海外で美容師として働くには?ビザや年収など知っておきたい美容室の基本知識を紹介

この記事でわかること
  • 美容師が海外で働く際に必要となる ビザの種類と取得方法
  • 海外求人を効率的に探すための 5つのコツ
  • 海外と日本の美容師の 年収・給料の違い
  • 海外で働くときに注意すべき ビザや働き方、経済事情のリスク

海外渡航がしやすくなってきた昨今、海外で美容師として働こうと考えている方もいらっしゃるでしょう。

しかし初めて海外で就職するとなると何をすれば良いのか戸惑う方も多いのでは無いでしょうか。

そこで今回は、ビザや働き方など、美容師が海外で働く際の基本知識をご紹介します!

監修者

airchair代表
中村 浩徳

美容業界に特化した財務・労務の支援を行う中で、これまで8,000人以上の美容師・サロンオーナーと向き合ってきた。
将来へのお金の不安や、人に関する悩みを軽くし、美容師という仕事を“長く・楽しく”続けられる環境づくりを目指して、全国でセミナーや経営支援を展開。
「美容師に特化していてわかりやすい」「経営の不安が軽くなった」との声が多く寄せられている。
2025年3月に『美容師のためのお金のベーシック』を出版。airchairでは、数字や労務に苦手意識のあるオーナーに寄り添いながら、サロン経営の「土台」を支える活動を続けている。

当社は美容業界に特化した会計サービスを提供。数字を活用し、人材流出を防ぎながら、18%の利益率を目指す経営支援を行います。会計業務にとどまらず、経営改善やスタッフ定着率向上のアドバイスを通じて、美容室経営の安定と成長をトータルサポートいたします。

目次

海外で働くにはまずビザが必要!

美容師に限らず、海外で働くためにはビザが必要になってきます。

ビザの選択肢としては「ワーキングホリデービザ」「就労ビザ」があります。

ワーキングホリデービザ

ワーキングホリデービザを取得すると現地で一年間働くことができるようになります。

いざ海外渡航してすぐに美容師としての働き口が見つかる可能性は決して高くないので、ワーキングホリデービザを取得して一年間かけて就職先を探すのがおすすめです。

国によって、期間が変わるため確認してください。

就労ビザ

就労ビザがあれば、決められた期間内は現地で働くことができるようになります。

ポイントは就労ビザを申請するのは現地のサロン・会社という点です。つまり内定が決まってから初めて就労ビザの申請ができるようになります。

日本人は多くの国でビザなしで約90日間ほど滞在ができますが、その期間でサロンへの就職を決めるのはかなりハードルが高いです。

そのため、ワーキングホリデービザを取得して就職⇒一年後に就労ビザの発行を会社に依頼、というのが一般的な流れと言えるでしょう。

国によって、就労ビザの取得の難しさは変わります。

ビザの取得方法は?

ワーキングホリデービザは、駐日外国公館に申請をすることで取得ができます。

渡航したい国がワーキングホリデービザを発行しているか、要件や年齢制限の詳細など、必ず駐日外国公館のホームページを確認するようにしましょう。

就労ビザは、現地で採用された後にそのサロン・会社に発行してもらう必要があります。

サロン側も就労ビザの要件に合致する人を採用するはずですので、内定がもらえればビザの要件にも当てはまっているでしょう。

国によっては就労ビザの申請自体を現地で行わなければならない場合があります。

その他必要書類なども国によって違ってきますので、申請までに必ず確認するようにしましょう。

海外美容師、ビザ以外に必要なものは?

海外で美容師として働くためには、ビザ以外にも準備すべきことがいくつかあります。

ここを押さえておかないと、せっかくビザを取得してもスムーズに働けないケースがあります。

日本での実務経験があるとよい

日本での美容師としての経験は、海外就職の大きな武器になります。

  • サロンワーク経験:カット・カラー・パーマなど一通りの施術経験があると即戦力として評価されやすい
  • マネジメント経験:スタイリスト指導や店舗運営の経験があれば、現地で店長候補としても採用されやすい
  • 技術の信頼性:日本の美容師技術は世界的に評価が高く、「日本での実務経験=高いスキルの証明」としてアピールできます
中村

まずは日本で数年しっかりキャリアを積むことが、海外で活躍するための近道です。

美容師資格は必要ない国もある

日本では必須の国家資格ですが、海外では必ずしも資格が必要とは限りません。

  • 資格不要の国:オーストラリアやニュージーランドなど、一部の国では資格がなくても働ける場合がある
  • 資格必須の国:アメリカやヨーロッパの一部では美容師ライセンスが必要になる
  • ローカル試験:現地の筆記・実技試験を受けてライセンスを取得しなければならないケースも

そのため「資格がいる国か、不要な国か」を事前にリサーチすることが必須です。

最低限の語学力は必要

美容師は技術職であると同時に、接客業でもあります。お客様との会話ができなければ信頼を得るのは難しいでしょう。

  • 最低限の語学力:予約受付、希望のスタイル確認、アフターケアの説明ができる程度は必須
  • 日本人向けサロン:語学力が不安な場合、現地の日本人サロンからスタートするのも一つの手
  • 語学力アップのメリット:英語や現地語ができれば、ローカルのお客様を担当でき、給料やキャリアの幅も広がります

美容師の技術だけでなく、コミュニケーション力が「指名客を増やすカギ」となります。

海外生活への適応力や柔軟性

実は「技術」や「資格」以上に大事なのが、異文化で働く柔軟さです。

  • 生活習慣の違い:勤務時間・休日制度・給与形態が日本と異なる
  • 接客スタイルの違い:お客様との距離感やサービスへの期待値が国によって違う
  • 生活基盤の準備:住居探し、銀行口座、医療保険などの生活基盤も整える必要がある

海外での美容師ライフを楽しむためには、こうした「生活面」への準備も欠かせません。

海外で美容師の仕事を見つけるコツ

日本国内同様、海外で働く場合も自分で働き先を探す必要があります。

ただし、情報の探し方を工夫すればチャンスがぐっと広がります。ここでは、海外求人を探す際に押さえておきたい5つのコツを紹介します。

日本の求人サイトで探す

初めて海外で働く人は、日本語で利用できる求人サイトから始めるのがおすすめです。

  • 大手求人サイトの「海外勤務」カテゴリ
  • 海外美容師専門のエージェント

こうしたサイトでは「語学力初級でも応募可能」「日本人スタッフ在籍」など、初心者でも安心できる条件がそろった求人を見つけやすいです。
また、給与が日本円で表示されていることが多く、生活費や貯金計画も立てやすいというメリットがあります。

日本人の多い都市で探す

ニューヨーク、ロサンゼルス、シドニー、シンガポールなど、日本人が多く住む都市には「日本人美容師を歓迎」する求人が集まっています。

  • 日本人コミュニティ内での需要
  • 口コミでの紹介やリピーター獲得がしやすい

語学に自信がなくても日本人のお客様を中心に担当できるため、キャリアの第一歩としておすすめです。

現地の日本語メディアで求人を探す

海外には、日本人向けの情報誌やポータルサイトがあります。

例えば、ニューヨークの「週間NY生活」やシンガポールの「AsiaX」など。

こうした媒体に掲載される求人は 「日本人オーナーが経営するサロン」や「日系サロン」 が多く、労働環境や待遇も日本人に合わせているケースがあります。

海外生活に慣れる前でも働きやすい環境を見つけやすいのが魅力です。

日系美容室を調べて応募する

積極的にチャレンジしたい人は、現地の日系美容室に直接問い合わせてみましょう。

  • 求人を出していなくても「アシスタントからなら採用可能」など柔軟に対応してくれることもある
  • 自分のポートフォリオ(ヘアカタログ、SNSアカウントなど)を提示すると採用率がアップ

SNSやGoogleマップで現地の日系美容室を探し、直接メッセージを送る美容師も増えています。

海外支店のあるサロンで働くという選択肢も

国内で有名サロンに就職し、そのサロンの海外支店を目指す方法もあります。

  • ビザ取得がサロン側でサポートされやすい
  • 海外研修制度があり、ステップアップしやすい

このルートなら、海外に行く前に日本で基礎を固められるため、安心感も大きいです。

海外で働く美容師の年収は?

海外で美容師として働く場合の年収も事前に確認しておきましょう。

一般的には以下のような金額が想定されます。

日本での平均年収は310万円~370万円

まず日本での平均年収ですが、女性は312万円、男性は368万円ほどとなっています。

もちろん平均の金額のため、働き方や年数によってはこの金額を上回ることも下回ることもあります。

ボーナスは少ないまたは無いことも多いため、月収にすると約26万円~30万円となってきます。

アジア圏では月収が30万円~100万円の場合も

アジア圏では月収30万円以上の求人が見られます。

中には月収100万円で募集をかけているサロンもあり、技術がしっかり身についていれば日本で働くより大幅に年収を増やすことができるでしょう。

欧州やアメリカでは月収40万円~50万円の場合も

欧州やアメリカでは月収40万円~50万円で募集がされている場合があります。

物価等国によって違いがあるので一概には言えませんが、日本で働くよりも多い金額を受け取れると言えます。

チップがある国では年収2倍も可能!

アメリカやカナダなど、チップがある国では、売上の15~20%をチップとして追加で受け取ることができます。

また技術が高いほど受け取るチップも高くできる傾向があるため、技術を磨けば磨くほど自身の収入を直接増やすことができます。

実際、チップがあることで基本給の2倍以上を稼いでいる美容師も存在します。

技術向上が即収入アップにつながるため、モチベーションを保ちやすいというメリットもあります。

海外で美容師として働く時の注意点

メリットが大きく見える海外での就職ですが、もちろん働く際の注意点もいくつか存在します。

渡航してから理想と現実のギャップに苦しまないよう、以下の注意点をしっかり確認しておきましょう。

海外サロンは「完全歩合制」が多い

海外サロンの日本との大きな違いは、完全歩合制を導入している場合が多いという点です。

完全歩合制では働けば働くほど収入が増えますが、基本給という概念がないため、実働がゼロであれば収入もゼロになってしまいます。

日本でも業務委託・フリーランスなど完全歩合制の働き方が増えてきていますが、まだまだ少ないため、海外で初めて完全歩合制となって戸惑うパターンは少なくありません。

ビザが思うように取れない場合がある

ビザが計画通りに取れずになかなか働き始められないという事態も想定されます。

特に就労ビザの場合、ビザの取得までにかかる時間は数日~数か月とかなりの幅があります。

ビザとは別に労働許可が国など、場合によっては渡航・帰国を数回繰り返す必要が出てくるため、根気強く対応することが求められるでしょう。

各国の経済事情を確認しておく必要がある

海外で働く場合は、最低賃金や給与といった面だけでなくその国の経済事情を調べておくことが必須です。

例えば、「最低賃金が日本より高い」という点だけを見て渡航してみたら物価がそれ以上に高くて生活がカツカツになってしまった、という事態も起こり得ます。

また、完全歩合制であることを知らずに「チップがあるから稼げるだろう」と渡航してしまい、想定する給与より稼げなかった、という場合もあるでしょう。

実際に自分が現地で働いて暮らしていくことを想定しながら、現地の経済状況を知っておくことが求められます。

美容師がワーキングホリデーで働きやすい国5選

最後に、美容師として働く上で働きやすいとされる国とその理由についてご紹介します。

①オーストラリア

オーストラリアはワーキングホリデービザが比較的取得しやすく、美容師として働くチャンスも多いと言えます。

また日本人の多い都市がいくつか存在するため、日本人向けのサロンで働きたいという方にもおすすめできる国です。

②カナダ

トロントやバンクーバーなど美容師への需要が高い都市が多く存在しており、美容師としての活躍がしやすい国です。

また比較的治安が良く安全であるというのもおすすめポイントと言えるでしょう。

多文化が共存する国でもあり、美容師として貴重な経験を積むこともできます。

③ニュージーランド

ニュージーランドはオーストラリア同様ワーキングホリデービザの年間発給数の上限が決められていないため、比較的ビザが取りやすい国と言えます。

人口密度が低く人よりも羊の方が多いと言われることもある国ですが、都市に出れば人も多く、美容師としての働き方にも柔軟性があります。

④イギリス

世界の最先端を行くロンドンを擁するイギリスは美容業界もトップクラスであり、経験を積みたい方にとってかなりおすすめの国です。

帰国後のインバウンド需要にも十分に応えられる最新の技術を身に付けることができます。

⑤韓国

韓国は美容大国としても知られており、特にソウルは美容師としての経験を積むのにピッタリの場所と言えます。

日本でも韓国風のセットが流行っていることもあり、帰国後の活躍を見越して働くことができるでしょう。

まとめ

ここまで、海外で美容師として働く際のポイントや注意点・おすすめの国を紹介してきました。

美容師のキャリアとして海外を選択する人は年々増えているので、気になる方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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