
美容室の営業時間ってどのくらいがいいのかな?
美容室の営業時間は、経営において非常に重要な要素の一つです。
しかし、多くのオーナーがどのくらいの時間を営業すべきか悩んでいるのではないでしょうか。
本記事では、全国の美容室の平均的な営業時間や開店・閉店時間の傾向を紹介するとともに、営業時間を長くするメリット・デメリットや、効率的な営業時間の設定方法について解説します。



営業時間についてわかりやすくまとめましたので、ぜひ参考にしてください!
監修者


西脇 敬久
株式会社DAM代表取締役。MBA、公認会計士、税理士の資格を所有。美容業界に特化した公認会計士として、美容院の顧客を多数抱える。美容院経営で必要な数字を明確にし、”誰でもわかる会計の見える化”で18%の利益率を目指す。美容院の会計に特化したセミナー講師としても活動中。
当社は美容業界に特化した会計サービスを提供。数字を活用し、人材流出を防ぎながら、18%の利益率を目指す経営支援を行います。会計業務にとどまらず、経営改善やスタッフ定着率向上のアドバイスを通じて、美容室経営の安定と成長をトータルサポートいたします。
【全国】美容室の平均的な営業時間はどのくらい?
美容室の営業時間は、サロンの規模や立地、客層によってさまざまですが、全国的な平均としてどのくらいの時間が一般的なのかを見てみましょう。
多くの美容室が一日にどの程度の時間を営業しているかを知ることで、自身の店舗の営業戦略に役立てることができます。
美容室の営業時間は9〜11時間が多い


施設当たりの平均営業時間は9.4時間となっている。
次に、1日の営業時間別に施設数の構成割合をみると「9~10時間未満」が44.5%と最も高く、次で「10~11時間未満」が42.1%、「8~9時間未満」が7.2%となっている
なお、9割以上の施設で、営業時間が9時間以上となっている。引用:美容業 結果の概要
全国の美容室の営業時間の調査によると、
- 「9〜10時間未満」・・・44.5%
- 「10〜11時間未満」・・・42.1%
これらのデータからわかるように、約8割以上の美容室が1日に9〜11時間の営業を行っています。



営業時間とは別に準備の時間と片付けの時間があることも忘れずに営業時間を考えてほしいです!
美容室の開店時間は9時台が圧倒的に多い


- 9時台・・・71.1%
- 8時台・・・16.2%
- 10時台・・・11.5%
美容室の開店時間は、9時台が最も多く全体の約70%を占めています。
個々の美容室の土地柄やお客様のニーズによっても変化してきますが、朝から美容室に行きたいお客様が多いことがわかります。



経験上ですが、主婦さんから早く開けて欲しいとの声を多くいただきました!
保育園、幼稚園に送った後に来れるのが嬉しい、と言っていましたね。
美容室の閉店時間は立地やお客様のニーズで変わる


- 18時台・・・50.8%
- 19時台・・・35.1%
- 17時台・・・6.6%
- 20時台・・・4.9%
美容室の閉店時間は、立地やお客様のニーズによって大きく変わります。
ビジネス街や繁華街にある美容室では、仕事帰りのお客様に対応するために比較的遅い時間の20時や21時まで営業する店舗もあります。
一方で、田舎で地域密着で経営されている美容室は日中の顧客層がメインであるため、早めに閉店する傾向があります。



サロンの立地やターゲット層に合わせて時間を選ぶのが大切です!
【美容室オーナー必見】美容室の営業時間を長めにするメリット・デメリット
美容室の営業時間を長めに設定することには、いくつかのメリットとデメリットがあります。
オーナーとしては、それぞれの要素を考慮し、最適な営業時間を決定することが求められます。
【美容室オーナー向け】営業時間が伸びるメリット
- 稼働時間が増え売上アップ
- お客様が選べる時間が増えて通いやすくなる



最初に営業時間が延びることでのメリットについて解説していきます!
稼働時間が増え売上アップ
営業時間を長くすることで、稼働時間が増え、その結果として売上が増加する可能性があります。
特に、夜間の営業を追加することで、仕事終わりの顧客層をターゲットにすることができます。
また、休日や祝日などの特別な日にも営業時間を延長することで、普段来店できない顧客にも対応することが可能です。



美容師はお客様を相手に売上を作る仕事であるため、稼働時間が増えると売上も上がる傾向があります!
お客様が選べる時間が増えて通いやすくなる
営業時間が長くなることで、顧客が利用できる時間帯が広がり、予約の取りやすさが向上します。
これにより、忙しい日常を送るお客様でも、自分の都合に合わせて美容室を利用することができ、リピート率の向上が期待できます。
【美容室オーナー向け】営業時間が伸びるデメリット
- 人件費や光熱費が増える
- スタッフの負担が大きくなり不満が出る
営業時間が伸びることで、売上が上がる!と単純なものではなく、デメリットもあります。
人件費や光熱費が増える
営業時間が長くなると、その分人件費や光熱費が増加します。
残業代は増えますし、適切な労働環境を維持するためのコストがかかります。



さらに美容師の働き方もどんどん変わっており、営業時間外の練習などに給料をつけるサロンも増えています。
また、営業時間が伸びることで、照明や空調などの光熱費も増加するため、これらのコストを考慮する必要があります。
費用対効果を考えた上で、営業時間を決めることが大切となります。
スタッフの負担が大きくなり不満が出る
長時間の営業はスタッフにとって大きな負担となることがあります。
営業時間が伸びることでプライベートの時間を圧迫してしまい、スタッフのモチベーションが低下する原因となることがあります。
また、過労による体調不良や仕事のパフォーマンスの低下など、様々なリスクが伴います。



サロンの利益も大切ですが、スタッフの働きやすさも大切です。
営業時間を伸ばしてもシフト制を組んだり、休みを取りやすいシステムを導入したりと、働きやすい環境作りとのバランスを意識しましょう!
美容室オーナーが知っておくべき営業時間をできるだけ短くする方法



なら、スタッフのことを考えて営業時間を短くすればいいってことか?
それだとサロンが潰れるよ!!



美容室の営業時間を短縮するために取り組むはどうでしょうか?
営業時間を短くするための方法をご紹介します!
低価格競争に入らない強みを作る
サロンの強みを作ることで、差別化を図り単価を上げる



最初に低単価にすると営業時間が伸びてしまう客単価を見ながら解説します。
100万円の売上を作るための時間
カットカラーの客単価5,000円のサロンが100万円の売上を作るのに必要な客数は200人。
カットカラーの客単価10,000円のサロンが100万円の売上を作るのに必要な客数は100人。
カットカラーの施術時間が2時間としたら、同じ売上を作るために200時間もの差がある。
低単価サロンが悪いとは言いませんが、営業時間を短くしたい場合は客単価を上げて時間生産性を上げる必要があります。
ただ、客単価を上げることは難しいですが本質としては、価格が高いだけの理由があり、お客様に納得していただくことが大切です。
- サービスの質が高い
- 他のサロンにはない技術力の高さ
- また通いたくなる人柄、サロンの雰囲気
など、サロンの強みを明確にして低価格から脱却することで営業時間を短くすることが可能です。
注意点
”なんとなくの値上げ”だけは絶対にしないでください。
お客様目線で考えた時に、納得のいかない値上げは失客につながります。
予約が取りにくくなった、新メニューを導入した、などの理由とともに値上げは検討してください。
美容室の営業時間を決めるときのポイントを解説
- 地域性を考える
- ターゲット層の行動を分析する
- 競合、店の周りのサロンをリサーチ



美容室の営業時間を決定する際には、3つのポイントを考慮することが重要です!
ぜひ参考にしてほしいです!
美容室の営業時間を決めるときのポイント①|地域性を考える
地域の特性は、美容室の営業時間を決定する際に非常に重要です。
例えば、ビジネス街に位置する美容室では、仕事帰りの顧客に対応するために、夜間の営業時間を重視する必要があります。
一方、住宅街や郊外の店舗では、日中に主婦や学生が来店することが多く、早めに開店し、夕方には閉店することが適している場合があります。



地域性の特色があるはずなので、地域のこと、住んでいる人のリサーチをするのが大切です!
美容室の営業時間を決めるときのポイント②|ターゲット層の行動を分析する
ターゲット層のライフスタイルや行動パターンを理解することは、営業時間を設定する上で重要なポイントです。
例えば
- 仕事をしている人・・・平日の夜間や週末の営業を重視する必要があります。
- 若者・・・遅い時間帯の営業や週末の夜間営業が効果的です。
- 主婦やシニア層・・・午前中から午後の早い時間帯が利用されやすい時間帯となります。
ターゲット層の行動パターンを把握するために、アンケート調査や顧客データの分析を行い、最も来店しやすい時間帯を見極めることが重要です。



お店に通ってくださるお客様の性格や行動特性などを想定すると、お店にあった営業時間のヒントになります!
美容室の営業時間を決めるときのポイント③|競合、店の周りのサロンをリサーチ
競合他店の営業時間を調査し、差別化を図るための戦略を立てることが必要です。
例えば
- 周囲のサロンが18時に閉店する場合、自店は20時まで営業することで、仕事帰りの顧客を取り込むことができます。
- 競合他店の定休日や繁忙日を把握することで、逆に営業日を設定し、顧客を引き寄せることも可能です。
- 周辺のサロンが提供していないサービスや特別な時間帯(例えば、早朝や深夜)に特化する



「自分が作りたい店を作る!」「自分がやりたいことをやる!」を否定はしませんが、競合店のリサーチをすることで、他店との差別化を図ることができます!
まとめ
美容室の平均営業時間はおよそ9時間~11時間。
お店にとって適切な営業時間を、ターゲット層や競合店、地域性を考慮して設定することが重要となります。
また、長めの営業時間を設定すればいい!と単純なものではなく、営業時間を伸ばすこと、長くすることのメリット・デメリットがあります。



美容室の営業時間は、経営の重要な要素の1つです。
サロンにあった選択をしてほしいところです!
営業時間を伸ばすメリット・デメリット
美容室の営業時間に関するよくある質問
- 美容室の営業時間は他のサロンと比べてどのくらいが適切ですか?
-
他のサロンと比較した場合の適切な営業時間は、地域の需要や顧客層に応じて異なります。一般的には、平日9〜10時間、週末10〜11時間の営業が多いですが、近隣のサロンや競合の営業時間も参考にしながら、差別化を図るのが良いでしょう。
- 営業時間を短縮することでどのようなメリットがありますか?
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営業時間を短縮することで、スタッフの労働負担が軽減され、労働環境の改善が期待できます。また、光熱費や人件費などの運営コストが削減されるため、利益率の向上につながる可能性があります。
- 平日と週末で営業時間を変えるべきでしょうか?
-
平日と週末で営業時間を変更することは効果的です。週末は平日よりも顧客が多く訪れる傾向があるため、営業時間を延長することで、収益を増やすことができます。また、平日は夜間の利用者をターゲットにするため、夕方以降の営業を重視するのも一つの戦略です。
- 美容室の営業時間を変更する際の告知方法は何ですか?
-
営業時間を変更する際は、事前に顧客に告知することが重要です。店内でのポスター掲示や、ウェブサイト、SNS、メールニュースレターなどのデジタルメディアを活用して情報を発信します。また、リピーターには個別に連絡することで、信頼関係を維持することができます。