「美容室で上場している会社って、実はほんの数社しかない。」
全国に約27万軒ある美容室の中で、株式市場に上場しているサロン運営企業はわずか5社(2025年時点)。
日本の全法人のうち上場企業は0.2%程度ですが、美容室業界ではさらに少ない。
上場とは、「資金調達」「社会的信用」「組織化」のすべてが一定レベルに達した証です。
美容業界は個人経営が圧倒的多数を占め、「技術で独立してナンボ」の文化が根強いため、上場という選択肢は縁遠いと感じるオーナーがほとんどでしょう。
しかし、上場企業の戦略やビジネスモデルを知ることは、小規模サロンのオーナーにとっても学びがあります。
なぜこの会社は成長できたのか。どこにコストをかけ、何を仕組み化したのか。
業界のトップランナーの動きを知ることで、自分のサロン経営のヒントが見えてきます。
この記事では、美容室(サロン運営)の上場企業一覧、各社のビジネスモデルと特徴、業界を支える関連上場企業、上場企業の戦略から小規模オーナーが学べるポイントまで解説します。
\LINE登録で「最新助成金情報」を無料配布中/
サロン経営で役立つノウハウも定期的にお届けしております!
美容業界に特化した会計・労務の専門チーム。
500サロン以上の支援経験をもとに、数字・人・将来の判断を“感覚”ではなく“軸”でできる経営を支えています。税金や節税だけで終わらせず、
「なぜお金が残らないのか」「どこで判断を間違えやすいのか」を整理し、
オーナーが安心して経営の舵を切れる状態をつくることをサポート。
美容室オーナーのお金と働き方の悩みに寄り添うパートナー


私たち airchair は、これまでに500サロン以上を支援してきた「美容業界に特化した会計・労務サービス」です。
美容室オーナーが「ストレスなく、サロン経営に集中できる環境」をつくることを目指しています。
こんな悩みありませんか?
- 税理士、社労士に相談しても、美容室の現場感に合った答えが返ってこない
- 数字や経営の話を、美容師仲間やスタッフには相談できず、孤独を感じている
- 決算の数字を見ても、何を改善すべきかわからない
- 設備投資やスタッフ採用の判断を、“なんとなく”でしてしまっている
- 他のサロンがどうやってお金を残しているのか知りたい
- 数字に基づいた経営判断で、将来の不安をなくしたい
そんな悩みを抱える美容師・サロンオーナーの皆さまをサポートしています。
airchairができること
- 会計・財務の数字改善サポート
- 労務・スタッフ管理の仕組みづくり
- 将来を見据えたキャリア・お金の相談
美容師・サロンオーナーの方々が抱える 「お金・労務・将来の不安」 をトータルでサポートします。
LINEで無料相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください!
セカンドオピニオンはこちらへ
airchairでは「無料相談=セカンドオピニオン」として、経営を見直すきっかけとしております。
「今のままでいいのかな?」とお悩みの方は方はお気軽にお問い合わせください。
美容室(サロン運営)の上場企業一覧
2025年時点で、美容室(ヘアサロン)を運営する上場企業は以下の5社です。
| 企業名 | 証券コード | 市場 | 主なブランド | 売上高(直近期) |
|---|---|---|---|---|
| キュービーネットHD | 6571 | 東証プライム | QBハウス | 約255億円 |
| AB&Company | 9251 | 東証グロース | Agu. hair salon | 約194億円 |
| エム・エイチ・グループ | 9439 | 東証スタンダード | モードケイズ | ─ |
| 田谷 | 4679 | 東証スタンダード | TAYA / Shampoo | 約54億円 |
| ヤマノHD | 7571 | 東証スタンダード | 美容・教育事業 | ─ |
かつてはアルテ サロン ホールディングス(NYNY、ChokiPetaなど)も上場していましたが、2022年6月に上場を廃止しています。
各社のビジネスモデルと特徴
キュービーネットHD(QBハウス)
「10分カット」で知られるヘアカット専門チェーン。シャンプー、ブロー、シェービングは行わず、カットのみを低価格・短時間で提供するモデルです。
国内約560店舗に加え、海外(シンガポール、香港、台湾など)にも約130店舗を展開。東証プライム市場に上場しており、美容業界の上場企業としては最も知名度が高い企業の一つです。
ビジネスモデルの特徴は「回転率」と「シンプルなオペレーション」。メニューをカットのみに絞ることで、スタッフの教育コストを抑え、施術時間を短縮し、1席あたりの売上を最大化する設計です。
価格改定後も来店客数が順調に伸長しており、「値上げをしてもお客さまが離れない」ブランド力とサービス設計が強みです。
AB&Company(Agu. hair salon)
「Agu. hair salon(アグ ヘアサロン)」を全国に1,050店舗以上展開する、店舗数で国内最大の美容室チェーン。2021年11月に東証グロース市場に上場しました。
最大の特徴は「業務委託モデル」。従来の雇用型ではなく、フリーランスの美容師がサロンの場所を借りて施術し、売上をサロンと分配する形態です。
このモデルにより、1店舗あたりの初期投資を抑えつつ、美容師側には「高報酬」「自由な働き方」を提供。結果として優秀なスタイリストが集まり、急速な多店舗展開が可能になりました。
「スタイリストファースト」を掲げ、美容師の長時間労働・低賃金・高離職率という業界課題を構造的に解決しようとするアプローチが、投資家からも評価されています。
エム・エイチ・グループ
「モードケイズ」を中心に、関西圏を拠点として展開する中堅サロングループ。直営サロンのほか、フランチャイズ事業やEC事業も展開しています。
若者向けのトレンドを意識した店舗デザイン、SNSを活用した集客に強みがあり、20〜30代の女性からの支持が厚い。大阪、奈良、和歌山、兵庫など、地方都市にも展開を広げています。
近年は減収傾向が続いており、直営事業とFC事業の立て直しが課題となっています。
田谷(TAYA)
都市部を中心に高価格帯サロン「TAYA」を展開する老舗企業。創業50年以上の歴史を持ち、顧客単価1万円以上の富裕層をターゲットにしています。
「Shampoo」「Capelli Punto」など複数のブランドを展開していますが、店舗数は年々縮小傾向。直近期は赤字が続いており、業績の立て直しが課題です。
「価格ではなく品質で勝負する」モデルが、価格競争が激化する業界の中でどこまで通用するか。高価格帯サロンの経営が難しい時代の縮図とも言えます。
ヤマノHD
美容学校、着付け、エステ、健康食品など複合的に展開する老舗企業。大正時代創業で、純粋な「サロン運営企業」というよりも「美容教育企業」としての側面が強い。
サロン単体の売上で勝負するのではなく、教育事業・和装宝飾事業・健康事業を組み合わせた収益構造が特徴です。美容の知識と人材を軸にした多角化経営のモデルとして参考になります。
美容業界を支える関連上場企業
サロンを運営する企業以外にも、美容業界のインフラを支える上場企業があります。
| 企業名 | 事業内容 | 市場 |
|---|---|---|
| ビューティガレージ | 美容商材の通販・卸売。登録サロン数は業界最大級 | 東証プライム |
| ミルボン | 美容室向け頭髪化粧品の開発・製造・販売。独自の経営コンサルティングも展開 | 東証プライム |
| アジュバンHD | 美容室専売のヘアケア・スキンケア製品の製造・販売 | 東証プライム |
| コンヴァノ | ネイルサロン「ファストネイル」を展開。低価格・短時間モデル | 東証グロース |
| ティビィシィ・スキヤツト | 美容サロン向けPOSレジ・顧客管理システム「Sacla」を開発・販売 | 東証スタンダード |
特にビューティガレージとミルボンは、美容室の仕入れや技術教育に深く関わる企業であり、サロンオーナーにとって身近な存在です。
上場企業に共通するポイント|なぜ成長できたのか
美容室の上場企業を俯瞰すると、成長している企業にはいくつかの共通点が見えてきます。
共通点①:「仕組み化」されている
上場企業は、属人的な技術力に依存するのではなく、再現可能な「仕組み」で店舗を運営しています。
QBハウスは「カットのみ・10分」というシンプルなオペレーションを仕組み化。Agu.は「業務委託モデル」で出店と人材確保の仕組みを標準化。田谷は「高価格帯の顧客体験」をブランドとして仕組み化。
個人の技術に頼る経営ではなく、「誰がやっても一定の品質で回る仕組み」をつくれた企業が、規模を拡大できています。
共通点②:「コスト構造」が設計されている
美容室の4大コスト(人件費・家賃光熱費・材料費・広告費)をどうコントロールするかは、上場企業でも共通の課題です。
QBハウスは、メニューを絞ることで材料費をほぼゼロにし、回転率で客数を最大化。Agu.は、業務委託モデルで人件費を「変動費化」し、固定費リスクを抑えている。
どの企業も、4大コストの構成比を意識的に設計しています。「なんとなくお金が残らない」ではなく、「どこにいくら使い、いくら残すか」を数字で管理しているからこそ、上場企業として存続しています。
共通点③:「差別化」が明確
約27万軒ある美容室の中で、上場までたどり着けた企業は、明確な差別化ポイントを持っています。
QBハウスは「カット専門・短時間・低価格」。Agu.は「業務委託・全国展開・スタイリストファースト」。田谷は「高価格帯・品質重視・ブランド力」。ヤマノは「教育・多角化」。
「何でもやるサロン」ではなく、「何かに特化したサロン」だからこそ、ブランドが成立し、スケールできています。
小規模サロンのオーナーが学べること
「うちは上場なんて関係ない」と思うかもしれません。しかし、上場企業の戦略から学べることは、規模に関係なく存在します。
学び①:「技術だけでは規模は拡大しない」
上場企業に共通しているのは、技術力「だけ」で成長したわけではないこと。技術を仕組みに変え、再現性を持たせたことで規模が拡大しています。
1〜2店舗のサロンであっても、「自分がいなくても回る仕組み」をつくる意識は経営の安定に直結します。
学び②:「コスト構造を数字で把握する」
上場企業は、決算書を通じて四半期ごとに数字を開示しています。売上、原価、販管費、営業利益。すべてが数字で管理されている。
小規模サロンでも、月末にPOSレジを締めて、売上、4大コスト、利益の3つの数字を確認する。この習慣があるかないかで、経営の安定度はまったく違います。
学び③:「差別化を言語化する」
上場企業はすべて、自社の強みを明確に言語化しています。「低価格×短時間」「業務委託×自由な働き方」「高品質×富裕層」。
あなたのサロンの差別化ポイントは何ですか。「技術が良い」「接客が丁寧」だけでは差別化になりません。誰に、何を、どのように提供するサロンなのかを言語化できているかどうかが、集客にもリピートにも影響します。
学び④:「業界の構造変化を読む」
上場企業の動向は、業界全体の構造変化を映す鏡です。
Agu.の急成長は「フリーランス美容師の増加」「業務委託モデルの台頭」という構造変化の表れ。QBハウスの値上げ成功は「低価格サービスでも値上げが通る時代になった」ことの証。田谷の苦戦は「高価格帯サロンの集客が難しくなっている」という現実。
これらの動きを知ることで、自分のサロンが今後どの方向に進むべきかのヒントが得られます。
まとめ
| テーマ | ポイント |
|---|---|
| 上場サロン運営企業 | 5社(QBハウス / Agu. / エム・エイチ / 田谷 / ヤマノ)。2022年にアルテサロンHDが上場廃止 |
| QBハウス | カット専門・短時間・低価格。国内560+海外130店舗。値上げ後も客数伸長 |
| Agu. | 業務委託モデルで店舗数国内最大(1,050超)。スタイリストファーストで人材確保 |
| 田谷 | 高価格帯ブランド「TAYA」。店舗縮小・赤字傾向。品質重視モデルの難しさ |
| 上場企業の共通点 | 仕組み化 / コスト構造の設計 / 明確な差別化 |
| 関連上場企業 | ビューティガレージ / ミルボン / アジュバンHD / コンヴァノ / TBCスキヤツト |
| 小規模オーナーの学び | 仕組み化の意識 / 数字の把握 / 差別化の言語化 / 業界構造変化の読み |
美容室で上場しているのは、27万軒のうちたった5社。それだけ「上場」のハードルは高い。
しかし、上場企業の経営手法は「上場を目指す人」だけのものではありません。仕組み化する、数字を見る、差別化を言語化する。これらは、1人美容室のオーナーにとっても、明日から実践できる経営の基本です。
自分のサロンの「4大コストの比率」を出してみる。自分のサロンの「差別化ポイント」を一文で書いてみる。上場企業の真似をする必要はありませんが、彼らが「なぜ成長できたか」を考えることは、自分の経営を振り返るきっかけになります。
ぜひ参考にしてください。
よくある質問
Q. 美容室が上場するにはどのくらいの規模が必要ですか?
上場の基準は市場区分によって異なりますが、東証グロース市場であれば、時価総額10億円以上、株主数150人以上などの基準があります。売上規模だけでなく、継続的な利益の確保、内部統制の整備、情報開示体制の構築など、組織としての成熟度が求められます。美容業界で上場企業が少ないのは、個人経営が多く組織化が進みにくい業界特性が背景にあります。
Q. AB&Company(Agu.)の業務委託モデルは一般のサロンでも真似できますか?
業務委託モデル自体は個人サロンでも導入可能ですが、Agu.の成功はモデルだけでなく「全国展開のスケールメリット」「ブランド力による人材確保」「出店ノウハウの蓄積」が組み合わさった結果です。モデルだけを真似しても同じ成果は出にくい点には注意が必要です。
Q. 田谷(TAYA)の業績が厳しいのはなぜですか?
高価格帯サロンは、価格に見合う「特別な体験」を提供し続けなければリピートが維持できません。低価格チェーンの台頭、フリーランス美容師の増加、SNS経由での個人指名の普及により、「ブランド名だけで集客できる時代」が終わりつつあることが背景にあります。
Q. 小規模サロンのオーナーが上場企業の決算を見る意味はありますか?
あります。上場企業の決算書は無料で閲覧でき、売上・原価・人件費・広告費の構成比が明確にわかります。自分のサロンの数字と比較することで、「うちは広告費をかけすぎている」「人件費率が業界平均より高い」といった気づきが得られます。
Q. 今後、美容室の上場企業は増えると思いますか?
業界全体としては、フリーランス化・デジタル化・多店舗チェーン化の流れが加速しており、これらの構造変化に適応した企業が新たに上場する可能性はあります。一方で、美容室は個人経営が主流であり、上場に必要な組織化のハードルが高いため、急激に増えることは考えにくいでしょう。


