美容室の事業計画書の書き方|融資に通る計画と、開業後に使える計画は違う

この記事でわかること

  • 融資に通る事業計画書と、開業後に役立つ事業計画書の違い
  • 銀行・日本政策金融公庫が見る数字と評価ポイント
  • 売上・コスト・利益の計画を作る3ステップ
  • airchairが見てきた「融資が通るサロン」の共通点
  • 事業計画書の書き方テンプレートと記入例

「事業計画書って、融資のために仕方なく書くものでしょう?」

多くの美容師がそう思っています。

実際、ネットで「美容室 事業計画書」と検索すると、出てくるのは日本政策金融公庫の創業計画書テンプレートの「埋め方ガイド」ばかりです。

もちろん、テンプレートの埋め方を知ること自体は大切です。

融資審査に通らなければ、開業そのものが始まりません。

ただし、「融資に通るための計画」と「開業後の経営に使える計画」は、同じようで違います

融資に通すことだけを目的にした事業計画書は、融資が実行された瞬間に引き出しの奥にしまわれます。

一方、「経営の設計図」として作られた事業計画書は、開業後に売上が想定を下回ったとき、スタッフを採用するとき、2店舗目を検討するとき、繰り返し立ち返る基準になります。

この記事では、美容室の事業計画書の書き方を2段階で解説します。

前半は、日本政策金融公庫の創業計画書をベースに、融資審査で押さえるべき基本の書き方。

後半は、競合記事では触れられていない「開業後に使える事業計画」の考え方です。

西脇

コスト構造の設計、借入の妥当性の検証、利益とキャッシュの違い、サロンのビジョンとコスト配分の関係まで踏み込みます。
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監修者

公認会計士・税理士
西脇 敬久

MBA、公認会計士、税理士の資格を有し、美容業界に特化した公認会計士・税理士として多数の美容室を支援。
決算書や試算表を専門家だけのものにせず、経営者が経営判断に使える形へと整理することを強みとしている。
美容室経営において本当に見るべき数字を明確にし、「誰でもわかる会計の見える化」を通じて、利益構造やコストバランスをシンプルに把握できる財務設計を行う。美容室向けの会計セミナー講師としても活動中。

美容業界に特化した会計・労務の専門チーム。
500サロン以上の支援経験をもとに、数字・人・将来の判断を“感覚”ではなく“軸”でできる経営を支えています。税金や節税だけで終わらせず、
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目次

事業計画書とは何か

事業計画書とは、これから始める事業の内容、収益の見込み、資金の調達方法と使い道、返済計画などをまとめた書類

美容室の開業では、ほとんどのケースで融資を利用します。

金融機関は事業計画書をもとに「この人にお金を貸して、きちんと返してもらえるか」を判断するため、融資審査においては最も重要な提出書類のひとつです。

ただし、事業計画書の役割は融資審査だけではありません。

役割内容
融資審査の提出書類金融機関に返済能力と事業の実現性を示す
自分自身の思考整理事業の収支、リスク、優先順位を言語化して整理する
開業後の経営判断基準計画と実績のズレを把握し、修正の起点にする
チームへの共有ツールスタッフや関係者と事業の方向性を共有する
西脇

事業を始める前に「数字」と「言葉」で計画を具体化するプロセスそのものが、開業後の経営を安定させる土台になります。

事業計画書と創業計画書の違い

美容室の開業で最も利用されるのが日本政策金融公庫の融資です。

公庫では事業計画書を「創業計画書」と呼んでいます。

事業計画書は決まったフォーマットがなく、自由な形式で作成できます。

一方、創業計画書は公庫が用意したテンプレートに沿って記入する形式です。

民間の金融機関(信用金庫、銀行など)で融資を受ける場合は、各金融機関が指定するフォーマットがあるケースと、自由形式で作成するケースがあります。

いずれの場合も、公庫の創業計画書の内容をベースにしておけば、必要な情報はほぼカバーできます。

日本政策金融公庫の創業計画書:8項目の書き方

ここからは、日本政策金融公庫の創業計画書テンプレートの8項目について、美容室の開業に合わせた書き方を解説します。

テンプレートは公庫のホームページからダウンロードできます。

美容業の記入例も公開されているため、あわせて確認しておくと効率的です。

項目① 創業の動機

融資担当者がまず確認するのが「なぜこの事業を始めるのか」です。

融資担当者は美容業界の専門家ではありません。

業界の常識を知らない相手に、自分の言葉でわかりやすく伝える必要があります。

書くべきポイントは3つ

  • 美容師としての経験と実績。何年間どのようなサロンで働き、どんなスキルを身につけたか。指名客数や売上実績など、具体的な数字があると説得力が増します。
  • なぜ「今」開業するのか。タイミングの根拠を示すことで、思いつきではなく計画的に準備してきたことが伝わります。
  • どのようなサロンをつくるのか。ターゲットとする客層、提供する価値、他のサロンとの違いを具体的に示します。
西脇

創業計画書のテンプレートではこの欄が4行しかありませんが、書ききれない場合は別紙を添付して問題ありません。

むしろ別紙でしっかり書き込む方が、融資担当者には好印象です。

項目② 経営者の略歴

経営者の略歴は、創業計画書の中でも特に重視される項目です。

融資担当者は「この人に経営ができるか」を判断します。

美容師としての技術力だけでなく、マネジメントや経営に関わる経験があるかどうかが評価に影響します。

書くべき内容具体例
美容師としての職歴美容学校卒業後、○○サロンに○年勤務。スタイリストデビュー後○年
技術・接客の実績月間指名客数○名、月間売上○万円、リピート率○%
管理・経営の経験店長経験○年、スタッフ○名のマネジメント、売上管理の担当
保有資格美容師免許、管理美容師資格

転職回数が多い場合は、融資面談でその理由を聞かれる可能性があります。

事前に説明できるようにしておきましょう。

項目③ 取扱商品・サービス

提供するメニューと価格帯、セールスポイントを記載します。

ここで大切なのは「誰に、何を、いくらで提供するか」を具体的に示すことです。

メニューの価格設定は後の「事業の見通し」と直結します。

客単価がいくらになるかの根拠にもなるため、現実的な価格を設定してください。

他のサロンとの差別化ポイントも重要です。

出店エリアの競合サロンのメニュー価格や特徴を調べた上で、自サロンの強みを示すと説得力が増します。

別紙で競合サロンの分析をまとめて添付するのも効果的です。

項目④ 取引先・取引関係等

主な顧客層と、材料の仕入先を記載します。

「ターゲット顧客」は具体的であるほど評価されます。

「30〜40代の女性」のような大まかな設定ではなく、「出店エリアに居住する30〜40代の働く女性。カラーとトリートメントを中心に、月1回の来店を想定」のように書きます。

材料の仕入先は、事前に複数社から見積もりを取り、取引条件(掛け・現金、締め日・支払い日)を確認しておくことが重要です。

仕入先が具体的であるほど、事業計画の数値に裏付けがあると判断されます。

項目⑤ 従業員

開業時のスタッフ体制を記載します。

1人美容室であれば「なし」で問題ありません。

スタッフを雇う場合は、人数、雇用形態(正社員・パート・業務委託)、想定する給与額を記載します。

人件費は美容室の4大コストの中で最も大きな割合を占めます。

開業当初のスタッフ数は最小限に抑え、売上の推移を見ながら増やしていく計画にするのがリスク管理の面でも合理的です。

項目⑥ お借入れの状況

現在の個人の借入状況を正直に記載します。

住宅ローンや自動車ローンは生活に必要な借入と見なされるため、大きなマイナスにはなりません。

ただし、消費者金融やカードローンなどの借入がある場合は、融資前に完済しておくのが望ましいです。

税金の滞納がある場合は融資審査に大きく影響します。

滞納がある場合は、融資申込前に全額納付しておくことが必要です。

項目⑦ 必要な資金と調達方法

開業に必要な資金の総額と、その調達方法を記載します。

資金の区分主な内訳
設備資金内装工事費、美容機器(シャンプー台、セット椅子など)、備品
運転資金家賃、材料費、広告費、人件費、光熱費(開業後の固定費数カ月分)
調達方法内容
自己資金開業に備えて貯めてきた資金。多いほど評価が高い
親族・知人からの借入ある場合は金銭消費貸借契約書を作成しておく
金融機関からの融資自己資金や他の調達分を差し引いた不足額

自己資金は融資審査で特に重視されます。

「この人は開業のためにきちんと準備してきたか」を判断する根拠になるためです。

一般的には、必要資金の3分の1程度の自己資金があると評価されやすいとされています。

運転資金は見落とされがちですが、開業後すぐに売上が安定するとは限りません。

固定費の数カ月分を運転資金として確保しておくことが、資金繰りの安全性を示す上で重要です。

項目⑧ 事業の見通し(月平均)

売上の見込み、経費の見込み、利益の見込みを記載します。

創業計画書で最も重要な項目です。

美容室の売上は、一般的に次の計算式で算出します。

売上高 = 客単価 × 1日あたり客数 × 月間営業日数

想定計算例
客単価 8,000円 × 1日4名 × 月25日月商80万円
客単価 10,000円 × 1日5名 × 月24日月商120万円

※上記はあくまで一般的な計算例です。

実際の数字はエリア、メニュー構成、客層によって大きく異なります。

右側の「根拠欄」が重要です。

客単価の根拠(メニュー構成と想定比率)、客数の根拠(席数、施術時間、営業時間からの逆算)、営業日数の根拠を、計算過程とともに記載します。

経費についても、家賃、人件費、材料費、広告費、光熱費、その他経費の項目ごとに見積もりを出し、売上に対する利益が返済額を上回ることを示します。

融資担当者が見ているのは「計画が正確かどうか」以上に、「この人は根拠を持って数字を考えているかどうか」です。

計算過程が明確であるほど、経営者としての信頼感が伝わります。

事業の見通しは「創業当初」と「軌道に乗った後」の2段階で記載します。

軌道に乗るまでの期間は6カ月程度を目安に計画するのが一般的です。

ここから先が、競合記事では触れられていない話

ここまでの内容は、融資審査に通すための「基本の書き方」です。

ここからは、事業計画書を「開業後に使える経営の設計図」にするための考え方を解説します。

ネット上の多くの記事が「テンプレートの埋め方」で終わる中で、この先の内容が事業計画の質を左右します。

売上計画の前に「コスト構造」を設計する

事業計画書を書くとき、多くの人は売上から考えます。

「客単価×客数×営業日数で月商を出して、そこから経費を引いて利益を出す。」

この計算自体は正しいのですが、この順番だけで計画を立てると、開業後に「売上はあるのに利益が残らない」という状態に陥りやすくなります。

なぜなら、美容室のコスト構造には「売上が上がっても、コストも一緒に上がる」という特徴があるからです。

スタッフを増やせば人件費が増え、メニューを増やせば材料費が増え、集客を強化すれば広告費が増えます。

売上からではなく「コスト構造」から設計する。

この発想が、事業計画の質を一段引き上げます。

4大コスト80%以内が利益を残すためのひとつの目安

美容室の経費は、大きく4つのコストに分類できます。

コスト項目具体的な内容
人件費オーナー給与、スタッフ給与、社会保険料、ボーナス
家賃光熱費家賃、光熱費、Wi-Fi等
材料費カラー剤、店販商品、グローブなどの消耗品
広告費集客サイト、SNS広告、チラシ制作費

この4大コストの合計が売上の80%以内に収まっているかどうかが、利益を残せるサロンかどうかのひとつの目安です。

80%以内であれば、残りの20%で「その他のコスト」「借入返済」「次の投資への原資」「オーナーの生活費(個人事業主の場合)」を賄うことができます。

80%を大きく超えている場合は、売上がいくら上がっても利益が残りにくい構造です。

逆に80%を大きく下回っている場合は、必要な投資(教育、設備、集客)が不足しており、事業の長期継続が難しくなるリスクがあります。

西脇

事業計画を立てる段階で、想定売上に対して4大コストの合計がどのくらいの比率になるかを確認しておくと、計画の現実性が高まります。

サロンのタイプでコスト配分は変わる

ここで重要なのは、4大コストの「内訳」はサロンごとに異なるという点です。

サロンタイプ人件費材料費家賃光熱費広告費合計
人材特化型52%7%10%11%80%
技術特化型35%22%15%8%80%
ブランディング特化型40%12%25%3%80%
マーケティング特化型45%11%5%19%80%

※上記は売上200万円のサロンを想定した参考モデルです。

実際の比率は個々のサロンの状況により異なります。

唯一の共通ルールは「合計80%以内」です。

その中でどのコストに重みを置くかは、サロンの戦い方によって変わります。

たとえば、人材の質で勝負するサロンは人件費の比率が高くなる代わりに、材料費や広告費を厳しく管理する必要があります。

ブランディング(空間、第一印象)で勝負するサロンは家賃の比率が高くなるため、広告費を抑えて看板や口コミで集客する設計が求められます。

事業計画書の段階で「自分はどのタイプのサロンを目指すのか」を明確にし、そのタイプに合ったコスト配分で計画を組む。

これが「使える事業計画」の第一歩です。

借入計画の検証:「いくら借りるか」ではなく「返せる体質か」を見る

事業計画書の「必要な資金と調達方法」で融資希望額を記載しますが、その金額が妥当かどうかを検証する視点がもうひとつ必要です。

それが「借入償還年数」という考え方です。

借入償還年数とは

借入償還年数とは、現在の借入金を事業で生み出すキャッシュフロー(返済原資)で割ったもので、何年で返済できるかを示す指標です(算定方法にはいくつかの考え方があります)。

計算式は非常にシンプルです。

借入償還年数 = 借入残高 ÷ 年間キャッシュフロー(返済原資)

たとえば、年間で100万円のキャッシュフローがあるサロンが800万円の借入を抱えている場合、800万円 ÷ 100万円 = 8年 となり、「このサロンは8年で借入を返し切れる体力がある」と判断されます。

借入償還年数判断のひとつの目安
5年以内返済に余裕がある状態と考えられる。追加借入にも有利
10年以内多くのケースで計画的に返済可能な水準
10年超返済が経営を圧迫するリスクがあり、慎重な検討が必要

事業計画を立てる段階で、「この借入額で、計画通りの利益が出た場合、借入償還年数は何年になるか」を試算しておくと、借入額の妥当性を客観的に判断できます。

金融機関もこの指標を見ています。

「いくら必要か」だけでなく「いくらなら返せるか」の視点を持つことで、融資審査でも経営判断でも、根拠のある数字になります。

利益計画の落とし穴:「利益が出る = お金が残る」ではない

事業計画書では「利益が出る計画」を組みます。

これは融資審査において当然のことです。

ただし、計画通りに利益が出たとしても「お金が残るかどうか」は別の問題です。

ここが、多くの開業者が見落とす最大の落とし穴です。

「返済はコストではない」という構造

事業計画書の経費欄に借入金の返済を入れている人が少なくありません。

しかし、借入金の元本返済は会計上「経費」ではありません。

支出の種類経費になるかお金は出ていくか
家賃経費になる出ていく
材料費経費になる出ていく
借入金の利息経費になる出ていく
借入金の元本返済経費にならない出ていく

元本返済は、税金を支払った後の利益から行う必要があります。

つまり、計画上は「利益が出ている」のに、そこから税金を払い、さらに返済をすると、手元にお金が残らない。

「黒字なのにお金がない」という状態は、この構造を理解していないことが原因で起こります。

事業計画を立てるときは、「売上 − 経費 = 利益」だけでなく、「利益 − 税金 − 元本返済 = 手元に残るお金」まで試算しておくと、計画の精度が格段に上がります。

減価償却費とキャッシュの関係

もうひとつ、知っておきたいのが「減価償却費」の扱いです。

内装工事やシャンプー台など、長期間使用する設備は、購入した年に全額を経費にするのではなく、使用する期間にわたって分割して経費に計上します。

これが減価償却です。

減価償却費は「経費として計上されるが、お金は出ていかない」という特徴があります。

お金は設備を購入した時点ですでに支払い済みだからです。

この特性を理解していないと、決算書上の利益とキャッシュの動きにズレが生じたときに原因がわからなくなります。

事業計画書の段階では、こうした「利益とキャッシュは必ずしも一致しない」という構造を理解しておくだけで十分です。

開業後の資金繰りで困ったときに、原因を切り分ける力になります。

サロンのビジョンが事業計画を決める

最後に、事業計画書を「経営の設計図」にするために最も大切なことを伝えます。

それは、「どんなサロンをつくりたいのか」というビジョンを先に描くことです。

ビジョンがないと判断基準がなくなる

人件費をかけるべきか。

広告費を抑えるべきか。

材料費の水準をどこに置くか。

事業計画書を書いていると、こうした判断を何度もすることになります。

このとき、ビジョンが曖昧だと、すべてが「なんとなく」の判断になります。

ビジョンとは「どのコストに重みを置くのか」「どこで勝ちたいのか」を示す経営の設計図です。

技術特化を目指すなら、材料費は投資であり、広告費は最小限でよい。

ブランディング重視であれば、家賃や空間づくりが最重要で、人件費は慎重に管理する。

回転モデルを強めるなら、スタッフ数と単価設計が核心になる。

ビジョンが定まることで、コスト配分に根拠が生まれ、事業計画書の数字に一貫性が出ます。

ビジョンを描く3つのステップ

ビジョンは感覚だけでなく、次の3つの手順で具体化できます。

ステップ1は、理想の「客層」を決めること。

サロン経営は「誰を幸せにしたいのか」でほぼ決まります。

客層が決まると、価格帯、営業時間、広告媒体、立地まで自然に方向性が定まります。

ステップ2は、サロンの「勝ち方」を決めること。

4大コストのどこに重みを置くかを決めることで、コスト配分の根拠が生まれます。

人材の質で勝つのか、空間で勝つのか、技術力で勝つのか、マーケティングで勝つのか。

ステップ3は、3年後のサロンの「具体的な姿」を描くこと。

席数、メニュー構成、スタッフ構成、客単価、客数、リピート率、指名率。

未来のサロンの姿を具体的に描くと、「今の数字と合っているか」が一目でわかるようになります。

ビジョンは最初から完璧でなくて構いません。

経営者の成長やサロンの状況に応じて、何度でも更新していいものです。

大切なのは「今の自分は、どの方向へ進みたいのか」の輪郭をつかむことです。

事業計画書を書く前に整理しておきたいこと

ここまでの内容を踏まえて、事業計画書を書く前に整理しておくと効率がよい項目をまとめます。

整理すべき項目内容
ビジョンどんな客層に、どんな価値を提供するサロンにするか
サロンのタイプ4大コストのどこに重みを置くか(勝ち方)
出店エリアの競合分析エリア内の美容室数、メニュー価格、差別化ポイント
自己資金の額現時点で準備できている資金
必要な設備資金内装工事費、美容機器、備品の見積もり(複数社から取得)
必要な運転資金開業後の固定費数カ月分の見積もり
売上計画の根拠客単価(メニュー構成から逆算)、客数(施術時間と営業時間から逆算)
コスト計画4大コストの合計が売上の80%以内に収まるか
借入償還年数の試算計画通りの利益が出た場合、借入を何年で返せるか
手元キャッシュの試算利益 − 税金 − 返済 で手元に残る金額

これらを整理した上で創業計画書に落とし込むと、「融資に通り、かつ開業後にも使える事業計画書」になります。

まとめ

この記事で紹介した内容を整理します。

テーマポイント
事業計画書の役割融資のためだけではなく、経営の設計図として使える
創業計画書の8項目日本政策金融公庫のテンプレートに沿って基本を押さえる。根拠を数字で示すことが重要
コスト構造の設計売上から考えるだけでなく、4大コスト80%以内の構造を先に設計する
サロンタイプ別の配分4大コストの内訳はサロンの戦い方で変わる。唯一の共通ルールは「合計80%以内」
借入の妥当性借入償還年数で「返せる体質か」を検証する
利益とキャッシュの違い元本返済は経費にならない。「利益 − 税金 − 返済」で手元に残る金額を試算する
ビジョンの重要性ビジョンが定まるとコスト配分に根拠が生まれ、計画に一貫性が出る

事業計画書は、融資に通すための書類ではなく、自分のサロンの未来を設計するための思考ツールです。

数字を整理すること自体は難しくありません。

大切なのは「どんなサロンにしたいか」を先に考え、その実現に必要な数字を組み立てること。

ぜひ参考にしてください。

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ポイント問題の本質今すぐできること
融資用と経営用の違い融資書類は数字の説得力、経営計画は行動指針2種類を別で作成する意識を持つ
銀行が見る数字返済能力=税引後利益+減価償却費借入償還年数を計算して10年以内にする
売上計画の作り方客数×客単価×営業日数で積み上げる現実的な稼働率(70%以下)で計算する
コスト計画4大コスト合計が80%を超えない設計固定費と変動費を分けてリストアップする
計画の精度を上げる方法競合調査と市場規模の数字を根拠にする最悪ケース・最良ケースの2パターンを作る

よくある質問

Q. 事業計画書は誰に相談しながら作るのがいい?

日本政策金融公庫に融資を申し込む場合は、公庫の窓口で事前相談ができます。

申込前に相談することで、書き方のポイントや必要書類を確認でき、計画の精度を上げられます。

また、税理士や中小企業診断士など、創業支援の経験がある専門家に相談するのも有効です。

自治体によっては無料の創業相談窓口を設けている場合もあります。

Q. 自己資金はどのくらい必要?

一般的には必要資金の3分の1程度があると評価されやすいとされていますが、金融機関や個々の状況により判断は異なります。

自己資金が少ない場合でも、経験や実績、計画の精度によって融資を受けられるケースはあります。

いずれにしても、開業に向けて計画的に貯蓄してきた実績は、融資審査でプラスに評価されます。

Q. 事業計画書のどこを融資担当者は一番見ている?

融資担当者が重視するのは、大きく3つです。

1つ目は「経営者の略歴」。

業界経験の長さと、管理・経営の経験があるかどうか。

2つ目は「自己資金」。

開業に向けた準備の姿勢を示す根拠になります。

3つ目は「事業の見通し(収支計画)」。

売上・経費・利益の数字に根拠があり、返済原資が確保できる計画かどうかを確認しています。

Q. 開業後に事業計画書はどう使えばいい?

事業計画書は開業後に「計画と実績のズレ」を確認するための基準として使えます。

たとえば、計画では月商100万円を見込んでいたのに実績は70万円だった場合、客単価が低いのか客数が足りないのかを分解して原因を特定できます。

半年に一度は計画と実績を照らし合わせて、必要に応じて計画を修正していく習慣をつけると、経営判断の精度が上がります。

Q. 日本政策金融公庫以外の融資先はある?

あります。

信用金庫や地方銀行の創業融資、自治体の制度融資(信用保証協会付き融資)などが主な選択肢です。

それぞれ金利、返済期間、審査基準が異なるため、複数の金融機関に相談して比較するのがおすすめです。

日本政策金融公庫と民間金融機関が連携して融資を行う「協調融資」という仕組みもあります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の融資審査結果や経営判断を保証するものではありません。

事業計画書の作成や融資の申込みにあたっては、金融機関の窓口や税理士・中小企業診断士等の専門家にご相談ください。

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