「2人で一緒にお店をやろう。」
先輩と後輩、同期、夫婦。美容師同士で意気投合し、共同経営で美容室を開きたいと考える方は増えています。
1人では不安なことも、2人なら心強い。資金も分担できるし、リスクも半分になる。そう感じるのは自然なことです。
ただ、共同経営で最も多いトラブルの原因は、技術でも集客でもありません。
お金です。
「利益は半分なのに、面倒な手続きは全部自分がやっている」「最初は対等だったはずなのに、いつの間にか不公平に感じるようになった」。こうした不満が積み重なり、関係が壊れてしまうケースは少なくありません。
この記事では、美容室の共同経営について、給料の決め方、税金の仕組み、トラブルを防ぐためのルールづくりまで解説します。
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美容室の共同経営とは?3つの形態
美容室の共同経営には、大きく分けて3つの形態があります。
どの形態を選ぶかによって、給料の出し方も税金の扱いもまったく変わります。
形態①:個人事業主+従業員(または業務委託)
最もよくある形です。1人が個人事業主として開業届を出し、もう1人は従業員として給料をもらう、または業務委託契約を結ぶパターンです。
見た目は「共同代表」でも、書類上は「事業主」と「従業員」に分かれます。
確定申告では、事業主は事業所得として申告し、従業員は給与所得として申告します。所得の種類が違うため、税金の計算方法も違い、2人を完全に平等にすることはできません。
形態②:法人を設立して共同で役員になる
法人(株式会社や合同会社)を設立し、2人とも役員(代表取締役と取締役、または共同代表)になるパターンです。
株式を50%ずつ持ち、役員報酬も同額に設定すれば、金銭的な不公平感は生まれにくくなります。
共同経営で「対等な関係」を目指すなら、法人化が最も合理的な選択肢です。
形態③:2人ともそれぞれ個人事業主
それぞれが個人事業主として独立し、1つの店舗を共同で使うパターンです。シェアサロンに近い形態です。
売上も経費もそれぞれが管理し、家賃などの固定費だけを折半する仕組みです。自由度は高いですが、もし2人以外にスタッフを雇う場合、どちらの名義で雇用するかという問題が発生します。
共同経営の給料はどう決める?
「2人で半分ずつ」と口約束で始めると、後でトラブルになります。
給料(報酬)の決め方は、選んだ経営形態によって異なります。
個人事業主+従業員の場合
事業主側は「給料」をもらうことはできません。売上から経費を引いた利益が、そのまま事業主の所得になります。
もう1人は従業員として毎月の給与が支払われます。給与額は2人で話し合って決めますが、確定申告上は事業主の経費として処理されます。
この形態の問題点は、事業主の方がリスクを多く背負うことです。借入の返済責任は事業主にあり、保健所の届出や賃貸契約の名義も事業主。利益は半分なのに、責任は自分が多い。
この不公平感が、共同経営のトラブルで最も多いパターンです。
法人の場合(共同で役員になる)
法人の場合、2人とも「役員報酬」として毎月の給料を受け取ります。
役員報酬は期首(事業年度の最初)に決め、原則として1年間変更できません。2人とも同じ金額に設定すれば、手取りの差はほぼなくなります。
たとえば、月商200万円のサロンで4大コストを80%以内に収め、利益が月40万円出ている場合、2人の役員報酬をそれぞれ月30万円に設定するといった形です。
役員報酬は法人の経費になるため、法人の利益(法人税の対象)を圧縮できます。ただし、報酬を高くしすぎると法人の利益がなくなり、借入返済に回すキャッシュが不足するため、バランスが大切です。
給料を決めるときに意識すべきこと
給料の金額だけでなく、以下の点もあらかじめ決めておく必要があります。
売上が想定を下回った場合、報酬はどうするか。利益が出た場合の賞与(ボーナス)の基準。どちらかが病気や怪我で働けなくなった場合の対応。将来、どちらかが辞めたいと言った場合の精算方法。
これらは口約束ではなく、書面にしておくことが重要です。
美容室の共同経営と税金
共同経営の形態によって、かかる税金の種類と金額が変わります。
個人事業の場合
事業主は所得税(累進課税)+住民税+個人事業税が課されます。所得が増えるほど税率が上がる仕組みで、所得が900万円を超えると税率は33%になります。
従業員側は給与所得として所得税+住民税が課されますが、給与所得控除が使えるため、同じ金額でも事業所得より税負担が軽くなるケースがあります。
つまり、個人事業主の共同経営では、事業主側の方が税負担が重くなりやすい。ここにも不公平感が生まれます。
法人の場合
法人の場合、サロンの利益にかかるのは法人税(税率は一定)で、2人が受け取る役員報酬にかかるのは所得税+住民税です。
法人税の税率は、利益800万円以下の部分で約15%、800万円超の部分で約23%です。個人事業主の所得税は利益が増えるほど税率が上がる累進課税ですが、法人税は一定のため、利益が大きくなるほど法人の方が有利になります。
また、法人化すると経費として認められる範囲が広がります。役員への退職金の積立、社宅制度の活用、出張旅費規程による非課税手当など、個人事業にはない節税の仕組みが使えるようになります。
共同経営で法人化した方がいいタイミング
以下のいずれかに当てはまるなら、法人化を検討する価値があります。
2人の合計所得が500万円を超えてきたとき。スタッフを雇い始めるとき。2人の関係を対等にしたいとき。将来、2店舗目を視野に入れているとき。
法人化には設立費用(20〜30万円前後)がかかりますが、税金・社会保険・融資・対等な関係性のすべてを考慮すると、共同経営では法人化のメリットが大きい場合が多いです。
共同経営でトラブルを防ぐための5つのルール
共同経営は、うまくいっているときよりも、うまくいっているときに問題の種が生まれます。
売上が伸びて「このままでいい」と思っているとき。逆に、売上が落ちて不安になっているとき。どちらの場面でも、ルールがなければ不満が溜まります。
ルール①:役割分担を書面にする
「なんとなく2人でやっている」状態は、どちらかの不満につながります。
経営(資金繰り・融資・契約関連)は誰がやるのか。現場のオペレーション(シフト管理・在庫管理)は誰がやるのか。採用・育成は誰が担当するのか。
書面で明確にしておけば、「自分ばかりやっている」という不満を防げます。
ルール②:お金の分配ルールを明文化する
利益の分配比率、報酬の決め方、経費の使い方。これらを口約束にせず、共同経営契約書のような形で文書にしておきましょう。
特に決めておくべきなのは、利益が出たときの分配方法だけでなく、赤字になったときの負担方法です。利益は半分、損失も半分。この覚悟が共有できていないと、苦しい時期に関係が壊れます。
ルール③:意思決定の方法を決めておく
2人の意見が割れたとき、どうやって最終決定を下すか。
「話し合いで決める」は美しいようで、実務では機能しないことが多い。最終的な決定権を持つのは誰か、あるいは分野ごとに決定権を分けるか、事前に決めておくことが大切です。
ルール④:出口戦略を決めておく
「一緒にやめるとき」と「どちらかが辞めるとき」の2パターンを想定しておきましょう。
特に法人の場合、株式の買取価格や買取方法を決めておかないと、辞める側も残る側も身動きが取れなくなります。
開業前に「辞めるときの話」をするのは気が重いかもしれませんが、ここを曖昧にしたまま始めると、関係が壊れたときに法的な争いに発展するリスクがあります。
ルール⑤:数字を共有する仕組みをつくる
売上、経費、利益、預金残高。
お金の数字をどちらか一方だけが握っている状態は、不信感の原因になります。毎月の数字を2人で共有し、経営判断を一緒に行う仕組みをつくりましょう。
月に1回、30分でいい。2人で数字を見る時間をつくるだけで、不満の芽はかなり摘めます。
共同経営のメリットとデメリット
ここまでの内容を踏まえて整理します。
メリット
経営者としての覚悟を持った人間が2人いること。これが最大のメリットです。
1人では手が回らないことを分担できる。互いの強みを活かせる。精神的な支えにもなる。人材の確保という意味でも、開業時点でスタイリストが2人いる状態は大きなアドバンテージです。
将来の2店舗目を見据えたときにも、経営者が2人いるサロンは出店の準備が整いやすい。
デメリット
意思決定のスピードが遅くなる。お金の分配で不公平感が生まれやすい。関係が壊れたときに事業の継続が困難になる。
共同経営のデメリットは、すべて「ルールがないこと」から生まれます。
逆に言えば、ルールを整えれば、共同経営は大きな可能性を持つ経営スタイルです。
まとめ
| テーマ | ポイント |
|---|---|
| 経営形態 | 個人事業+従業員 / 法人で共同役員 / それぞれ個人事業の3パターン |
| 給料の決め方 | 法人なら役員報酬を同額に設定するのが最も対等。個人事業は構造的に不公平が生まれやすい |
| 税金 | 個人事業は累進課税で事業主側が重い。法人税は一定で、利益が大きくなるほど有利 |
| 法人化のタイミング | 合計所得500万円超 / スタッフを雇う / 対等な関係にしたい / 2店舗目を視野に入れる |
| トラブル防止 | 役割分担・お金の分配・意思決定・出口戦略・数字の共有を書面にする |
共同経営のトラブルの多くは、お金のルールが曖昧なまま始めてしまうことから起きます。
技術も想いも合う相手だからこそ、お金の話をきちんとしておく。それは関係を壊す行為ではなく、関係を守る行為です。
数字を共有し、ルールを整え、お互いが納得できる仕組みをつくる。それができれば、共同経営は1人ではたどり着けない場所に連れていってくれる経営スタイルになります。
でも逆に言えば、ここを整えれば利益は残る。
よくある質問
Q. 夫婦で共同経営する場合、税金面で有利な方法はありますか?
夫婦の場合、法人化して2人とも役員になるか、個人事業で配偶者を青色事業専従者として届け出る方法があります。青色事業専従者給与は全額経費にできるため、事業主の所得を分散して税負担を軽減できます。ただし、専従者は他でパート等ができないなどの制約があるため、働き方に合った方法を選びましょう。
Q. 共同経営で片方が辞めたい場合、どうなりますか?
個人事業の場合、事業主でない方が辞めるのは退職と同じ扱いです。事業主の方が辞めたい場合は、事業そのものを相手に譲渡するか、廃業するかの判断になります。法人の場合は、辞める側の株式を残る側が買い取る形が一般的です。買取価格の算定方法を事前に決めていないと、ここで揉めることが多いため、共同経営契約書に明記しておくことが重要です。
Q. 個人事業の共同経営で、利益を折半する方法はありますか?
個人事業で利益を完全に折半するのは構造的に難しいです。事業主は事業所得として申告し、もう1人は給与所得(または業務委託の事業所得)として申告するため、税金の計算方法が異なります。利益を対等に分けたいのであれば、法人を設立して役員報酬を同額にする方が合理的です。
Q. 共同経営契約書には何を書けばいいですか?
最低限含めておきたい項目は、出資比率と利益分配の方法、役割分担、報酬の決め方、意思決定のルール(最終決定権は誰か)、どちらかが辞める場合の精算方法、事業を終了する場合の手続きです。ひな形をネットで探して自作することもできますが、金額が大きい場合や法人化を予定している場合は、行政書士や税理士に相談して作成することをおすすめします。
Q. 共同経営で開業するとき、融資は2人で受けられますか?
融資は原則として事業主体(個人事業主または法人)に対して行われるため、「2人で連名で借りる」という形は一般的ではありません。個人事業の場合は事業主名義で申し込み、もう1人は連帯保証人になるケースがあります。法人の場合は法人名義での借入となり、代表者が連帯保証人になるのが通常です。融資を見据えるなら、法人化しておいた方が審査上もスムーズです。


