- 美容業界誌「月刊NEXT LEADER」2026年10月号の特集に取材協力したこと
- 特集のテーマが「キャッシュを残す経営体質」になった背景
- 誌面でお伝えした、数字を経営に使うための3つの考え方
- 4大コストの目安を自分のサロンの月商に当てはめる方法
- 誌面を読む前に、今日から確認できる3つのこと
「今月も売上は悪くなかったのに、通帳を見たら思ったより残っていない。」
サロンオーナーの方とお話ししていると、この言葉を本当によく聞きます。
忙しく働いて、スタッフも頑張ってくれて、売上も出ている。
それなのに手元が薄い状態が続くと、この先やっていけるのかと不安になります。
その不安は、経営者として当然の感覚です。
ただ、この不安の正体はほとんどの場合「頑張りが足りないこと」ではありません。
手元にお金が残るかどうかは、「売上の大きさ」ではなく「コストの配分」で決まります。


このたび、美容業界誌「月刊NEXT LEADER」2026年10月号の特集で、この「お金が残る経営体質」をテーマにした企画に取材協力させていただきました。
この記事では、誌面の内容をきっかけに、今のサロンの数字をどこから見ればいいのかを順番に整理していきます。
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監修者


西脇 敬久
MBA、公認会計士、税理士の資格を有し、美容業界に特化した公認会計士・税理士として多数の美容室を支援。
決算書や試算表を専門家だけのものにせず、経営者が経営判断に使える形へと整理することを強みとしている。
美容室経営において本当に見るべき数字を明確にし、「誰でもわかる会計の見える化」を通じて、利益構造やコストバランスをシンプルに把握できる財務設計を行う。美容室向けの会計セミナー講師としても活動中。
美容業界に特化した会計・労務の専門チーム。
500サロン以上の支援経験をもとに、数字・人・将来の判断を“感覚”ではなく“軸”でできる経営を支えています。税金や節税だけで終わらせず、
「なぜお金が残らないのか」「どこで判断を間違えやすいのか」を整理し、
オーナーが安心して経営の舵を切れる状態をつくることをサポート。
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私たち airchair は、これまでに500サロン以上を支援してきた「美容業界に特化した会計・労務サービス」です。
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こんな悩みありませんか?
- 税理士、社労士に相談しても、美容室の現場感に合った答えが返ってこない
- 数字や経営の話を、美容師仲間やスタッフには相談できず、孤独を感じている
- 決算の数字を見ても、何を改善すべきかわからない
- 設備投資やスタッフ採用の判断を、“なんとなく”でしてしまっている
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月刊NEXT LEADER 2026年10月号の特集に取材協力しました
髪書房が発行する美容業界誌「月刊NEXT LEADER」2026年10月号の特集「キャッシュを残す経営体質へ 財務力の鍛え方」に、取材協力という形で参加させていただきました。
月刊NEXT LEADERは、オーナーの右腕である店長や幹部に向けたマネジメント情報を届けている専門誌です。
今回の特集では、財務の考え方を解説するページと、実際のサロンの数字を読み解くページで構成されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誌名 | 月刊NEXT LEADER 2026年10月号(発行:髪書房) |
| 特集 | キャッシュを残す経営体質へ「財務力の鍛え方」 |
| クレジット | 取材協力:airchair会計労務サービス |
| 主な内容 | 経営者の仕事はキャッシュを残すこと/数字で読み解く未来へのルートファインディング/サロンの実例 |
誌面の詳細や購入方法は、髪書房の公式ページをご覧ください。
髪書房からは、以前『人とお金が美容室に残る本』も出版させていただきました。
このような機会をいただけたことに、あらためて感謝申し上げます。
なぜ今、美容室に「財務力」が必要なのか
今回の特集が組まれた背景には、サロンを取り巻く環境が数字の面で厳しくなっているという事実があります。
帝国データバンク(2026年1月公表)によれば、2025年の美容室の倒産件数は235件で、前年の215件を上回り2年連続で過去最多となりました。
帝国データバンクの同じ調査では、倒産したサロンのうち業歴10年未満が49.0%を占めています。
つまり、開業して数年のサロンが半数近くを占めているということです。
人件費や材料費、光熱費が上がり、そこに借入の返済が重なると、売上が同じでも手元に残る金額は年々減っていきます。
だからこそ、売上を上げる方法を探す前に、今の数字がどうなっているかを見る順番が大事になります。
誌面でお伝えしたこと① 数字は「見える」で終わらせず「使える」にする
最初にお伝えしたのは、決算書を見ているだけでは経営判断はできない、ということです。
決算書は、終わった1年をまとめた過去の成績表です。
今月アシスタントを採用していいのか、2店舗目を出していいのかという問いには、そのままでは答えてくれません。
そこで必要になるのが、経営判断に使える形に数字を並べ替えることです。
見る順番は、まず預金です。
今いくらあるのか、先月と比べて増えたのか減ったのか、その理由は何かをざっくり押さえます。
そのうえで、売上に対して人件費が何パーセント、材料費が何パーセントと分解していきます。
この順番で見ると、数字は成績表ではなく「次に何をするか」を選ぶための材料に変わります。
誌面でお伝えしたこと② 4大コストは売上の80%を目指す
手元にお金が残るかどうかを一番わかりやすく映すのが、サロンの大きな支出4つの比率です。
4大コストとは、人件費・家賃光熱費・材料費・広告費の4つを指します。
このうち一番大きくなりやすい人件費については、美容室の人件費は何%が適正かで目安と考え方を詳しく解説しています。
美容室専門で会計の相談を受けてきた中での目安として、この合計が売上の80%に収まっていれば、残りの20%が利益と余白として残ります。
パーセントのままだと自分の店に当てはめにくいので、実額に置き換えてみます。
| 月商 | 4大コストの目安(80%) | 残る余白(20%) |
|---|---|---|
| 60万円(一人サロン) | 48万円まで | 12万円 |
| 150万円 | 120万円まで | 30万円 |
| 300万円 | 240万円まで | 60万円 |
これは「80%でなければいけない」という基準ではなく、ひとつの目安です。
airchairでは、85%、90%と膨らんでいくほど、経費が太って利益が残らない状態(コストメタボ)に近づいていくと考えています。
注意したいのは、借入の返済をこの4つに含めないことです。
返済は利益の中から出ていくお金なので、「4つの合計が80%に収まっているか」と「返済を終えたあとに手元が残るか」は分けて確認してください。
内訳がすぐに出てこないお店は、まず1か月分だけ手書きで書き出すところから始めれば十分です。
比率を自動で出したい場合は、無料ツールサロンツウシンボに数字を入れると3分で確認できます。
誌面でお伝えしたこと③ オーナー自身の給料を3つに分ける
もうひとつお伝えしたのが、オーナー自身のお金の考え方です。
プレイヤーとして現場に立つオーナーの場合、自分の取り分は3つに分けて考えます。
- 美容師として自分が売った分に対する対価(プレイヤーとしての給与)
- 経営者として会社に貢献した対価(役員報酬)
- 会社に残しておくお金
この3つが1つのお財布のまま混ざっていると、自分が薄給で耐えているのか、実は取り過ぎているのかが見えなくなります。
試しに、「自分が今の売上を他店のスタッフとして出していたら、歩合でいくらもらえるか」を計算してみてください。
その金額と、実際に自分が受け取っている金額の差が、今のサロンの状態を映しています。
あわせて、人件費を計算するときは社会保険料の会社負担分も必ず含めてください。
ここを抜いて計算すると、人件費が実際より軽く見えてしまいます。
なお、開業から数年たったタイミングで消費税の納税が始まるサロンもあります。
納税義務があるかどうかの判定条件は国税庁の情報や顧問税理士に確認したうえで、該当する場合は納税分を別枠で置いておくと安心です。
誌面を読む前に、今日から確認できる3つのこと
誌面を手に取る前でも、この3つは今日のうちに確認できます。
- 直近1か月の売上と、人件費・家賃光熱費・材料費・広告費の金額を書き出す
- 4つの合計を売上で割って、80%からどれくらい離れているかを見る
- そこから借入の返済額を引いて、手元にいくら残る計算になるかを確かめる
数字がぴったり出せなくても構いません。
おおよその金額で並べるだけでも、どこが重いのかは見えてきます。
どの費目から手をつけるか迷うときは、固定費を見直して利益を守る具体策もあわせてご覧ください。
まとめ
今回の特集を通してお伝えしたかったのは、数字は経営者を追い詰めるものではなく、選択肢を増やすための道具だということです。
| ポイント | 問題の本質 | 今すぐできること |
|---|---|---|
| お金が残らない | 売上不足ではなくコストの配分 | 4つの費目の比率を出す |
| 決算書を見てもわからない | 過去の成績表で判断しようとしている | 預金の増減から先に見る |
| コストが重い | どの費目が膨らんでいるか不明 | 4つの費目を金額で並べる |
| 返済で手元が薄い | 返済を経費と混ぜている | 返済後に残る金額を別で計算する |
| 自分の給料が決められない | プレイヤーと経営者の取り分が混在 | 3つに分けて計算し直す |
今すぐできるアクション
- 直近1か月の売上と、人件費・家賃光熱費・材料費・広告費の金額を紙に書き出す
- 4つの合計を売上で割り、80%との差を確認する
- 借入の返済額を引いた後の残りを計算する
- 自分のプレイヤー給与と役員報酬を分けて金額を出す
- 月刊NEXT LEADER 2026年10月号の特集に目を通す
ぜひ参考にしてください!
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- 設備投資やスタッフ採用の判断を、“なんとなく”でしてしまっている
- 他のサロンがどうやってお金を残しているのか知りたい
- 数字に基づいた経営判断で、将来の不安をなくしたい
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よくある質問
- 月刊NEXT LEADERはどこで読めますか。
-
発行元である髪書房のオンラインショップや定期購読で購入できます。
詳しくは公式ページをご確認ください。
- 数字が苦手でも読める内容ですか。
-
特集は、専門知識がある方だけでなく、これから数字を見ていきたい店長や幹部の方に向けて作られています。
- 4大コストが80%を超えていたら、すぐに何かを削るべきですか。
-
すぐに削る必要はありません。
まずはどの費目が膨らんでいるのか、その理由を説明できるかどうかを確認してください。
理由を説明できる支出は、戦略として意図的に使っている支出です。
- 一人サロンでも同じ考え方が使えますか。
-
使えます。
スタッフがいない場合は、自分のプレイヤーとしての給与と、会社に残すお金を分けて考えるところから始めると整理しやすくなります。
- 自分のサロンの数字を見てもらうことはできますか。
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