決算書の見栄えを悪くし、融資を遠ざけます。2店舗目を出す計画があるなら、1〜2年前から「利益を出す経営」に切り替えておくことが重要です。
失敗⑤:「どの未来を選ぶか」を決めていない
1〜2店舗で筋肉質に経営するのか、多店舗展開でスケールを目指すのか。この判断をしないまま、なんとなく出店すると、3店舗の壁にぶつかります。
3店舗になると、これまでオーナーが無償で担っていた「店長」「教育」「採用」がすべて人件費・固定費に変わり、売上の増加より負荷の増加が大きくなる。
道を選ばないまま進むこと自体が、最大のリスクです。
美容室の2店舗目を出す前にやるべきこと
ここまでの内容を踏まえて、2店舗目を出す前にやるべきことを整理します。
①「なぜ2店舗目を出すのか」を言語化する。 オーナーの野望なのか、スタッフのキャリアのためか、収益拡大のためか。目的によって、出し方も変わります。
②1店舗目の数字を整理する。 月間利益、借入残高、借入償還年数、4大コストの割合。これらの数字が把握できていない状態で出店計画を立てるのは危険です。
③融資に通る決算書をつくる。 出店の1〜2年前から、利益を出す経営に切り替える。節税よりも融資を優先する判断が求められます。
④任せられる人材を育てる。 店長候補が育っていない段階での出店は、時期尚早です。人の育成は半年〜1年かかるため、物件探しより先に着手すべきです。
⑤2店舗目の立地は1店舗目の近くを検討する。 オーナーが行き来しやすく、送客やヘルプ体制も取りやすい。ただし、近すぎると新規客を取り合うリスクもあるため、エリアのバランスを考慮しましょう。
まとめ
| テーマ | ポイント |
|---|---|
| まず考えること | 「1〜2店舗で筋肉質にする道」と「多店舗展開の道」、どちらを選ぶか決める |
| タイミング | ヒト(任せられる人材)・モノ(立地)・カネ(月間利益30万〜50万円以上)が揃ったとき |
| 融資 | 決算書の利益額が鍵。節税しすぎると通らない。借入償還年数は10年以内が目安 |
| 年収 | 2店舗で年収700万円台は現実的。ただし出店直後は一時的に下がる |
| 失敗パターン | 人がいない出店 / 違うことをする / 内装にかけすぎ / 節税で融資NG / 道を選んでいない |
| 出店前にやること | 目的の言語化 → 1店舗目の数字整理 → 融資準備 → 人材育成 → 立地選定 |
2店舗目の出店は、サロン経営における大きな意思決定です。
勢いで出すのも、慎重すぎて出せないのも、どちらもリスクはあります。大切なのは、数字を見て判断すること。利益がいくら出ているのか、借入をいくら返せるのか、人は足りているのか。
感覚ではなく、数字で判断できる状態をつくることが、出店の成功確率を上げる唯一の方法です。
でも逆に言えば、ここを整えれば利益は残る。
美容室オーナーのお金と働き方の悩みに寄り添うパートナー


私たち airchair は、これまでに500サロン以上を支援してきた「美容業界に特化した会計・労務サービス」です。
美容室オーナーが「ストレスなく、サロン経営に集中できる環境」をつくることを目指しています。
こんな悩みありませんか?
- 税理士、社労士に相談しても、美容室の現場感に合った答えが返ってこない
- 数字や経営の話を、美容師仲間やスタッフには相談できず、孤独を感じている
- 決算の数字を見ても、何を改善すべきかわからない
- 設備投資やスタッフ採用の判断を、“なんとなく”でしてしまっている
- 他のサロンがどうやってお金を残しているのか知りたい
- 数字に基づいた経営判断で、将来の不安をなくしたい
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よくある質問
Q. 2店舗目の出店資金はどのくらい必要ですか?
美容室の2店舗目の場合、内装・設備・運転資金を合わせて800万〜1,500万円程度が目安です。1店舗目と同規模であれば同程度の資金が必要になります。自己資金200万〜300万円+融資で調達するのが一般的です。内装費を抑えたい場合は、居抜き物件の活用や設備リースも選択肢に入ります。
Q. 2店舗目は法人化してから出した方がいいですか?
2店舗目を出すタイミングで法人化を検討するオーナーは多いです。法人化のメリットは、社会的信用が上がり融資を受けやすくなること、節税の幅が広がること、スタッフの採用力が上がることなどです。ただし、社会保険の加入義務や設立費用(20〜30万円前後)も発生するため、利益の水準や今後の展開を踏まえて判断しましょう。
Q. オーナーが施術に入りながら2店舗を回せますか?
回せなくはありませんが、オーナーの時間は有限です。2店舗になると、マネジメント・採用・数字管理などオーナーにしかできない仕事が増えるため、施術の比重を徐々に減らしていく覚悟が求められます。少なくとも片方の店舗には、オーナーがいなくても回る体制が整っていることが前提です。
Q. 2店舗目が赤字の期間はどのくらい続きますか?
一般的には半年〜1年程度です。集客が安定し、スタッフの稼働率が上がるまでに時間がかかるためです。この期間の赤字を1店舗目の利益で吸収できるかが、2店舗経営の分かれ道になります。出店前に「何カ月分の赤字に耐えられるか」を試算しておくことが重要です。
Q. 3店舗目以降も考えている場合、2店舗目の段階で準備すべきことはありますか?
3店舗目以降を視野に入れるなら、2店舗目の段階で仕組みづくりを意識しましょう。具体的には、就業規則や評価制度の整備、教育マニュアルの作成、経理・労務の体制構築などです。1〜2店舗まではオーナーの人柄と現場力で回りますが、3店舗目からはそれが通用しなくなります。「オーナーがいなくても同じ品質が保てる仕組み」を、2店舗目の経営の中でつくり上げることが、3店舗目への最大の準備です。







