海外で美容師として働くには?ビザや年収など知っておきたい美容室の基本知識を紹介

海外渡航がしやすくなってきた昨今、海外で美容師として働こうと考えている方もいらっしゃるでしょう。

しかし初めて海外で就職するとなると何をすれば良いのか戸惑う方も多いのでは無いでしょうか。

そこで今回は、ビザや働き方など、美容師が海外で働く際の基本知識をご紹介します!

目次

海外で働くにはまずビザが必要!

美容師に限らず、海外で働くためにはビザが必要になってきます。

ビザの選択肢としては「ワーキングホリデービザ」「就労ビザ」があります。

ワーキングホリデービザ

ワーキングホリデービザを取得すると現地で一年間働くことができるようになります。

いざ海外渡航してすぐに美容師としての働き口が見つかる可能性は決して高くないので、ワーキングホリデービザを取得して一年間かけて就職先を探すのがおすすめです。

国によって、期間が変わるため確認してください。

就労ビザ

就労ビザがあれば、決められた期間内は現地で働くことができるようになります。

ポイントは就労ビザを申請するのは現地のサロン・会社という点です。つまり内定が決まってから初めて就労ビザの申請ができるようになります。

日本人は多くの国でビザなしで約90日間ほど滞在ができますが、その期間でサロンへの就職を決めるのはかなりハードルが高いです。

そのため、ワーキングホリデービザを取得して就職⇒一年後に就労ビザの発行を会社に依頼、というのが一般的な流れと言えるでしょう。

国によって、就労ビザの取得の難しさは変わります。

ビザの取得方法は?

ワーキングホリデービザは、駐日外国公館に申請をすることで取得ができます。

渡航したい国がワーキングホリデービザを発行しているか、要件や年齢制限の詳細など、必ず駐日外国公館のホームページを確認するようにしましょう。

就労ビザは、現地で採用された後にそのサロン・会社に発行してもらう必要があります。

サロン側も就労ビザの要件に合致する人を採用するはずですので、内定がもらえればビザの要件にも当てはまっているでしょう。

国によっては就労ビザの申請自体を現地で行わなければならない場合があります。

その他必要書類なども国によって違ってきますので、申請までに必ず確認するようにしましょう。

海外美容師、ビザ以外に必要なものは?

美容師として働くためには、ビザ以外にも必要なものがいくつかあります。

日本での実務経験があるとよい

美容師として海外で働く場合、日本での実務経験があると有利になります。

実務経験があることで自分でも自信が持てる他、サロン側も日本での経験を高く評価してくれることが多いです。

美容師資格は必要ない国もある

日本では美容師資格が無いと美容師として働くことはできませんが、中には美容師として働くのに資格が不要な国もあります。

美容師の施術資格が必要かどうかや資格試験の内容などは国によって異なるため、自分の働きたい国がどのような制度になっているか調べておきましょう。

最低限の語学力は必要

美容師として顧客とコミュニケーションをとるためには、最低限の語学力が必要になってきます。

語学力が心配という方は現地に住む日本人向けのサロンに就職するのもおすすめです。

こうした場合も語学力をつけることで活躍の場をさらに広げることができます。

海外で美容師の仕事を見つけるコツ

日本国内同様、海外で働く場合も自分で働き先を探す必要があります。

海外求人を探す際のコツは次の5つです。

日本の求人サイトで探す

初めて海外で働く場合などは、いきなり海外の情報サイトを見るより、海外求人を扱う日本の求人サイトを利用するのがおすすめです。

日本の企業が運営しているサイトであれば、「初めて海外で働く」「語学力にあまり自信がない」という方でも応募しやすい求人が集まっています。

また、給与額についても日本円に換算した金額が掲載されていることが多いので、手取り額を把握しやすいというメリットがあります。

日本人の多い都市で探す

やはり日本人の多い都市の方が、日本語を話せる美容師への需要が高くなってきます。

特にこだわっている国が無ければ、ニューヨークやカリフォルニアなど日本人の多い場所に絞って求人を探すのがおすすめです。

現地の日本語メディアで求人を探す

現地で発行・更新されている日本語メディアに求人が掲載されていることもあります。

こうした求人は現地の日本人向けのサロンが出していることが多いため、海外での就労が初めての場合でも応募しやすいでしょう。

日系美容室を調べて応募する

より積極的に就職先を探したい場合は、現地の日系美容室を自分で調べてどんどん応募していくのも一つの手段です。

求人を出していない場合でも対応してくれる場合があります。

また、「アシスタントであればOK」というように条件付きで就職できる場合もあります。

海外支店のあるサロンで働くという選択肢も

海外に支店を持つ日本のサロンに就職し、海外支店への転勤を狙うというのも一つの手です。

こうしたサロンは海外研修に力を入れている場合も多いので、海外研修を受けながら着実に海外サロンへの転勤に近づくことができます。

また、自力で海外のサロンに就職するよりもビザの取得などがスムーズに行える可能性があります。

海外で働く美容師の年収は?

海外で美容師として働く場合の年収も事前に確認しておきましょう。

一般的には以下のような金額が想定されます。

日本での平均年収は310万円~370万円

まず日本での平均年収ですが、女性は312万円、男性は368万円ほどとなっています。

もちろん平均の金額のため、働き方や年数によってはこの金額を上回ることも下回ることもあります。

ボーナスは少ないまたは無いことも多いため、月収にすると約26万円~30万円となってきます。

アジア圏では月収が30万円~100万円の場合も

アジア圏では月収30万円以上の求人が見られます。

中には月収100万円で募集をかけているサロンもあり、技術がしっかり身についていれば日本で働くより大幅に年収を増やすことができるでしょう。

欧州やアメリカでは月収40万円~50万円の場合も

欧州やアメリカでは月収40万円~50万円で募集がされている場合があります。

物価等国によって違いがあるので一概には言えませんが、日本で働くよりも多い金額を受け取れると言えます。

チップがある国では年収2倍も可能!

アメリカやカナダなど、チップがある国では、売上の15~20%をチップとして追加で受け取ることができます。

また技術が高いほど受け取るチップも高くできる傾向があるため、技術を磨けば磨くほど自身の収入を直接増やすことができます。

実際、チップがあることで基本給の2倍以上を稼いでいる美容師も存在します。

技術向上が即収入アップにつながるため、モチベーションを保ちやすいというメリットもあります。

海外で美容師として働く時の注意点

メリットが大きく見える海外での就職ですが、もちろん働く際の注意点もいくつか存在します。

渡航してから理想と現実のギャップに苦しまないよう、以下の注意点をしっかり確認しておきましょう。

海外サロンは「完全歩合制」が多い

海外サロンの日本との大きな違いは、完全歩合制を導入している場合が多いという点です。

完全歩合制では働けば働くほど収入が増えますが、基本給という概念がないため、実働がゼロであれば収入もゼロになってしまいます。

日本でも業務委託・フリーランスなど完全歩合制の働き方が増えてきていますが、まだまだ少ないため、海外で初めて完全歩合制となって戸惑うパターンは少なくありません。

ビザが思うように取れない場合がある

ビザが計画通りに取れずになかなか働き始められないという事態も想定されます。

特に就労ビザの場合、ビザの取得までにかかる時間は数日~数か月とかなりの幅があります。

ビザとは別に労働許可が国など、場合によっては渡航・帰国を数回繰り返す必要が出てくるため、根気強く対応することが求められるでしょう。

各国の経済事情を確認しておく必要がある

海外で働く場合は、最低賃金や給与といった面だけでなくその国の経済事情を調べておくことが必須です。

例えば、「最低賃金が日本より高い」という点だけを見て渡航してみたら物価がそれ以上に高くて生活がカツカツになってしまった、という事態も起こり得ます。

また、完全歩合制であることを知らずに「チップがあるから稼げるだろう」と渡航してしまい、想定する給与より稼げなかった、という場合もあるでしょう。

実際に自分が現地で働いて暮らしていくことを想定しながら、現地の経済状況を知っておくことが求められます。

美容師がワーキングホリデーで働きやすい国5選

最後に、美容師として働く上で働きやすいとされる国とその理由についてご紹介します。

①オーストラリア

オーストラリアはワーキングホリデービザが比較的取得しやすく、美容師として働くチャンスも多いと言えます。

また日本人の多い都市がいくつか存在するため、日本人向けのサロンで働きたいという方にもおすすめできる国です。

②カナダ

トロントやバンクーバーなど美容師への需要が高い都市が多く存在しており、美容師としての活躍がしやすい国です。

また比較的治安が良く安全であるというのもおすすめポイントと言えるでしょう。

多文化が共存する国でもあり、美容師として貴重な経験を積むこともできます。

③ニュージーランド

ニュージーランドはオーストラリア同様ワーキングホリデービザの年間発給数の上限が決められていないため、比較的ビザが取りやすい国と言えます。

人口密度が低く人よりも羊の方が多いと言われることもある国ですが、都市に出れば人も多く、美容師としての働き方にも柔軟性があります。

④イギリス

世界の最先端を行くロンドンを擁するイギリスは美容業界もトップクラスであり、経験を積みたい方にとってかなりおすすめの国です。

帰国後のインバウンド需要にも十分に応えられる最新の技術を身に付けることができます。

⑤韓国

韓国は美容大国としても知られており、特にソウルは美容師としての経験を積むのにピッタリの場所と言えます。

日本でも韓国風のセットが流行っていることもあり、帰国後の活躍を見越して働くことができるでしょう。

まとめ

ここまで、海外で美容師として働く際のポイントや注意点・おすすめの国を紹介してきました。

美容師のキャリアとして海外を選択する人は年々増えているので、気になる方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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