- 美容室の8月が暇になる本当の原因が「お盆」ではなく「7月の声かけ漏れ」にある理由
- 8月の落ち込みが少ないサロンと多いサロンの、予約充填タイミングの決定的な違い
- 7月繁忙期ピーク中にできる「8月先行予約」の具体的なトークスクリプト
- お盆前後の営業日・休業日を「限定感」に変える告知文の作り方
- LINE配信で既存客を動かす文面と、送るべきタイミングの設計
「7月は忙しすぎて目が回った。なのに8月に入った途端、予約表がガラ空きになる。」
開業3〜7年目・月商150〜250万円のサロンオーナーなら、この落差を毎年体感しているはずです。
8月第2週からお盆にかけて予約が一気に抜け、スタッフには夏季休暇を与えたいけれど休ませると売上がさらに落ちる。
この板挟みを「お盆だから仕方ない」と毎年やり過ごしてきたなら、今年は少し立ち止まって考えてほしいことがあります。
美容室専門で会計・労務の相談を受けてきた中で、はっきり見えてきたことがあります。
8月が暇なサロンと暇にならないサロンを分けているのは、「7月に来た客への次回予約の声かけをしたかどうか」、たったこれだけです。
お盆が暇な原因を「季節」や「天気」に求める記事は多いですが、それは本質を外しています。
8月の予約は、8月になってから集めるものではありません。
「8月の予約は、7月の繁忙期ピーク中に埋めておくもの」:この時系列の逆転が、暇なサロンと暇にならないサロンを分けている正体です。
この記事では、その構造を解説したうえで、今日から使える具体的なトークスクリプト・LINE文面・営業日設計まで、一つずつ答え合わせをしていきます。
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8月に予約が消える本当の理由は「お盆」ではなく「7月の声かけ漏れ」にある
8月の予約が空く原因の9割は、7月の繁忙期に「次回いつ来ますか?」を言えなかったことにあります。
美容室の月別来客数を見ると、8月は7月比で来客数が落ちる傾向があることは確かです。
外出機会が減る、汗で崩れるから美容室を後回しにする、お盆で地元に帰省して常連客が不在になる:これらは全て実在する要因です。
ただし、同じ立地・同じ規模のサロンでも、8月の落ち込みが小さいサロンと大きいサロンに分かれます。
その差は「季節の問題」では説明できません。
多くのサロンの相談を受けてきた中で見えてきたのは、8月に落ち込みが少ないサロンは例外なく、7月最終週の時点で翌月の予約枠がある程度埋まっているという共通点があります。
逆に、8月に大きく落ち込むサロンには共通した「穴」があります。
- 7月の繁忙期中、施術中・会計時の「次回提案トーク」がルーティン化されていない
- 次回予約を取るタイミングを「客が自分で連絡してくるもの」と思っている
- お盆前後の自サロンの営業日が決まっておらず、客に聞かれても即答できない
お盆期間の顧客心理として、「どうせ美容室もお休みだろう」と最初から予約を諦めているお客さんも少なくありません。
年に1〜2回しか来店しない客層は特にその傾向が強く、美容室側から声をかけない限り「お盆明けにそのうち」と先送りされます。
つまり、8月が暇な理由は「季節現象」ではなく、7月の繁忙期に次回予約を取り損ねたという、現場の行動の結果なのです。
美容室の8月が暇になるサロンと暇にならないサロンの、予約充填タイミングの違い
決定的な違いは「いつ8月の予約を取り始めるか」という、たったひとつのタイミングにあります。
下の表で、2つのサロンの行動パターンを比べてみてください。
| 時期 | 暇にならないサロン | 毎年暇になるサロン |
|---|---|---|
| 7月上旬〜中旬(繁忙期ピーク) | 施術中・会計時に「8月はいつ来られますか?」と次回予約を提案。その場で枠を押さえる | 忙しくて次回提案を後回しにする。「また来てくれるだろう」と思っている |
| 7月最終週 | 8月の予約充填率が一定水準を超えている状態で月末を迎える | 8月の予約表がほぼ空の状態で7月を終える |
| 8月第1週 | 既存客への8月限定オファーをLINEで配信。残り枠を埋めにいく | 「どうしよう」と焦り始め、SNSに割引投稿をする |
| お盆前後 | 営業日・休業日を事前に決めて告知済み。限定枠を早期に満席にする | 営業日が曖昧なまま。客からの問い合わせに個別対応して消耗する |
| 8月末 | 落ち込みはあっても許容範囲内。スタッフの休暇も計画通り取れた | 売上が大きく落ち込み、「また来年頑張ろう」と毎年同じ反省をする |
ポイントは、暇にならないサロンが「特別な集客施策」をやっているわけではないという点です。
やっていることは、繁忙期ピーク中に次月の予約を取るという、ごく地道な現場行動です。
8月になってから「さあ集客しなければ」と動いても、その時点では手遅れに近い状態です。
新しい集客施策より、今いる客との次回予約の約束を確実に取ることのほうが、圧倒的に費用も時間もかかりません。
この「繁忙期に翌月を仕込む」という習慣を作れるかどうかが、8月の結果を決めます。
即効策①:7月繁忙期ピーク中にやる「8月先行予約の入れ方」具体スクリプト
施術中か会計時に、一言声をかけるだけで8月の予約は取れます。
難しい営業トークは要りません。
多くのサロンで次回提案が定着しない理由は、「何を言えばいいか分からない」「断られたら気まずい」という心理的なハードルにあります。
以下のスクリプトを参考にしてください。
施術中のトーク(仕上げに入る前のタイミング)
「8月ってお盆の前後にお出かけの予定はありますか?」
→ 会話が生まれたら自然に続ける:
「お盆前にもう一度整えておくと気持ちよく夏を楽しめますよ。今ちょうど枠があるんですが、いかがですか?」
会計時のトーク(最もタイミングが取りやすい)
「次回はどれくらいで来られる予定ですか?」
→ 「まだわからない」「そのうち」と言われたら:
「8月は人気の枠が早めに埋まってしまうので、一応仮で押さえておきましょうか。合わなければ変更もできますので。」
→ 「お盆休みがあるから」と言われたら:
「ちょうどお盆前後で○日と○日に枠があります。帰省前に来ていただくお客様も多くて、そのあたりが人気です。」
このスクリプトのポイントは3つです。
「予約しますか?」の押しつけでなく、「お盆の予定は?」という自然な会話から始める
「枠がある」「人気の枠」という表現で、今決める理由を渡す
「変更もできます」と一言添えることで、客の心理的なハードルが下がる
スタッフがいる場合は、このスクリプトをチームで共有し、7月の全施術で声かけをルーティン化することが最優先です。
「声かけるかどうかはスタッフ個人の判断」という状態のまま放置すると、声かけが得意なスタッフと苦手なスタッフで8月の予約充填率が大きく開きます。
7月の朝礼で「今日の施術では全員、会計時に8月の予約を提案してみよう」と一言共有するだけで、現場の行動は変わります。
即効策②:お盆前後の営業日・休業日を逆手に取った「限定枠」の見せ方と告知文
お盆期間の営業日を「早めに・明確に・限定感つきで」告知することが、予約を動かす最速の手段です。
多くのサロンが失敗するのは、営業日の決定が遅いことです。
「うちはお盆どうするの?」がオーナーの頭の中でまだ決まっていない状態では、客に聞かれても答えられず、予約を逃します。
お盆の営業日は遅くとも7月上旬には決定し、7月中旬には告知を始めることが基本です。
「限定枠」として見せる考え方
お盆期間に営業する場合、「普通に開けています」と伝えるのではなく、「限定〇席」として見せると予約の動きが変わります。
例えば、8月13日〜15日を休業にして8月10〜12日・16〜17日を営業するなら:
「お盆前後の特別営業枠:8月10日・11日・12日のみ受付。各日4名限定です。」
「帰省前にきれいにしたい方・お盆明けに早めに整えたい方のための限定枠です。」
同じ「4席空いている」でも、「空いています」と「4名限定」では客の反応がまったく異なります。
店頭・SNS・Googleビジネスプロフィールへの告知文の型
【夏季の営業スケジュールについて】
〇月〇日(○)〜〇月〇日(○)は休業いたします。
お盆前後(○日・○日)は特別営業枠として、各日〇名様限定でご予約を承ります。
帰省前のスタイルを整えたい方は、お早めにご連絡ください。
このような告知文を7月中旬に投稿し、LINEでも配信します。
Googleビジネスプロフィール(Google検索で表示されるサロン情報)には休業日を必ず登録してください。
「お盆 美容室 〇〇(地域名)」で検索した客が、営業日の確認に使うためです。
即効策③:既存客への8月限定オファー連絡:LINE配信の文面と送るタイミング
LINEは、8月の予約を動かす最も即効性の高いツールです。
ただし「何を」「いつ」送るかで反応率が大きく変わります。
多くのサロンでLINE配信が機能しない理由は、送るタイミングが遅いことと、内容が「お知らせ」で終わっていることの2点です。
送るタイミングの基本設計
| 配信タイミング | 目的 | 内容の方向性 |
|---|---|---|
| 7月最終週(月末) | 8月の先行予約を取る | お盆前後の限定枠と営業スケジュールの案内 |
| 8月第1週(お盆1〜2週前) | まだ予約していない客を動かす | 残り枠・締切感のあるオファー |
| お盆明け(8月第3〜4週) | お盆休みで来られなかった客を呼び戻す | 「久しぶりのケア」や「夏ダメージ補修」メニューの提案 |
7月最終週のLINE文面例
—
〇〇(サロン名)からお盆前のご案内です🌻
8月のお盆期間(〇日〜〇日)はお休みをいただきます。
お盆前後(〇日・〇日)は「帰省前・お盆明け限定枠」として、各日〇名様のみご予約を承ります。
帰省前にスタイルを整えたい方・夏のダメージが気になってきた方は、このタイミングがおすすめです。
ご予約はこちら→ 〔予約リンク〕
—
8月第1週のLINE文面例(残り枠バージョン)
—
〇〇(サロン名)です。
お盆前の限定枠、おかげさまで残りわずかになってきました。
〇月〇日(〇)・〇日(〇)にあと〇名様のみご案内できます。
「夏のうちに一度整えておきたい」という方はお早めにどうぞ。
ご予約はこちら→ 〔予約リンク〕
—
文面の長さは3〜5行が目安です。
読まれないLINEの多くは、伝えたいことを詰め込みすぎて長くなっています。
「何をしてほしいか(=予約する)」を一行目か二行目に置き、予約リンクへの導線を明確にすることが最優先です。
また、配信時間帯は火〜木の19時〜21時が開封率の高い傾向があります。
月曜・金曜・土日は埋もれやすいため、平日の夜に送ることをおすすめします。
来年の8月を暇にしないための年間カレンダーの仕込み方
「8月が来てから考える」をやめて、年間の予約充填スケジュールを先に設計することが根本の解決策です。
毎年同じ8月の反省を繰り返さないために、年間カレンダーに「翌月の仕込みを始める日」を予め書き込んでおく習慣を作ります。
| 時期 | やること | チェックポイント |
|---|---|---|
| 毎月15〜20日頃 | 翌月の営業日・休業日を確定し、スタッフに共有する | 「翌月の予定を客に聞かれたら即答できるか」 |
| 繁忙月の最終2週間 | 施術・会計ごとに翌月の次回予約提案を全施術でルーティン化 | 「今月来た客の何割に次回日程を聞けたか」 |
| 繁忙月末 | 翌月の予約充填率を確認。一定水準に達していなければLINE配信で補う | 「翌月の予約表に空白が多すぎないか」 |
| 年末(12月) | 翌年のお盆・GW・年末年始の営業スケジュールを仮で決めておく | 「お盆の休業日を自分の意志で決めているか、流されているか」 |
特に重要なのは、「翌月の営業日を毎月15〜20日に確定させる」という習慣です。
これが決まっていないサロンは、客から「お盆どうなってますか?」と聞かれて初めて考え始める状態になります。
営業日が決まっていないと、次回予約の提案もできません。
「〇日と〇日はご案内できます」という具体的な日付を出せて初めて、客は予約を決める気になります。
また、スタッフの夏季休暇スケジュールも、この営業日設計と同時に組みます。
「スタッフを休ませると売上が落ちる」という板挟みは、営業日設計が先に決まっていないから生まれます。
「この日は全員で休む、この日は出る」というサロン全体のスケジュールを先に決め、そこに予約充填の仕込みを乗せることで、休暇と売上の両立が初めて可能になります。
まとめ
| ポイント | 問題の本質 | 今すぐできること |
|---|---|---|
| 8月が暇な本当の原因 | お盆や季節のせいではなく、7月の次回予約声かけ漏れ | 7月の全施術で会計時に「8月はいつ来られますか?」を必ず言う |
| 予約充填のタイミング | 8月になってから動いても手遅れ。7月繁忙期中に翌月を埋める | 7月最終週に8月の予約充填率を確認し、LINEで補う |
| お盆前後の営業設計 | 営業日が決まっていないと提案も告知もできない | 営業日を7月中旬に確定し、「限定〇名」として告知する |
| LINE配信の設計 | 「お知らせ」で終わる文面・タイミングが遅い | 7月末・8月第1週・お盆明けの3段階で配信スケジュールを組む |
| 来年の仕込み | 毎年同じ反省をするのは「年間設計」がないから | 毎月15〜20日に翌月の営業日を確定する習慣をカレンダーに入れる |
8月が暇になるかどうかは、8月ではなく7月に決まります。
今年の7月がもう終わっているなら、今できる手(LINE配信・限定枠の告知)を今週中に動かすことと、来年の7月に向けた現場ルーティンを今設計することの、2つを並行して進めてください。
ぜひ参考にしてください!
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- 決算の数字を見ても、何を改善すべきかわからない
- 設備投資やスタッフ採用の判断を、“なんとなく”でしてしまっている
- 他のサロンがどうやってお金を残しているのか知りたい
- 数字に基づいた経営判断で、将来の不安をなくしたい
そんな悩みを抱える美容師・サロンオーナーの皆さまをサポートしています。
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よくある質問
- お盆は完全休業と一部営業、どちらが売上的に得ですか?
-
一概にどちらが得とは言えません。
判断の基準は「スタッフと自分の体力を保ちながら、来てくれる客に応えられるか」です。
完全休業にしてもLINEや告知で前後の予約を充填できれば、休業期間の売上ロスはある程度取り返せます。
一方で、帰省前・お盆明けの需要をつかみたいなら2〜3日だけ限定営業し「限定〇名」として告知する方法が有効です。
まずお盆の前後1週間で自サロンの予約状況を振り返り、需要があるタイミングだけ開ける設計を検討してください。
- スタッフの夏休みと売上をどう両立すればいいですか?
-
両立の鍵は「スタッフの休暇希望を先に集め、営業日を確定してから予約を受け付ける」という順番にすることです。
「予約が入ってしまったから休めない」という状況は、営業日を決める前に予約を受けてしまっていることが原因です。
7月中旬までにスタッフの希望を集め、シフトと営業日を確定し、「この日は受付します、この日はお休みです」と告知する。
この順番を守ることで、休暇と売上の板挟みは構造的に解消できます。
- 次回予約を提案しても「まだわからない」と言われる客にはどうすればいいですか?
-
「仮押さえ」という言葉を使うことが有効です。
「合わなければ変更・キャンセルできるので、一応仮で入れておきましょうか」と伝えると、決断のハードルが大きく下がります。
「予約する」ではなく「仮で押さえる」という言い方は、客にとって断るより受け入れる方が楽な選択肢になります。
また、「次はいつ頃になりそうですか?」と月・時期の見当だけ聞き、日付は後でLINEで確認する流れにするのも一つの方法です。
- 1人サロンで施術中に次回提案のタイミングが取れません。どうすればいいですか?
-
1人サロンでは会計・お見送りのタイミングが最も確実です。
施術中は手も口も塞がっているので無理に挟む必要はありません。
「またのご来店お待ちしています」の一言の前に「次回はどれくらいで来られそうですか?」と一言添えるだけで、会話の流れとして自然に提案できます。
また、予約リンクをLINEの固定メッセージに設定しておき、「今日はありがとうございました」の自動返信に予約リンクを入れておくことで、来店後の当日中に次回予約が入るケースも多く見られます。


