美容室スタッフのモチベーションを上げる方法|やる気に頼らない15マスの使い方

美容室スタッフのモチベーション管理|離職を防ぐ「15マス」設計の考え方
この記事でわかること
  • スタッフのやる気を性格だけで判断しない方法
  • お金・安心・休み・機会・教育の5分類
  • 15点の仮配分から改善までの5ステップ
  • 本音を引き出すより先に店が行うこと
  • 15マスを人事評価に使わない理由

「給与を上げたのに反応が薄い」「褒めても長続きしない」「指示を待つ時間が増えた」。

スタッフの様子が変わると、オーナーはつい「やる気がない」と考えてしまいます。

しかし、モチベーションは本人の性格だけで決まるものではありません。

この記事の核心

この記事の結論は、美容室スタッフのモチベーションを上げる方法は、全員へ同じ施策をすることではなく、今必要な条件を分けて確認することです。

airchairでは、働く理由を「お金・安心・休み・機会・教育」の5つに分け、合計15点を仮に配る方法を使います。

点数でスタッフを評価するのではありません。

オーナーの思い込みと本人の感覚のずれを見つけ、店舗側が変えることを1つ決めるための対話ツールです。

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目次

美容室スタッフのモチベーションを上げる方法は「原因を分ける」こと

最初に区別したいのは、意欲が低い状態と、働きにくくて動けない状態です。

長時間労働、休憩の取りにくさ、役割の曖昧さ、評価への不満が残ったまま、「目標を持とう」「もっと主体的に」と伝えても前へ進みにくくなります。

まず、仕事上の事実を確認します。

見えている変化決めつけてはいけないこと最初に確認すること
質問が減った成長した/やる気がない質問先と質問できる時間は明確か
指示待ちが増えた自主性がない本人が判断できる範囲は決まっているか
練習量が減った向上心がない練習時間・合格基準・次の目標は現実的か
発言が減った店への関心がない意見を出した後、店側が返答しているか

体調や家庭の事情が影響している場合もあります。

本人が話していない私生活を探ったり、退職の意思を詰問したりせず、職場で共有できる事実から対話を始めます。

15マスは「やる気が出る条件」を5つに分ける

美容室スタッフのやる気をお金・安心・休み・機会・教育の5項目に分け、合計15点を対話の材料にする図解

15マスでは、働くうえで大切にしているものを次の5つに分けます。

項目本人が求めているもの店舗側が確認できること
お金生活、成果への還元、将来の収入給与条件、評価基準、昇給の条件と時期
安心先の見通し、相談先、ルールの一貫性シフト、役割、質問先、評価の説明
休み回復時間、生活との両立休憩、休日、練習時間、予約の偏り
機会挑戦、役割、提案する場新メニュー、教育担当、企画、判断範囲
教育技術習得、振り返り、次の課題練習順、合格基準、指導者、確認日

5項目は、どれが上というものではありません。

同じ人でも、入社直後、デビュー前、売上が安定した後、生活環境が変わった後では配分が変わります。

厚生労働省の資料でも、働きがいを支える取組として、コミュニケーション、裁量、評価の納得性、能力開発、目標共有など複数の要素が挙げられています。

15マスは、それらを美容室の面談で扱いやすい5項目へ整理したものです。

公的資料は美容室だけを対象にした調査ではないため、数値をそのまま自店へ当てはめるのではなく、対話項目を考える参考として使います。

15点の配分から改善までを5ステップで進める

次の順番で進めます。

STEP
1人のスタッフを決める
STEP
オーナーが5項目へ合計15点を仮配分する
STEP
15分の対話で本人の感覚を確認する
STEP
店舗側が変えることを1つ決める
STEP
30日後を目安に変化を確認する

1.1人のスタッフを決める

最初から全員分を作ると、点数を埋める作業になりがちです。

まずは、最近の仕事上の変化を具体的に話せる1人を選びます。

「元気がない」ではなく、「この1か月でミーティングの発言が3回から0回になった」のように、評価語を使わず事実を書きます。

2.オーナーが合計15点を仮配分する

お金・安心・休み・機会・教育へ、合計が15点になるように仮配分します。

これは診断結果ではなく、対話前の仮説です。

例お金安心休み機会教育合計
デビュー前で技術の順番に迷っている1322715
売上は安定したが次の役割が見えない3226215
生活との両立に不安がある3551115

この配分に正解はありません。

同じ状況でも本人の価値観によって答えは変わるため、点数だけで施策を決めないでください。

最初は、次の空欄を紙やメモへ写せば十分です。

お金安心休み機会教育合計
_点_点_点_点_点15点

3.15分の対話で本人の感覚を確認する

シートを見せて「あなたは休みを重視しているよね」と決めつけるのではなく、次のように聞きます。

  • 今の仕事で、続けたいと思える瞬間はどこにありますか
  • 仕事を進めにくくしているものを1つ挙げるとしたら何ですか
  • お金・安心・休み・機会・教育のうち、今いちばん整えてほしいものはどれですか
  • それが少し改善したと分かる状態は、どんな状態ですか

本人の回答が、オーナーの仮配分と違っていても問題ありません。

そのずれを見つけることが、この対話の目的です。

面談は「聞いた後に店が動く」までで1セット

本音が出ないとき、質問を増やすだけでは解決しません。

スタッフが以前伝えたことに返答がなかった場合、「今回も言っても変わらない」と考えるのは自然です。

聞いた後は、次の3つを残します。

残すもの例
店舗側が変えること技術確認の担当者と確認日を決める
本人が試すこと次回までにモデル施術を2件行う
確認日30日後の営業前15分

店舗側ができない要望には、その場しのぎで約束しません。

30日は効果を保証する期限ではなく、約束を放置しないための最初の確認目安です。

勤務日数や改善内容に合わせ、1〜4週間で設定しても構いません。

「今はできない」「どこまでならできる」「いつ見直す」を説明します。

月次面談そのものの進め方は、美容室スタッフの離職防止|月次15分で4つを確認する面談方法で詳しく整理しています。

15マスを人事評価に使わない

15マスは、次の使い方をすると機能しなくなります。

  • 点数の高低でスタッフを比べる
  • 「お金が高い人は不満が多い」と評価する
  • オーナーの予想だけで配置や給与を変える
  • 一度作った配分を本人の性格として固定する
  • 話を聞くだけで、店舗側の行動を決めない

特に避けたいのが、モチベーションと人事評価を混ぜることです。

評価面談と同じ場で使うと、スタッフは自分に不利にならない答えを探します。

本人の困りごとを確認する時間と、成果・行動を評価する時間は分けます。

関連記事は悩みの段階で使い分ける

スタッフの状態によって、次に読む記事を変えてください。

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入社直後の定着を整えたい美容室スタッフの定着|入社30・90・180日の仕組み
技術教育の全体設計を見直したい美容室のスタッフ育成
将来の技術・収入・関係性が不安美容室スタッフの将来不安を減らす方法
退職につながる仕事上の変化がある美容室スタッフの退職予兆

本稿は「何でやる気が動くのか」を分ける記事です。

育成制度、定着面談、退職対応まで1記事へ詰め込みません。

参考資料:厚生労働省「ワークエンゲージメントとは」「令和元年版 労働経済の分析 第3章」

まとめ|モチベーションを管理せず、働きやすい条件を整える

モチベーションそのものを、オーナーが直接操作することはできません。

できるのは、働きにくさを減らし、本人が大切にしている条件と仕事の設計を合わせることです。

ポイント問題の本質今すぐできること
原因を分ける「やる気がない」と一括りにする仕事上の変化を事実で1つ書く
5項目で見る全員に同じ施策をするお金・安心・休み・機会・教育へ仮配分する
本人へ確認するオーナーの予想だけで決める15分で今整えてほしいものを聞く
1つ実行する聞いて終わる店舗側の行動と確認日を決める

今日行うことは、次の5つです。

  • 最近変化があったスタッフを1人選ぶ
  • 変化を評価語なしで1つ書く
  • 5項目へ合計15点を仮配分する
  • 15分だけ本人の感覚を確認する
  • 店舗側が変えることと30日後の確認日を決める

シートを完成させることより、聞いた内容を1つ実行することを優先してください。

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よくある質問

全員に15マスを作る必要がありますか?

最初は1人で十分です。

対話と改善を30日回し、続けられる形になってから対象を増やしてください。

本人にも15点を配ってもらいますか?

本人が数字で考えることに抵抗がなければ使えます。

ただし、点数の一致を目的にせず、なぜそう配ったかを聞く材料にします。

お金の点数が高い場合は、給与を上げるべきですか?

すぐに金額を変えるのではなく、評価基準、昇給条件、時期の説明が不足していないかを先に確認します。

給与変更は店の利益と人件費を確認したうえで判断します。

話しても「特にない」と言われたらどうしますか?

無理に本音を引き出そうとせず、仕事上の変化と、店側が改善できる小さなことを確認します。

話した内容が実際に動く経験を積み重ねることが先です。

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