美容室が潰れる前に知っておきたい!サロン倒産の前兆と事前対策を徹底解説

この記事でわかること
  • 美容室が潰れる原因
  • 美容室を長く続けるための対策例

美容室を経営する上で、潰れる原因ってなんだろ?

西脇

美容室が廃業や潰れてしまうケースは多くあります。
実際に潰れる原因について税理士目線で、解説していきます!

美容室を経営する上で最も恐ろしいのは、サロンが倒産してしまうことです。

どんなに優れたサービスを提供していても、経営がうまくいかないとサロンは存続できません。

この記事では、美容室が倒産する前兆と、それを防ぐための具体的な対策を詳しく解説します。

サロンの未来を守るために、ぜひ最後までお読みください。

監修者

会計士
西脇 敬久

株式会社DAM代表取締役。MBA、公認会計士、税理士の資格を所有。美容業界に特化した公認会計士として、美容院の顧客を多数抱える。美容院経営で必要な数字を明確にし、”誰でもわかる会計の見える化”で18%の利益率を目指す。美容院の会計に特化したセミナー講師としても活動中。

当社は美容業界に特化した会計サービスを提供。数字を活用し、人材流出を防ぎながら、18%の利益率を目指す経営支援を行います。会計業務にとどまらず、経営改善やスタッフ定着率向上のアドバイスを通じて、美容室経営の安定と成長をトータルサポートいたします。

目次

美容室経営の経営が傾いてしまう原因9選

  • 運転資金の見積もりが甘くキャッシュがなくなる
  • 固定費・変動費が高すぎる
  • 貯金を作っていなかった
  • 開業融資を内外装で使い切っている
  • 新規集客ができないため売上が上がらない
  • リピート率が悪く売上が安定しない
  • 客単価が低く数をこなさないといけない
  • 必要経費がわかっておらず、使うべきお金を使っていない
  • スタッフが定着せず、離職率が高い
西脇

サロン経営が傾いてしまう原因をまとめました!
1つずつ解説していきます!

運転資金の見積もりが甘くキャッシュがなくなる

サロンを経営する上で最も大切なのは、運転資金の確保です。

運転資金とは、日々の運営に必要な資金のことを指し、仕入れ、給料、家賃など様々な経費に使われます。

資金が枯渇すると、どんなに優れたスタッフや最新の設備があっても経営は成り立ちません。

対策

月次収支報告書を作成する

毎月の収入と支出を詳細に記録し、資金の動きを把握します。これにより、無駄な支出を減らし、資金繰りをスムーズにすることができます。また、収支報告書を定期的に見直すことで、経営状態を常に把握し、早期に問題を発見できます。

緊急資金を確保する

突発的なトラブルに備え、運転資金の10%を緊急資金として貯金しておくことが重要です。これにより、予期せぬ支出にも対応できるようになります。緊急資金は定期的に見直し、必要に応じて増額していくことも検討しましょう。

固定費・変動費が高すぎる

  • 家賃・・・美容院の立地や規模に応じた毎月の支払い
  • リース料・・・美容院の設備や機材のリース費用
  • 水道光熱費・・・電気、ガス、水道などの光熱費
  • 人件費・・・美容師やスタッフの給与、社会保険料、賞与
  • 広告宣伝費・・・美容院の集客を目的とした広告や宣伝活動の費用
  • 通信費・・・電話、インターネットなどの通信費
  • 保険料・・・火災保険や賠償責任保険などの保険料
  • 消耗品費・・・タオル、シャンプー、カラー剤などの消耗品の費用
  • 設備維持費・・・設備のメンテナンスや修理にかかる費用
  • 税金・会計費用・・・固定資産税、法人税、会計事務所への依頼費用など

どんなに売れていてもコストがそれを上回れば美容室は潰れます。

経営を行う上で、何にお金を使うべきか・何のコストを削減すべきかの判断は重要です。

西脇

経営に必要な費用も多いですが、あれもこれもと費用をかけると経営を圧迫します!
コスト管理に注意を払い、無駄な出費を削減しましょう。

貯金を作っていなかった

美容室経営では、貯金の重要性を軽視してしまうケースが多いです。

しかし、貯金がないと予測不能なトラブルが発生した際に対応が難しくなります。

例えば、シャンプー台が故障したり、大雨で店舗が浸水した場合、新しい機器の購入や修繕工事の資金が必要です。

対策

定期預金を設定する

毎月の売上の一部を自動的に定期預金に振り分け、貯金を積み立てる習慣をつけます。これにより、貯金を自然に増やすことができます。

経営計画を見直す

利益の一部を貯金に回す計画を立て、事業拡大に全ての利益を使わないようにします。貯金を計画的に行うことで、突発的な支出にも対応できるようになります。

開業融資を内外装で使い切っている

開業時に受けた融資を内外装に全て使い切ってしまうケースもよくあります。

確かに美しい内装や最新の設備はお客様を引き付ける魅力となりますが、運営資金に一部を残しておかなければ将来の経営が危うくなります。

対策

内外装の費用を計画的に使う

開業時の資金は、内外装に使うだけでなく、運営資金としても残しておくことが重要です。必要最低限の内外装に留め、余裕を持った資金計画を立てましょう。

予算を見直す

開業後も定期的に予算を見直し、無駄な支出を削減することで、資金繰りを安定させます。予算の見直しは経営の健全化に不可欠です。

新規集客ができないため売上が上がらない

お客様が足を運んでくれなければ、いくら素晴らしいサービスを提供していても、美容室の経営は成り立ちません。

新規集客をして、リピーターとして定着してもらうことが、サロンの存続には不可欠です。

対策

SNSを活用する

InstagramやFacebookなどのSNSを活用して、店舗の魅力を発信しましょう。定期的な投稿やキャンペーン情報を提供することで、新規のお客様を引き寄せます。

口コミを大切にする

お客様の口コミやレビューは新規集客に大きな影響を与えます。良い口コミを増やすために、丁寧な接客と高品質なサービスを提供し、口コミへの返信も欠かさず行いましょう。

リピート率が悪く売上が安定しない

新規集客も重要ですが、リピーター集客はさらに重要です。

リピーターこそが経営の安定を支えています。リピーターが来ないサロンは技術、接客、設備のいずれかに課題があります。

対策

お客様とのコミュニケーションを大切にする

お客様一人一人に合わせた丁寧な接客を心がけ、次回予約を促進する接客を行いましょう。

リピーター向けの特典を用意する

リピーターのお客様に対して、特典や割引を提供することで、再来店を促進します。

客単価が低く数をこなさないといけない

客単価が低いと、自転車操業か慢性的な赤字のどちらかに陥らざるを得ません。

自転車操業は病気やけがの際のリスクが高いため、一刻も早く抜け出さなければいけない状況です。

客単価を上げるためには、高単価のメニューを予約してもらうための工夫が必要です。

対策

高単価メニューを魅力的に見せる

高単価メニューの特徴やメリットを分かりやすく伝えることで、お客様に選ばれるようにします。ビフォーアフター写真や具体的な効果を示すことで、お客様の興味を引きます。

独自の高単価メニューを開発する

他のサロンと差別化できる独自のメニューを開発し、お客様に選ばれる理由を作りましょう。オーガニックカラーや頭皮と髪に優しいトリートメントなど、健康や環境に配慮したメニューは特定のニーズを持つお客様に響きます。

必要経費がわかっておらず、使うべきお金を使っていない

適切な投資は成功のカギです。

必要な箇所にお金を投じることで、サービスや集客効果を高められます。賢くお金を「使う」ことが経営の安定につながります。

対策

広告宣伝費を適切に使う

集客には適切な広告活動が欠かせません。効果的な広告を行うことで、新規のお客様を引き寄せることができます。広告の効果を測定し、費用対効果の高い方法を選びましょう。

スタッフの教育に投資する

スタッフのスキル向上は、サービスの品質向上につながります。定期的な技術研修やモデルを使ったトレーニングを行い、スタッフの技術を磨きましょう。

従業員が定着せず、離職率が高い

美容室のスタッフの離職率が高いと、経営に多大な影響を及ぼします。

新しいスタッフの採用やトレーニングには時間と費用がかかり、これが頻繁に発生するとコストが増大し、サービスの品質も低下する可能性があります。

また、スタッフの入れ替わりが激しいと、サロンのチームワークや雰囲気にも悪影響を及ぼします。

顧客にとっても、担当の美容師が頻繁に変わることは不安要素となり、リピーターが減少するリスクがあります。

さらに美容室経営で大切な考え方になりますが、従業員は大切な仲間であるのと同時に「従業員=商品」という側面も持っています。
従業員を商品と言いたくはありませんが、「従業員=商品」の理解がないと経営が傾く原因につながります。

例えば、売上100万円/月のスタイリストがサロンを辞めるとなった場合。

お客様の半分はサロンに残ってくれたとしても数字で見るとインパクトはすごいです。

売上100万円のスタイリストが離職すると

損失は10年で6000万円

どれだけ売上がいいサロンでも、トップスタイリストが1〜2名離職すると一気に経営が傾き、最悪の場合は倒産の可能性もあります。

西脇

従業員が辞めないサロンを作ることが美容院経営で1番重要だと感じております。

まとめ

美容室経営は綿密な計画と適切な資源の配分が求められる難しい仕事です。

「潰れるかも」と思ったら、運転資金の管理から集客、コストの最適化まで、様々な側面から経営を見直しましょう。

経営者としての責任を持ち、スタッフと共に成長を目指し、サロンの未来を守るために全力を尽くしましょう。

よくある質問

美容室の運転資金が枯渇する主な原因は何ですか?

運転資金の管理不足、予期せぬ大きな出費、売上の不安定さなどが主な原因です。収入と支出のバランスを常に把握し、緊急時のための資金を確保することが重要です。

新規集客がうまくいかない場合、どのような対策がありますか?

SNSを活用した宣伝、口コミの活用、地域密着型のマーケティング、効果的な広告キャンペーンなどが対策として有効です。

リピーターを増やすためにはどのような施策がありますか?

お客様とのコミュニケーションを重視する、リピーター向けの特典を用意する、サービスの質を向上させるなどの施策が効果的です。

美容室の客単価を上げるための方法は何ですか?

高単価メニューを魅力的に見せる、独自の高単価メニューを開発する、お客様に高単価メニューのメリットを分かりやすく伝えることが重要です。

固定費や変動費が高すぎる場合、どのように削減できますか?

家賃やリース料の見直し、スタッフの離職率を下げるための対策、コスト管理の徹底などの方法で削減が可能です。

適切な投資とは何ですか?

広告宣伝費の効果的な使い方、スタッフの教育やスキルアップへの投資、必要な設備のメンテナンスなどが含まれます。投資の効果を測定し、費用対効果の高い方法を選びましょう。

美容室が倒産の危機に直面した場合、どのような対策を講じるべきですか?

迅速に経営状態を見直し、無駄な経費を削減し、売上を増加させるための施策を実行します。また、専門家のアドバイスを受けることも重要です。

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