「頑張っているのに、評価されている気がしない」
スタッフからこの言葉が出たとき、サロンの評価制度は機能していません。
あるいは、そもそも評価制度と呼べるものがないまま、なんとなく昇給し、なんとなく役職をつけ、なんとなくボーナスを渡している。
そんなサロンは少なくないはずです。
美容室の離職理由を深掘りしていくと、幹部クラス(月100万円以上売り上げるトップスタイリストや店長)が辞める理由の33%は「評価に納得していない」。
58%の「お金の問題・将来の不安」と合わせると、離職の91%は「評価」と「お金」に集約されます。
つまり、評価制度は「あったほうがいい仕組み」ではなく、人が残るかどうかを左右する経営の土台です。
社労士 野田この記事では、美容室の評価制度の基本構造から、売上だけに頼らない評価の考え方、そして評価制度を「人が残る仕組み」として機能させるために必要な視点までを整理します。
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監修者


野田 大吾郎
美容室経営に詳しい社会保険労務士。
人材定着、評価制度、労働条件の設計など、人に関わる経営課題を中心に、美容室の労務体制づくりを支援している。正解を押し付ける制度設計ではなく、サロンごとの働き方や現場の実情に合わせ、実際に運用できる仕組みを整えることを重視。スタッフとオーナー双方が無理なく働ける環境づくりを得意とする。
また、「美容サロンが申請すべき3つの助成金」を提唱し、助成金の活用支援においても豊富な実績を持つ。
美容業界に特化した会計・労務の専門チーム。
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なぜ美容室で「評価」が揉めるのか
「なんとなく」が不満を生む構造
なんとなく昇給する。なんとなく役職がつく。なんとなく売上目標が決まる。
はっきり言いますが、そんなサロンで誰が気持ちよく働けますか??
評価が揉める最大の原因は、基準が曖昧なことです。
オーナーの頭の中には基準があるのかもしれませんが、それがスタッフに見えていなければ、スタッフにとっては「基準がない」のと同じです。
特に美容室は、技術や接客の質が個人の能力に大きく依存する業種です。
売上が高いスタッフは評価されやすい一方で、後輩教育やお店の雰囲気づくりに貢献しているスタッフの働きは見えにくい。この「見えにくい貢献」が評価されないまま放置されると、不満は確実に溜まります。
優しいオーナーほど損をしやすい
評価基準を明文化していないサロンに多いのが、「良いオーナーほど損をする」という構造です。
優しいオーナーほど境界線を作りません。
個別の事情に柔軟に対応しようとするあまり、「あの人はOKなのに、なぜ自分はダメなのか」という不公平感が生まれる。
本人は良かれと思ってやっていることが、かえってスタッフの不信感につながってしまうのです。
評価の基準は、オーナーの頭の中にあるだけでは不十分です。
誰が見ても同じように理解できる形で、外に出しておく必要があります。
美容室の評価制度の基本構造
3つの柱で考える
美容室の評価制度は、大きく3つの柱で構成されます。
| 柱 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 等級制度 | サロン内の役割とステップを定義する | アシスタント→ジュニアスタイリスト→スタイリスト→トップスタイリスト→店長 |
| 評価制度 | 何を、どう評価するかのルールを決める | 売上、技術テスト、接客、後輩教育、店舗貢献など |
| 報酬制度 | 評価をどう給与・待遇に反映するか | 基本給、歩合率、役職手当、ボーナスの算定基準 |
この3つがセットで初めて「評価制度」として機能します。
等級だけ決めて評価基準がない、評価はしているけど給与への反映ルールがない、といった状態では、制度として不完全です。
大事なのは「シンプルであること」
評価制度で失敗するパターンの多くは、複雑にしすぎることです。
評価項目が20個も30個もある。
計算式が複雑でオーナー自身もよくわからない。
こうなると管理コストばかりかかり、スタッフも理解できないまま形骸化していきます。
美容室の評価制度は、スタッフが「自分は今どこにいて、何をすれば次に進めるのか」を理解できる程度のシンプルさが理想です。
「売上だけ」で評価するリスク
売上至上主義がチームを壊す
売上は最もわかりやすい評価指標です。
しかし、売上だけで評価するサロンには構造的なリスクがあります。
トップスタイリストは常に高評価になる一方、アシスタントやジュニアスタイリストは「まだ売上が低いから評価が低い」という状態が続きます。
後輩の教育に時間を割いているスタッフや、SNS運用、店内の清掃管理、お客様へのドリンク対応といった「売上に直接表れない仕事」をしている人の貢献が見えなくなる。
結果として、売上を持っている人だけが報われ、それ以外のスタッフのモチベーションが下がる。
歩合制だけで運用していたサロンで3年以内の離職率が7割を超えたという事例もあります。
売上は「入口」であって「全体」ではない
売上を評価に使うこと自体は間違いではありません。
問題は、売上しか見ていないことです。
売上はあくまで評価の入口。
そこに「数字には表れないけれどサロンに確実に貢献しているもの」をどう上乗せするかが、評価制度の設計力です。
売上の「先」を見る評価の考え方
その人がサロンに「生み出したお金」を可視化する
売上だけを見るのではなく、その人がサロンにどれだけのお金を生み出したかを見る。
この視点が評価の精度を大きく変えます。
考え方はシンプルです。スタッフごとに技術売上と店販売上を出し、そこからそのスタッフにかかったコスト(人件費、材料費、家賃光熱費、広告費などをスタッフ数で按分したもの)を差し引く。
残った金額が「その人がサロンに生み出したお金」です。
売上100万円のスタイリストと売上80万円のスタイリストがいたとして、コストを差し引いた後に残る金額が逆転することもあり得ます。
材料費の使い方、予約枠の効率、店販の提案力など、売上の数字だけでは見えない「お金を残す力」が可視化されるのです。
プレイングオーナーの給料も分けて見る
この仕組みはプレイングオーナーにも効きます。
オーナー自身がスタイリストとして売上を立てている場合、「スタイリストとしての自分の給料」と「経営者としての自分の給料」がごちゃ混ぜになりがちです。
評価の仕組みを通じてこの2つを分離すると、サロン全体のお金の流れが見えるようになります。
スタッフの評価を可視化する仕組みは、同時にオーナー自身の経営判断も整理してくれるのです。
数字の評価に「数値化できない貢献」を上乗せする
数字をベースにした評価を作ったら、その上に「数値化できない貢献」を上乗せします。
たとえば後輩教育に積極的に関わっている、お店の雰囲気づくりに貢献している、SNSの発信を継続している、急なシフト変更に快く対応してくれる。
こうした行動は売上には直接表れませんが、サロンの運営を支えている重要な要素です。
数字を使った絶対的な評価を土台に、数値化できない貢献を加味する。
この2層構造が、スタッフ全員が納得できる評価制度の基本形です。
モチベーションの源泉は人それぞれ
スタッフのタイプ別に「刺さる報酬」は違う
評価制度を設計するとき、見落とされがちなのが「スタッフ一人ひとりのモチベーションの源泉は違う」という事実です。
大きく分けると、美容室のスタッフは3つのタイプに分類できます。
| タイプ | モチベーションの源泉 | 響く報酬の例 |
|---|---|---|
| 成長志向 | 自分の成長スピード、キャリアの進み具合 | 外部講習への参加、新規入客の機会、売上歩合の明確化、セミナー代の負担 |
| 安定志向 | 仕事と生活のバランス、収入の安定 | 社会保険加入、退職金の積み立て、有給休暇、基本給の安定、ボーナス |
| 独立志向 | 自分の裁量、経営への関与 | 業務委託への移行、人事の決定権、店舗運営への参加、FCのチャンス |
同じ金額の昇給でも、成長志向のスタッフには「外部講習を受ける権利」のほうが刺さることがある。
安定志向のスタッフには「退職金の積み立てが始まった」という事実のほうが安心につながることもある。
本人の希望と、サロンが提供する報酬のギャップが離職を生む
評価制度が整っていても、スタッフが「自分にとって大事なもの」を得られていなければ、離職につながります。
年に1回でいいので、スタッフ一人ひとりについて「この人のモチベーションはどこにあるのか」を考え、面談や食事の場ですり合わせてみてください。
本人の希望と、サロンが提供している報酬のギャップを小さくしていくこと。
これが、評価制度を「制度」で終わらせず「人が残る仕組み」に変えるポイントです。
評価制度「だけ」では人は残らない
人が残るサロンに共通する3つの仕組み
ここまで評価制度の話をしてきましたが、正直に言うと、評価制度だけでは人は残りません。
人が残るサロンには、共通して3つの仕組みが整っています。
| 仕組み | 内容 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| ルール(就業規則) | 給与の決め方、休日、有給、役職の基準を明文化 | ルールがないと評価の土台がない。不公平感が生まれる |
| 評価 | 数字の評価+数値化できない貢献の可視化 | 「何をすれば認められるか」が見えないとモチベーションが維持できない |
| お金(将来の安心) | 社会保険、退職金、資産形成の教育 | 将来のお金の不安が消えないと、どれだけ評価されても辞める理由が残る |
この3つのうち、1つでも欠けていると人は残りにくい。
逆に、3つが揃っているサロンでは、オーナー自身の負担も軽くなります。感情で判断しなくてよくなるからです。
評価は「叱るための道具」ではなく「安心して働くための地図」
評価制度と聞くと、「スタッフを管理するためのもの」「できていないことを指摘するためのもの」というイメージを持つオーナーもいるかもしれません。
しかし本来、評価は「あなたは今ここに立っている」「次はここを目指せる」と示すための地図です。
スタッフが自分の立ち位置と進む方向を理解できれば、メンタルは安定し、辞めにくくなる。
評価は管理のツールではなく、安心のツール。
この発想の転換が、評価制度を「作っただけ」で終わらせないための出発点です。
まとめ
美容室の評価制度は、「売上の高い人を褒める仕組み」ではありません。
スタッフ一人ひとりがサロンに生み出したお金を可視化し、数字に表れない貢献を上乗せし、本人のモチベーションの源泉とすり合わせる。
そして評価制度を単体で運用するのではなく、ルール(就業規則)とお金(将来の安心)を含めた3つの仕組みとして設計する。
ここまでできて初めて、評価制度は「人が残る仕組み」として機能します。
評価制度の整備は、大がかりなプロジェクトに見えるかもしれません。しかし、まずやるべきことはシンプルです。
自分のサロンのスタッフが「何に納得していないのか」「何があれば安心して働けるのか」を整理すること。
そこから始めれば、制度の形は自然と見えてきます。
整えることは難しくありません。知っているかどうかだけの差です。



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よくある質問
Q. 小規模サロン(スタッフ2〜3人)でも評価制度は必要?
必要です。むしろ少人数のサロンほど、1人の離職が経営に与える影響が大きいため、「なぜ評価されているのか」「次に何を目指せばいいのか」を明確にしておく価値があります。大企業のような複雑な制度は不要で、等級と評価基準と報酬のルールをA4用紙1枚にまとめる程度でも十分機能します。
Q. 歩合制と固定給、どちらがいい?
サロンが目指す姿によって異なります。ただし、「長く安心して働ける環境」を目指すなら、固定給+歩合のハイブリッド型がおすすめです。固定給だけでは成果を出すモチベーションが薄れ、歩合だけでは生活の安定が損なわれます。固定給で生活の土台をつくり、歩合で成果に報いるバランスが、定着率の高いサロンに共通する設計です。
Q. 評価面談はどのくらいの頻度でやるべき?
理想は月1回、最低でも半年に1回は行いたいところです。ただし、形式的な面談を無理にやるよりも、日常の声かけやフィードバックを大切にするほうが効果的な場合もあります。大事なのは頻度よりも「スタッフが自分の評価を理解できている状態」を維持することです。
Q. 売上以外の評価項目はどう決めればいい?
サロンとして「何を大切にしたいか」から逆算します。後輩教育を重視するなら教育への関わりを評価項目に入れる。チームワークを重視するなら、急なシフト対応や他スタッフへのサポートを加味する。評価項目はサロンの「こうありたい姿」を映す鏡です。他のサロンの評価シートをそのまま使うのではなく、自分のサロンに合った項目を選ぶことが重要です。










