「美容師って、退職金もらえるの?」
正直に言うと、もらえないケースの方が多いです。
退職金の支払いは法律で義務づけられていません。制度を設けるかどうかはサロンの判断に委ねられています。そして、美容室は個人経営の小規模サロンが大半であり、退職金制度を導入しているサロンはごくわずかです。
ハローワークの求人データでは、退職金制度がある美容室は全体の約10%程度とも言われています。
つまり、10人中9人の美容師は「退職金ゼロ」で辞めている可能性がある。
一般企業の大卒正社員が定年退職時に受け取る退職金は平均2,000万円前後。でも美容室にはないです。
この差を埋めるには、「制度がない」で終わらせず、自分で備える行動を起こすことが重要です。
この記事では、美容師の退職金について、もらえる条件と相場、制度がないサロンでの対策、オーナー自身の退職金の準備方法、スタッフの定着につながる退職金制度の導入方法まで、美容師とオーナーの双方の視点で解説します。
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美容師の退職金の現実
退職金制度がある美容室は少ない
退職金は法律上の義務ではなく、あくまで「サロンが独自に設けている制度」です。
退職金制度がある傾向:
- 全国展開している大手サロンチェーン
- 法人化している中規模以上のサロン
- 中退共(中小企業退職金共済)や企業型DC(確定拠出年金)に加入しているサロン
- 人材の定着率を重視し、福利厚生に投資しているサロン
退職金制度がない傾向:
- 個人経営の小規模サロン(美容室の大半がここに該当)
- スタッフ数が数名以下のサロン
- 退職金の代わりに歩合を高く設定しているサロン
- 「退職金を積み立てる余裕がない」サロン
美容室は全国に約26万軒あり、1店舗あたりの平均スタッフ数は約2人。圧倒的に小規模サロンが多い業界構造が、退職金制度の普及を難しくしています。
働き方ごとの退職金の扱い
| 働き方 | 退職金の扱い |
|---|---|
| 正社員 | サロンに退職金制度があれば対象。ただし制度がないサロンも多い |
| パート・アルバイト | 制度があっても対象外のケースが多い。就業規則で確認が必要 |
| 業務委託(フリーランス) | 個人事業主のため退職金の対象外。自分で備える必要がある |
| オーナー(経営者) | 会社からの退職金はない。自分で自分の退職金を準備する必要がある |
退職金がもらえる条件
退職金制度があるサロンでも、以下の条件を満たさないと受給できない場合があります。
- 勤続年数の条件(例:3年以上、5年以上、10年以上など)
- 退職理由(定年退職や会社都合退職は満額、自己都合退職は減額されるケースが多い)
- 懲戒解雇の場合は不支給になることがある
美容師は転職や独立が多い業界のため、勤続年数の条件を満たせずに退職金を受け取れないケースは少なくありません。
退職金の相場|もらえる場合はいくら?
退職金制度があるサロンの場合、勤続年数に応じた相場の目安は以下の通りです。
| 勤続年数 | 退職金の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 3年未満 | 支給なし〜寸志(数万円) | 多くのサロンで3年未満は対象外 |
| 3年 | 10万〜30万円程度 | 制度があっても少額 |
| 5年 | 30万〜80万円程度 | ある程度まとまった金額 |
| 10年 | 80万〜200万円程度 | サロンの規模で差が大きい |
| 20年 | 200万〜500万円程度 | 20年勤続する美容師は少ない |
一般企業との比較
| 勤続年数 | 美容師(目安) | 一般企業(中小企業・大卒) |
|---|---|---|
| 5年 | 30万〜80万円 | 約100万〜150万円 |
| 10年 | 80万〜200万円 | 約200万〜400万円 |
| 20年 | 200万〜500万円 | 約500万〜800万円 |
| 定年退職 | 制度がないケースが多い | 約1,000万〜2,000万円 |
この差は生涯で見ると数百万〜1,000万円以上の開きになる可能性があります。
「退職金がもらえない前提」で、自分自身で備えることが重要です。
退職金の税制優遇|なぜ「退職金」として受け取ることが有利なのか
退職金が給与やボーナスと決定的に違うのは、税金の優遇措置があることです。
退職所得控除の仕組み
退職金を受け取ると「退職所得」として扱われ、以下の控除が適用されます。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合は80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年) |
退職金にかかる税金の計算式
(退職金 − 退職所得控除額)× 1/2 = 課税退職所得
この課税退職所得に対して所得税が課されます。
ポイントは「1/2」の部分です。退職所得控除を差し引いた後の金額を、さらに半分にして税金を計算するため、通常の給与と比べて税負担が大幅に軽くなります。
具体的な計算例
例1:勤続10年で退職金200万円を受け取った場合
- 退職所得控除:40万円 × 10年 = 400万円
- 課税退職所得:(200万円 − 400万円)× 1/2 = マイナス → 税金ゼロ
例2:勤続20年で退職金800万円を受け取った場合
- 退職所得控除:40万円 × 20年 = 800万円
- 課税退職所得:(800万円 − 800万円)× 1/2 = 0円 → 税金ゼロ
例3:勤続25年で退職金1,500万円を受け取った場合
- 退職所得控除:800万円 + 70万円 ×(25年 − 20年)= 1,150万円
- 課税退職所得:(1,500万円 − 1,150万円)× 1/2 = 175万円 → この175万円に対して所得税が課される
さらに重要なポイントがもう一つ。
退職金の受け取りには社会保険料がかかりません。
給与やボーナスの場合、約15%が社会保険料として差し引かれますが、退職金にはこれがない。つまり、同じ金額を「給与として受け取る」より「退職金として受け取る」方が、手取りが大幅に多くなるのです。
だからこそ、「退職金として受け取れる仕組みを整えておく」ことに意味があります。
退職金がもらえない美容師が自分でできる3つの対策
退職金制度がないサロンで働いている美容師が、自分で将来に備えるための方法は主に3つです。
① iDeCo(個人型確定拠出年金)
自分で毎月一定額を積み立て、60歳以降に一括または年金として受け取る制度です。
iDeCoの特徴:
- 掛金は全額所得控除(節税効果あり)
- 運用益も非課税
- 受け取り時は退職所得控除または公的年金等控除の対象
- 月額5,000円から始められる
- 雇用されている美容師の上限は月額23,000円
iDeCoのシミュレーション(月2万円を20年間積み立てた場合):
- 元本:2万円 × 12カ月 × 20年 = 480万円
- 運用利回り3%の場合:約657万円(運用益+177万円)
- 運用利回り5%の場合:約822万円(運用益+342万円)
- さらに掛金の所得控除による節税効果が毎年発生
注意点:
- 原則60歳まで引き出せない(途中解約不可)
- 運用成績によっては元本割れのリスクがある
- サロンを変わってもiDeCoはそのまま継続できる
② NISA(少額投資非課税制度)
投資で得た利益が非課税になる制度。iDeCoと違い、いつでも引き出せるのが最大の特徴です。
NISAの特徴:
- 運用益が非課税(通常は利益に対して約20%の税金がかかるが、NISAならゼロ)
- いつでも売却・引き出し可能
- 年間最大360万円まで非課税投資枠がある
- 長期・積立・分散投資に向いている
「60歳まで引き出せないのは困る」という人は、iDeCoよりNISAの方が使いやすいでしょう。
③ 小規模企業共済(独立している場合)
個人事業主や小規模企業の経営者向けの退職金制度。フリーランス美容師やサロンオーナーが対象です。正社員として雇用されている美容師は加入できません。
小規模企業共済の特徴:
- 掛金は全額所得控除(節税効果が非常に高い)
- 受け取り時は退職所得扱い(税制優遇)
- 月額1,000円〜70,000円の範囲で設定可能
- 個人資産として扱われるため、サロンの倒産や借入の影響を受けにくい
小規模企業共済がiDeCoと決定的に違う点:
貸付制度がある。
積み立てた掛金の範囲内で、低金利(0.9〜1.5%)で借り入れができます。
貸付制度の特徴:
- 用途自由(運転資金、設備投資、スタッフ採用、店舗出店など)
- 担保・保証人が不要
- 申込から約1〜2週間で入金
- 銀行融資より圧倒的に手続きと入金が早い
iDeCoは「何があっても60歳まで引き出せない」のに対し、小規模企業共済は「積み立てながら、いざというときに借りられる」。
美容室は売上の波が激しい業種です。繁忙期と閑散期の差があり、スタッフの退職で一気に売上が落ちる月もある。そんなとき、銀行はなかなか運転資金の融資をしてくれません。しかし、小規模企業共済の貸付なら、自分の積立金の範囲内で即座に対応できる。
「積み立てながら同時に、緊急資金を持ちながら走れる」。これが小規模企業共済の本質です。
3つの制度の比較
| 項目 | iDeCo | NISA | 小規模企業共済 |
|---|---|---|---|
| 対象者 | 誰でも加入可能 | 誰でも利用可能 | 個人事業主・経営者のみ |
| 掛金の所得控除 | あり(全額控除) | なし | あり(全額控除) |
| 運用益の非課税 | あり | あり | ー(運用益はなし。利息相当額が上乗せ) |
| 受け取り時の税制優遇 | あり(退職所得控除等) | なし(そもそも非課税) | あり(退職所得控除) |
| 途中引き出し | 不可(原則60歳まで) | いつでも可能 | 貸付制度で実質可能 |
| 元本割れリスク | あり(運用次第) | あり(運用次第) | あり(20年未満の任意解約時) |
| 美容師スタッフ向き | ◎ | ◎ | ×(加入不可) |
| オーナー向き | ○ | ○ | ◎(最優先) |
小規模企業共済の節税シミュレーション:
月額7万円(年間84万円)を掛けた場合、課税所得が360万円のオーナーなら、所得控除で課税所得が276万円に。所得税率の差分で年間約20万円以上の節税効果が見込めます。
20年間積み立てた場合:
- 元本:84万円 × 20年 = 1,680万円
- 節税効果:約20万円 × 20年 = 約400万円
- 合計で約2,080万円分のメリット(退職金+節税の合計)
オーナー自身の退職金をどう準備するか
サロン経営者に退職金はない
サロンのオーナーには、会社から退職金が支給される仕組みがありません。
スタッフには雇用保険や厚生年金などのセーフティネットがある。しかし、オーナー自身には「守ってくれる制度」がほとんどない。
サロン経営は黒字でも、オーナーの人生が赤字。
稼いでいるのにお金が残らない。引退時に貯金がゼロ。これは美容業界で珍しくない話です。
1〜2店舗のサロンは「オーナーが働けなくなったら売上が止まる」という特徴があります。つまり、最も守られるべき存在であり、実は一番無防備。
だからこそ、オーナーの退職金準備は「後回し」ではなく「最優先」の経営課題です。
オーナーの退職金準備の3ステップ
退職金の準備は「お金を貯めること」に加えて、「退職金として認められる仕組みを整えること」も重要です。
ステップ1:小規模企業共済に加入する
最優先で取り組むべき制度。「経営者のための退職金」であり、節税と資産形成を同時にできます。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 掛金が全額所得控除 | 20年未満の任意解約は元本割れのリスク |
| 退職所得扱いで税制優遇 | 法人の経費にはならない(個人の所得控除) |
| 個人資産で倒産の影響を受けにくい | 掛金の変更は年1回まで |
| 貸付制度が使える(低金利・用途自由・審査が早い) | ー |
小規模企業共済を早くから始めているオーナーの共通点:
- 判断が落ち着いている
- 視野が長期になっている
- 将来への不安が小さい
- スタッフ採用に思い切って踏み切れる
- 設備投資を戦略的に判断できる
退職金の準備は「お金の問題」であると同時に、「経営者のメンタルの安定」にも直結します。
ステップ2:退職金規程を整備する
退職金を支給する際、「退職金である」という根拠を明確にするための社内規程です。
退職金規程がないまま支給した場合のリスク:
- 給与・賞与とみなされて課税される可能性がある
- 税務調査で否認されるリスクがある
- 退職所得控除が使えなくなる
退職金規程があると:
- 退職所得として税制優遇を受けられる
- 給与・賞与と明確に区別できる
- スタッフに対しても退職金の基準を示すことができ、定着につながる
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 退職金であるという法的根拠になる | 作成と運用に手間がかかる |
| 給与・賞与と明確に区別できる | 専門家との調整が必要 |
| スタッフの定着につながる | 実態がないと形骸化する |
退職金規程の作成は、美容業界に詳しい社会保険労務士や税理士に相談することを強くおすすめします。
ステップ3:役員退職金の制度を設ける(法人の場合)
法人化しているサロンの場合、役員退職金を制度として整備することで、引退時の資金を確保できます。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 法人が支給する退職金は損金算入が可能(法人税の節税) | 金額次第で税務否認のリスクがある |
| 受け取る側は退職所得扱い(税負担が軽い) | 退職金規程との整合性が求められる |
| 引退時に資金を確保できる | 設計を誤ると逆効果になる |
引退後の未来の資金計画をしっかり持っておくことは、経営者のメンタルの安定にもつながります。攻めたいときに安心して投資に踏み切ることだってできる。
設計を誤ると税務否認のリスクがあるため、専門家による設計が重要です。
退職金制度をスタッフの定着に活かす
幹部の離職理由の58%は「お金の問題」
美容室の離職構造を見ると、月に100万円以上売り上げるトップスタイリストや幹部クラスの離職理由のトップは「お金の問題」(58%)です。
これは「今の給料に不満がある」だけではありません。「この先この業界にいて、老後は大丈夫なのか」という将来の不安が、スタッフの離職を後押ししています。
100万円以上売り上げるスタッフの平均在籍年数は4年にまで短縮しているというデータもあります。売上の柱であるスタッフが4年で辞めるということは、サロン経営にとって致命的なダメージです。
人が残るサロンの3つの仕組み
| 仕組み | 内容 | ツール |
|---|---|---|
| ルール | 就業規則の整備。評価・給与・休日の明文化 | 就業規則・雇用契約書・36協定 |
| 評価 | 数字と貢献度の可視化。曖昧な評価をなくす | 評価制度の設計 |
| お金(将来の安心) | 社会保険・退職金・資産形成の教育 | 小規模企業共済・中退共・お金の教育 |
この3つのうち1つでも欠けていると、人は残りにくい。3つ揃うと、オーナー自身もラクになります。
退職金制度は「ルール」と「お金」の両方にまたがる仕組み。「うちのサロンには退職金制度がある」と言えることが、採用と定着の両面で武器になります。
オーナーが導入を検討すべき2つの退職金制度
中退共(中小企業退職金共済)
国が運営する退職金共済制度です。
中退共の特徴:
- 月額5,000〜30,000円の掛金をサロンが負担して積み立てる
- 掛金は全額損金算入(経費になる)
- スタッフが退職時に中退共から直接受け取る(サロンを介さない)
- 小規模サロンでも加入可能
- 加入後1年未満の退職の場合、退職金の支給はなく、会社にも返金されない
中退共のシミュレーション(月額1万円を積み立てた場合):
- 勤続5年:約60万円
- 勤続10年:約120万円
- 勤続20年:約240万円
サロン側の負担は月1万円×スタッフ数。スタッフ3人なら月3万円、年間36万円。この金額が全額経費になり、かつスタッフの定着につながるなら、投資対効果は高いといえます。
企業型DC(企業型確定拠出年金)
加入者1名からでも加入できる退職金制度です。
企業型DCの特徴:
- オーナーも加入可能で、掛金は会社の経費になる
- 個人で加入するiDeCo(上限月2.3万円)より掛金の上限が高い(上限月5.5万円)
- スタッフが自分で運用先を選べるため、将来の退職金を自分の努力で増やせる
- 加入後1年未満の退職でも不支給にならない(中退共との違い)
- 求人票に「退職金制度あり」と書けるようになり、採用力が上がる
退職金制度がない美容室が多い中、「大企業と同じ退職金制度がある」と打ち出せることは、採用の場面で大きな差別化になります。
まとめ
| テーマ | ポイント |
|---|---|
| 退職金制度の現実 | 退職金制度がある美容室は全体の約10%程度。個人経営のサロンではほぼない |
| 退職金の相場 | 勤続5年で30〜80万円、10年で80〜200万円程度。一般企業と比べて圧倒的に少ない |
| 退職金の税制優遇 | 退職所得控除+1/2課税+社会保険料ゼロ。「退職金として認められる仕組み」を整えることが重要 |
| 自分で備える方法 | iDeCo(月5,000円〜)/ NISA / 小規模企業共済(独立者のみ) |
| オーナーの退職金 | 小規模企業共済が最優先 → 退職金規程の整備 → 役員退職金の設計 |
| スタッフ定着 | 幹部の離職理由の58%はお金の問題。中退共や企業型DCの導入で「将来の安心」を提供 |
美容師にとって退職金は「もらえたらラッキー」ではなく、「自分で備えるもの」です。
制度がないなら、iDeCoやNISAで自分の退職金をつくる。 独立したなら、小規模企業共済で経営者としての退職金を準備する。 オーナーとしてスタッフを雇うなら、中退共や企業型DCで「長く働く価値がある職場」をつくる。
退職金の準備は、始めた瞬間からメリットが積み上がります。
先送りするほど、将来の自分への仕送りを失うことになる。
まずは「ねんきん定期便」を確認して、自分が将来いくらもらえるのかを把握する。次に、今月の手取りの2割を貯金する。その上で、iDeCoや小規模企業共済など、自分に合った制度を一つ始める。
小さな一歩が、10年後・20年後の自分を守ります。
ぜひ参考にしてください。
よくある質問
Q. 退職金制度があるサロンかどうか、どうやって確認すればいいですか?
確認方法は主に3つです。
- 求人票の福利厚生欄に「退職金制度あり」の記載があるかを確認する
- サロンの就業規則を確認する(入社時に配布される、または閲覧を求めることができる)
- 直接オーナーや人事担当者に確認する
入社前に確認するのがベストですが、すでに働いている場合も就業規則の閲覧は労働者の権利として認められています。
Q. フリーランスの美容師が退職金を自分で準備するなら、何から始めるべきですか?
まずは小規模企業共済への加入を検討しましょう。掛金は月額1,000円から始められ、全額所得控除になるため、「積み立てながら節税できる」制度です。
さらに、貸付制度を使えば店舗出店や設備投資の資金としても活用できます。余裕があればiDeCoやNISAも並行して活用し、複数の方法で老後資金を分散して準備するのが理想です。
Q. 中退共に加入するとサロンにどんなメリットがありますか?
サロン側のメリットは主に3つです。
- 掛金が全額損金算入(経費になる)
- 求人票に「退職金制度あり」と記載できるため、採用力が上がる
- スタッフの定着率向上が期待できる(「将来の安心」を提供できる)
掛金は月額5,000円からスタートできるため、小規模サロンでも導入のハードルは低いです。
Q. 小規模企業共済とiDeCoはどちらを優先すべきですか?
独立しているオーナーやフリーランス美容師の場合、小規模企業共済を優先することをおすすめします。
理由は「貸付制度がある」こと。iDeCoは原則60歳まで引き出せませんが、小規模企業共済は積み立てた掛金の範囲内で低金利で借りられます。美容室は売上の波が激しい業種のため、「いざというときに借りられる」安全装置があることは、経営の安定に直結します。
ただし、節税効果の最大化を狙うなら、小規模企業共済+iDeCoの併用が最も効果的です。
Q. オーナーは何歳から退職金の準備を始めるべきですか?
早ければ早いほど良いですが、40代からでもまだ間に合います。
小規模企業共済は月額1,000円から始められるため、「今は余裕がない」場合でも少額からスタートし、経営が安定してきたら掛金を増やしていくことが可能です。
仮に42歳から月額3万円を積み立てた場合、65歳まで23年間で元本828万円。節税効果を加味すれば、実質的なメリットは1,000万円を超えます。
「まだ先の話」と考えているうちに、退職金ゼロのまま引退を迎えるオーナーは少なくありません。始めた瞬間から節税効果が発生するため、先送りするほど損をします。

