美容室の有給休暇|付与日数・パートへの適用・年5日取得義務の対応まで解説

美容室の有給休暇|付与日数・パートへの適用・年5日取得義務の対応まで解説
この記事でわかること
  • パートを含む全スタッフへの有給付与義務と比例付与の仕組み
  • 正社員・週4日・週3日ごとの具体的な付与日数テーブル
  • 年5日取得義務の内容・罰則・管理簿の整え方
  • 美容室オーナーに多い誤解4つを一問一答で解消
  • シフトが薄い美容室でも有給を回す計画年休・時間単位取得の現実解

「有給を取らせてあげたい気持ちはある。でもシフトが回らなくなったらどうするんだ」

開業4〜5年目、スタッフが3〜6名に増えてきたタイミングで、こういう葛藤を抱えるオーナーがとても多くいます。

年5日取得義務に罰則があることは何となく知っている。

でも具体的な対応手順がわからず、気づけばそのままになっている。

パートのスタッフには「フルじゃないから関係ないだろう」と思っていた。

でも本当にそうなのか、確認できていない。

この記事の結論を先に言います。

ここがポイント

美容室の有給問題の本質は、「法律が難しい」ことではありません。

有給の仕組み化を止めているのは「シフトが薄いから有給を消化させると予約が回らなくなる」という構造問題であり、法律の誤読とは別の場所に問題の根っこがあります。

そして、パートへの有給付与は法的義務です。

週3日勤務のスタッフでも、勤続6カ月で5日の付与が発生します。

「フルじゃないから不要」は誤解であり、この誤解が最もリスクの高い盲点になっています。

この記事では、付与日数の計算テーブル・年5日義務の具体的な対応手順・シフトが薄いサロンでも有給を回す現実解を、順番に答え合わせしていきます。

\LINE登録で「最新助成金情報」を無料配布中/
サロン経営で役立つノウハウも定期的にお届けしております!

美容業界に特化した会計・労務の専門チーム。
500サロン以上の支援経験をもとに、数字・人・将来の判断を“感覚”ではなく“軸”でできる経営を支えています。税金や節税だけで終わらせず、
「なぜお金が残らないのか」「どこで判断を間違えやすいのか」を整理し、
オーナーが安心して経営の舵を切れる状態をつくることをサポート。

美容室オーナーのお金と働き方の悩みに寄り添うパートナー

私たち airchair は、これまでに500サロン以上を支援してきた「美容業界に特化した会計・労務サービス」です。

美容室オーナーが「ストレスなく、サロン経営に集中できる環境」をつくることを目指しています。

こんな悩みありませんか?

  • 税理士、社労士に相談しても、美容室の現場感に合った答えが返ってこない
  • 数字や経営の話を、美容師仲間やスタッフには相談できず、孤独を感じている
  • 決算の数字を見ても、何を改善すべきかわからない
  • 設備投資やスタッフ採用の判断を、“なんとなく”でしてしまっている
  • 他のサロンがどうやってお金を残しているのか知りたい
  • 数字に基づいた経営判断で、将来の不安をなくしたい

そんな悩みを抱える美容師・サロンオーナーの皆さまをサポートしています。

airchairができること

  • 会計・財務の数字改善サポート
  • 労務・スタッフ管理の仕組みづくり
  • 将来を見据えたキャリア・お金の相談

美容師・サロンオーナーの方々が抱える 「お金・労務・将来の不安」 をトータルでサポートします。

LINEで無料相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください!

セカンドオピニオンはこちらへ

airchairでは「無料相談=セカンドオピニオン」として、経営を見直すきっかけとしております。
「今のままでいいのかな?」とお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。

目次

【結論】美容室でもパートでも有給は義務:オーナーが最初に知るべき3つの前提

有給休暇は「取りたい人が取る制度」ではなく、オーナーが付与して取得させる義務のある制度です。

ここを誤解したまま運用していると、監督署の調査が入ったときに「知らなかった」では済まなくなります。

まず3つの前提を押さえてください。

前提① 付与は「雇用形態」ではなく「出勤率と勤続期間」で決まる

正社員・パート・アルバイトの区別は、有給の付与義務に関係しません。

判断基準は「全労働日の8割以上出勤しているか」「勤続6カ月以上か」の2点です。

この条件を満たしたスタッフには、週の所定労働日数(あらかじめ決められた1週間の出勤日数)に応じた有給休暇を付与する義務があります。

前提② 週の所定労働日数が少ないスタッフには「比例付与」が適用される

週4日・週3日のパートスタッフには、フルタイムと同じ日数ではなく、所定労働日数に比例した日数を付与します(これを比例付与といいます)。

「日数が少ないから付与しなくていい」のではなく、「日数に応じた付与が必要」という理解が正確です。

前提③ 年5日の取得義務は、付与された日から管理する責任がオーナーにある

2019年4月から、年10日以上の有給が付与されているスタッフに対して、オーナー(会社)が年5日を取得させる義務が生じています。

スタッフが自分で申請しなくても、オーナー側が取得を管理する責任があります。

「忙しくて取らせられなかった」は言い訳にならず、違反が発覚した場合は対象スタッフ1人につき30万円以下の罰金が科される可能性があります(労働基準法第120条)。

付与日数の計算:正社員・週4日・週3日パートそれぞれの具体的な日数テーブル

週4日・勤続3年6カ月超のパートスタッフは、今日から年5日取得義務の対象になっています。

まず全スタッフの付与日数を、このテーブルで確認してください。

まず、週5日以上または週30時間以上勤務するスタッフ(正社員・フルタイムパート)の付与日数です。

勤続期間付与日数年5日義務の対象
6カ月10日対象
1年6カ月11日対象
2年6カ月12日対象
3年6カ月14日対象
4年6カ月16日対象
5年6カ月18日対象
6年6カ月以上20日対象

次に、週4日・週3日など所定労働日数が少ないパートスタッフへの比例付与です。

週所定労働日数勤続6カ月1年6カ月2年6カ月3年6カ月4年6カ月5年6カ月6年6カ月以上
4日7日8日9日10日12日13日15日
3日5日6日6日8日9日10日11日
2日3日4日4日5日6日6日7日
1日1日2日2日2日3日3日3日

出典:厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」パンフレット(最新版)

表の中で特に注意してほしいのが、週4日・勤続3年6カ月の欄です。

ここで付与日数が10日に達し、年5日取得義務の対象に入ります。

長く働いてくれているパートスタッフほど、義務の対象になっている可能性が高くなります。

週3日勤務の場合、勤続3年6カ月でも付与日数は8日なので年5日義務の対象には届きませんが、付与そのものは必要です。

「うちのパートは週3日だから関係ない」ではなく、「勤続年数が何年で、付与日数は何日か」を一人ひとり確認することが出発点です。

年5日取得義務の正体:罰則・管理簿・時季指定義務をシンプルに整理する

まず管理簿を作ることが最初の一手です。

管理簿がなければ、取得できていたかどうかを証明することもできません。

美容室専門で労務の相談を受けてきた中で、「有給管理簿をそもそも作っていなかった」というケースが最も多く見られます。

年5日取得義務は3つのパーツで動いています。

「取得させる義務」「時季を指定する義務」「管理簿の作成義務」を混同せず整理すると、何をすべきかがはっきり見えます。

パーツ① 取得させる義務

年10日以上の有給が付与されたスタッフに対して、付与日から1年以内に5日以上取得させなければなりません。

スタッフが自分で申請して取得した日数も、この5日にカウントできます。

ただし、スタッフ任せで放置しておいて年度末に「5日に足りていない」となった場合、オーナーが違反の責任を負います。

パーツ② 時季指定義務

スタッフが5日に満たない状態が続いている場合、オーナー側が取得日を指定して取得させる義務があります(労働基準法第39条第7項)。

ただし、指定するときはスタッフの意見を聞き、できる限り希望に添った日取りにすることが原則です。

「忙しいから後でいい」と先送りしていると、オーナーが違反状態に置かれたままになります。

パーツ③ 管理簿の作成義務

年10日以上の有給が付与されているスタッフ全員分の「年次有給休暇管理簿」を作成・保存する義務があります(3年間の保存が必要)。

管理簿に記載する項目は「基準日(有給が付与された日)」「付与日数」「取得日数・取得日」の3点です。

Excelで作成しても構いません。

スタッフごとにシートを分けて、取得のたびに記録していく形で十分機能します。

罰則について

年5日取得義務に違反した場合、違反対象のスタッフ1人ごとに30万円以下の罰金が科される可能性があります(労働基準法第120条)。

スタッフが3名対象だった場合、最大90万円の罰金リスクになります。

管理簿がなければ、監督署の調査が入ったときに「取得させていた」という事実を証明できません。

3〜6名のスタッフを抱えるサロンであれば、Excelの管理簿を今日中に作り始めることが最優先です。

美容室あるあるの誤解4選:現場で多い思い込みを一問一答で潰す

以下の4つの誤解は、どれも「知らないまま数年間放置してしまう」タイプのリスクです。

美容室専門で労務の相談を受けてきた中で、特に繰り返し出てきたパターンを一問一答で整理します。

Q1. パートスタッフは有給の対象外でしょ?

違います。

有給は雇用形態で決まるのではなく、出勤率と勤続期間で決まります。

週3日のパートスタッフでも、勤続6カ月・8割出勤を満たせば5日の付与が必要です。

「パートは有給なし」のつもりで何年も運用していたオーナーが、退職したスタッフから未払いを指摘されるケースは少なくありません。

在籍中のうちに付与・管理の体制を整えておくことが、トラブルを防ぐ最短経路です。

Q2. 試用期間中のスタッフには付与しなくていい?

試用期間中かどうかは関係ありません。

有給付与の条件はあくまで「雇い入れ日から6カ月経過・8割以上出勤」であり、試用期間の設定があっても条件さえ満たせば付与が必要です。

「試用期間が終わってから考える」と先送りしているうちに付与タイミングを見落とし、管理が乱れたまま数年が経つというケースがよく見られます。

入社日を起点に6カ月後の日付をカレンダーに入れておくだけで、見落としのほとんどは防げます。

Q3. スタッフが申請してこなければ、取得させなくていい?

違います。

年5日取得義務は「申請があれば応じる」だけでは足りません。

5日に満たないまま1年が過ぎると、オーナー側が義務違反になります。

スタッフが「忙しそうだから遠慮している」「申請の仕方がよくわからない」という状態でも、オーナーが能動的に取得を促す責任があります。

「申請してこないから大丈夫」と思っていたオーナーが、監督署の調査で複数名分の義務違反を指摘されるケースは、美容室でも起きています。

Q4. 有給を取らせると客が来たとき困るから、買い取りで代用してもいい?

原則として、有給の買い取りは禁止されています。

「お金を払うから休まなくていい」はルール上認められません。

例外として、退職時に残った有給の買い取りや、法定日数を超えた部分の買い取りは問題ありませんが、年5日義務の代替手段にはなりません。

そして、「買い取りで代用できる」と信じていたオーナーが実際に困るのは罰則だけではありません。

「このサロンは休ませてくれない」という認識がスタッフの中に根づくと、離職の引き金になります。

有給をきちんと取らせていることが、長く働き続けてもらうための土台の一つになります。

シフトが薄い美容室で有給を回す現実解:計画年休・時間単位取得・繁閑シフト設計の組み合わせ方

「有給を取らせたいが、シフトが回らなくなる」という恐怖の正体は、スタイリスト1人が丸1日抜けると予約を受けられなくなるという美容室固有の構造問題です。

この構造を正面から崩そうとするから行き詰まります。

ここがポイント

迂回するのが正解です。

法律が難しいわけではない。

取れないルールがあるわけでもない。

問題は「突然申請が来て、その日の予約が崩れる」という体験を何度かしたオーナーが、有給そのものを怖がるようになっていることです。

その恐怖は、「突然の申請に対応する」という前提を変えることで消えます。

有給を「年間シフト設計の一部」として先に組み込んでしまえば、突然の申請は来なくなります。

美容室専門で労務の相談を受けてきた中で、有給の仕組み化がうまくいったサロンに共通するのはこの発想の転換です。

「閑散期に取得ゾーンを設けて年初にシフト計画に組み込んだら、年度末に焦って取らせる必要がなくなった」という声を実際に聞いてきました。

具体的な3つの手段を、取り組みやすい順に説明します。

手段① 繁閑シフト設計との組み合わせ(最初に取り組む土台)

年間の予約データを見て、「有給を取りやすい時期」を先に特定することが出発点です。

多くのサロンで予約が落ち着く時期は、1〜2月(成人式明け〜バレンタイン前)・6月(梅雨で外出が減る時期)・10月の平日などです。

この閑散期を「有給消化ゾーン」として年初にシフト計画に明示します。

  1. 1月に各スタッフと10〜15分の個別面談を設ける
  2. 「今年はいつ頃休みたいか」を確認し、閑散期の候補日を一緒に選ぶ
  3. スタッフ全員の希望が重ならないよう調整して、年間シフトに組み込む
  4. 管理簿に「予定取得日」として先に書き込み、実績欄をあとから埋めていく

スタッフが3〜4名のサロンであれば、閑散期に1人ずつ順番に休む設計が現実的です。

繁忙期(年末・成人式前・GW)は全員出勤を基本とし、閑散期に集中して5日分を消化する形を作ると、「突然有給が来て予約が回らない」という事態を防げます。

シフト構造問題は、「いつ取るかを先に決めてしまう」だけで大半は解決します。

手段② 計画的付与(計画年休)で取得日を事前に確定させる

計画的付与とは、労使協定(オーナーとスタッフ全員の書面合意)を締結することで、有給休暇の取得日をあらかじめ決めておく仕組みです(労働基準法第39条第6項)。

繁閑シフト設計で「いつ取るか」の候補を絞った後、その日付を労使協定で確定させると、スタッフからの事前同意が取れた状態で計画的に消化できます。

ただし、計画的付与を使える日数は、各スタッフの有給残日数のうち5日を超える部分に限られます。

例えば付与日数が10日のスタッフなら、計画付与で使えるのは最大5日で、残り5日はスタッフが自由に使える日数として確保する必要があります。

付与日数が7日のスタッフ(週4日・勤続6カ月)であれば、計画付与できるのは最大2日です。

計画的付与の導入には労使協定の締結が必要なので、具体的な書式は社労士に確認しながら進めることをお勧めします。

手段③ 時間単位取得で1日単位の負担を分散させる

労使協定を結ぶことで、有給を1日単位ではなく1時間単位で取得できるようにする仕組みです(労働基準法第39条第4項)。

美容室で特に活用しやすいのは、「子どもの参観日で午前だけ早退したい」「通院で2時間遅く出勤したい」といった場面です。

1日丸ごと休むと予約の組み直しが必要になっても、2〜3時間単位なら他のスタッフや予約の時間帯調整で吸収できることがあります。

時間単位で取得できる日数は年5日が上限です。

スタッフにとっては柔軟に休める安心感につながり、オーナーにとってはシフトへの影響を最小化できる、双方にとって負担が少ない方法です。

3つの手段の使い分けをまとめると、こうなります。

手段向いているサロン・場面必要な準備
繁閑シフト設計まず取り組みたい全サロン共通の土台年間予約データの確認・年初面談
計画的付与取得日を事前に決めて確実に消化したいサロン労使協定の締結(社労士確認推奨)
時間単位取得スタッフの急な通院・育児対応が多いサロン労使協定の締結(社労士確認推奨)

「有給を正しく運用したら客が離れるのでは」と心配するオーナーもいます。

相談を受けてきた中で、有給の仕組み化によって客離れが起きたケースは見てきていません。

むしろ、年初に計画を立て閑散期に取得ゾーンを設けたサロンでは、繁忙期の予約対応力はそのままに、スタッフの疲弊感が下がる傾向が見られます。

「取らせると売上が下がる」ではなく、「閑散期に休んでもらい、繁忙期に全力を出してもらう」という設計に変えることが、シフト構造問題の本当の解決策です。

今すぐ整える有給管理の最低ライン:管理簿・付与台帳・周知文書のひな形チェックリスト

今日中に年次有給休暇管理簿・付与台帳・周知文書の3点を揃えれば、法的義務の最低ラインはクリアできます。

スタッフが3〜6名のサロンでも、Excelと簡単な文書さえあれば十分対応できます。

一つずつ何を用意すればいいか、具体的に確認してください。

① 年次有給休暇管理簿

作成が法的に義務付けられている書類です(労働基準法施行規則第24条の7)。

スタッフごとに以下の3項目を記録します。

  1. 基準日(有給が付与された日)
  2. 付与日数
  3. 取得日数と取得した日付

ExcelやGoogleスプレッドシートで1スタッフ1シートの形式で作成すれば十分です。

3年間の保存が義務ですので、年度が変わっても削除せず保管してください。

② 付与台帳(スタッフ別の付与日数一覧)

全スタッフの入社日・週所定労働日数・現在の勤続年数・付与日数を一覧で管理します。

これがあると「このスタッフは今何日分の有給を持っているか」が瞬時にわかり、年5日義務の達成状況を確認しやすくなります。

新しいスタッフが入るたびに追加し、勤続年数に応じて付与日数を更新する運用を習慣にしてください。

③ 周知文書(スタッフへの説明)

有給休暇のルールをスタッフに周知することも、オーナーの役割です。

就業規則に有給の規定を盛り込んでいる場合はその説明で足りますが、「口頭で何となく伝えているだけ」の場合は、簡単な文書で整理することを勧めます。

周知文書に含めたい内容は以下です。

  • 有給の申請方法(何日前に、誰に、どのように申請するか)
  • 申請のフォーマット(LINEでの報告か、紙の申請書か)
  • 時季変更権(予約が集中する繁忙期に変更をお願いする可能性があること)
  • 年5日取得義務の存在と、サロンとしての管理方針

「ルールが文書化されている」ことは、スタッフに安心感を与えます。

若いスタッフほど「明確なルール=このサロンは信頼できる」と感じる傾向があり、定着にも直結します。

チェックリストとして、以下を確認してみてください。

  • □ 全スタッフの付与日数を今日の時点で把握している
  • □ 年次有給休暇管理簿を作成・更新している
  • □ 年5日の取得義務対象のスタッフを特定できている
  • □ 閑散期に有給を消化できるシフト計画が年間で立っている
  • □ 有給の申請ルールをスタッフに文書で説明している

制度・数値を確認する一次資料

制度や申請条件は改定されることがあります。

実際に判断・申請するときは、次の公的資料で最新情報を確認してください。

まとめ

この記事を通じて伝えたかったことが1点あります。

美容室の有給問題の本質は、「法律が複雑でわかりにくい」ことではありません。

スタイリスト1人が丸1日抜けると予約を受けられなくなる、という美容室固有のシフト構造が、有給の仕組み化を止めていた正体です。

この構造は、「突然の申請に対応する」から「年間シフト設計の一部として有給を組み込む」に発想を変えることで迂回できます。

閑散期に取得ゾーンを設け、計画的付与や時間単位取得を組み合わせれば、シフトへの影響を最小限に抑えながら義務を果たせます。

有給の正しい運用は、義務を守るだけでなく、スタッフが安心して長く働ける環境の基盤にもなります。

ポイント問題の本質今すぐできること
パートも対象雇用形態ではなく出勤率・勤続期間で決まる全スタッフの付与日数を計算する
年5日取得義務スタッフ任せでは義務違反になる年次有給休暇管理簿を作成する
罰則リスク違反1人につき30万円以下の罰金取得状況を今すぐ棚卸しする
シフト問題の解決薄いシフトは年初の繁閑設計+計画付与で迂回できる閑散期に有給取得計画を年初に立てる
仕組みで定着ルールの曖昧さがスタッフの不安を生む申請ルールを文書化してスタッフに共有する

今すぐ取り組むアクション5つです。

  1. 全スタッフの入社日・週所定労働日数を確認し、付与日数テーブルと照合する
  2. 年次有給休暇管理簿をExcelで作成し、現時点の取得日数を記入する
  3. 年5日取得義務の対象スタッフを特定し、残りの取得日数を確認する
  4. 年間の閑散期を特定し、有給消化の目安時期をシフト計画に組み込む
  5. 有給申請のルールを文書化し、次のミーティングでスタッフに説明する

ぜひ参考にしてください!

美容室オーナーのお金と働き方の悩みに寄り添うパートナー

私たち airchair は、これまでに500サロン以上を支援してきた「美容業界に特化した会計・労務サービス」です。

美容室オーナーが「ストレスなく、サロン経営に集中できる環境」をつくることを目指しています。

こんな悩みありませんか?

  • 税理士、社労士に相談しても、美容室の現場感に合った答えが返ってこない
  • 数字や経営の話を、美容師仲間やスタッフには相談できず、孤独を感じている
  • 決算の数字を見ても、何を改善すべきかわからない
  • 設備投資やスタッフ採用の判断を、“なんとなく”でしてしまっている
  • 他のサロンがどうやってお金を残しているのか知りたい
  • 数字に基づいた経営判断で、将来の不安をなくしたい

そんな悩みを抱える美容師・サロンオーナーの皆さまをサポートしています。

airchairができること

  • 会計・財務の数字改善サポート
  • 労務・スタッフ管理の仕組みづくり
  • 将来を見据えたキャリア・お金の相談

美容師・サロンオーナーの方々が抱える 「お金・労務・将来の不安」 をトータルでサポートします。

LINEで無料相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください!

セカンドオピニオンはこちらへ

airchairでは「無料相談=セカンドオピニオン」として、経営を見直すきっかけとしております。
「今のままでいいのかな?」とお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。

あわせて読みたい記事

よくある質問

入社したばかりのスタッフには有給をすぐ付与しなくていいですか?

雇い入れの日から6カ月が経過し、かつ全労働日の8割以上出勤していれば付与義務が発生します。

入社直後は対象外ですが、6カ月の節目を把握して付与を忘れないよう管理しておくことが重要です。

付与台帳を使って入社日順にスタッフを並べておくと、見落としを防げます。

繁忙期(年末・成人式前)に有給申請が来たら拒否していいですか?

有給を拒否することはできませんが、「時季変更権」を使って取得時期をずらしてもらうことはできます(労働基準法第39条第5項)。

ただし変更できるのは「同じ年度内の別の時期」に限られ、単なる先送りや取得そのものの拒否は認められません。

繁忙期に申請が集中しやすい美容室では、年初に取得希望時期を確認し、閑散期に分散させる計画を立てておくことが最善の対策です。

計画的付与を使いたい場合、何を準備すればいいですか?

計画的付与には、労使協定(オーナーと対象スタッフ全員の書面による合意)の締結が必要です。

労使協定には「対象者・計画付与の日・計画付与の方法」などを記載します。

就業規則がある場合は、計画的付与に関する規定を設けることも必要です。

手順の詳細は社労士に確認しながら進めることをお勧めします。

有給休暇の未消化分は翌年に繰り越せますか?

使い切れなかった有給は翌年度に繰り越せます。

ただし繰り越しできるのは2年分までで、2年を超えた分は時効で消滅します。

なお、繰り越した有給を使っても年5日取得義務のカウントには含まれないため、管理を分けて把握することが必要です。

管理簿に「今年度付与分」と「繰越分」を分けて記録しておくと整理しやすくなります。

有給管理をもっと効率よくやるツールはありますか?

クラウド勤怠ツール(ネット経由で出退勤を自動記録するシステム)の多くに、有給残日数の管理機能が備わっています。

スタッフが申請すると自動で残日数が更新される仕組みもあり、管理の手間が大幅に減ります。

Excelでの手作業に限界を感じてきたタイミングで検討する価値があります。

どのツールが自店の規模に合うかは、費用と機能のバランスで選んでください。

目次