マツエクサロンの開業|資格・保健所届出・開業資金・助成金・必要なもの・手順まで完全解説

「マツエクサロンを開業したいけど、何から始めればいいかわからない。」

アイリストとしての技術を磨き、独立開業を目指す方にとって、マツエクサロンの開業は現実的な選択肢です。マツエク市場は1,000億円規模と推計されており、ナチュラルメイクの流行もあって需要は堅調。原価率が低く利益率が高い業態であることも、開業を検討する理由の一つでしょう。

ただし、マツエクサロンの開業は「技術があればできる」というほど単純ではありません。

美容師免許の取得、保健所への届出、物件選び、資金調達、集客戦略。

これらの準備を一つでも抜かすと、開業後に大きな問題が発生します。無許可で営業すれば罰金30万円。保健所の基準を満たさなければ開業そのものができません。

この記事では、マツエクサロンの開業について、必要な資格、保健所への届出手順、開業資金の目安、助成金・融資の活用方法、物件選び(自宅・マンション・テナント)、必要な設備と備品、開業の流れ、オーナーの年収の目安まで、開業に関するすべてを解説します。

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目次

マツエクサロンの開業に必要な資格

美容師免許(国家資格)

マツエクの施術を行うには、美容師免許が必要です。これは美容師法で定められた法的要件であり、例外はありません。

美容師免許を持たずに施術を行うと、美容師法違反となり罰則の対象になります。

美容師免許を取得するには、美容師養成施設(美容専門学校)を卒業し、国家試験(筆記+実技)に合格する必要があります。合格率は60〜80%程度です。

オーナーが自分で施術せず、経営のみを行う場合は、オーナー自身に美容師免許は不要です。ただし、施術を行うスタッフ全員が美容師免許を持っている必要があります。

管理美容師免許

サロン内で施術を行うスタッフが2名以上いる場合、そのうち少なくとも1名は管理美容師免許を取得している必要があります。

管理美容師免許の取得要件は、美容師免許を持っていること+美容の業務に3年以上従事していること+都道府県知事が指定する講習会を修了していることです。

1人で開業し、施術も自分1人で行う場合は、管理美容師免許は不要です。

民間資格(推奨)

開業に法的に必要な資格は美容師免許のみですが、JEA(日本アイリスト協会)やJLA(日本まつげエクステンション協会)が実施する検定・認定資格を取得しておくと、お客さまへの信頼感が高まります。

保健所への届出|美容所登録の手順と基準

マツエクサロンは美容師法上の「美容所」に該当するため、開業前に管轄の保健所へ「美容所開設届」を提出し、検査を受けて許可を得る必要があります。

自宅で開業する場合も、テナントで開業する場合も、この手続きは同じです。

届出の流れ

ステップ1:管轄の保健所に事前相談する。物件の図面を持参し、基準を満たせるか確認する。開業を決める前にこの相談を行うのが理想です。

ステップ2:美容所開設届出書を提出する。開業の1〜2週間前までに提出するのが一般的です。

ステップ3:保健所の立ち入り検査を受ける。保健所の担当職員がサロンを訪問し、構造設備が基準を満たしているか確認します。開設者の立ち会いが必要です。

ステップ4:「美容所確認済証」が発行され、営業が許可される。

登録申請手数料は自治体によって異なりますが、東京都で24,000円、大阪府で16,000円程度です。

保健所の検査基準(主な項目)

施術を行う部屋の床面積が13平方メートル以上あること(作業室1室あたり)。

作業室と待合スペースが明確に区分されていること。

作業室の照明が100ルクス以上であること。

換気が十分にできる設備があること。

消毒設備が設けられていること。

作業室に洗い場があること。

基準は都道府県によって異なる部分があるため、開業予定地の保健所に事前確認することが大切です。

マツエクサロンの開業資金|いくらかかるのか

開業資金は、物件の形態(自宅・マンション・テナント)によって大きく変わります。

自宅で開業する場合:150〜250万円

自宅の一部をサロンスペースに改装して開業する方法です。家賃が不要なため、最もコストを抑えられます。

内訳の目安:内装改装費50〜100万円、設備・備品30〜50万円、材料(グルー・エクステなど)10〜20万円、広告宣伝費10〜30万円、運転資金(3カ月分)50〜80万円。

ただし、マンションの場合は管理規約で店舗利用が禁止されている物件が多いため、事前に規約を確認する必要があります。

テナントを借りて開業する場合:200〜400万円

繁華街や駅の近くにテナントを借りて開業する方法です。集客力のある立地を選べるのがメリットですが、物件取得費(敷金・礼金・仲介手数料)と内装工事費がかかるため、自宅開業よりも費用が大きくなります。

居抜き物件を見つけられれば、内装工事費を大幅に抑えることが可能です。

内訳の目安:物件取得費(敷金・礼金・前家賃)50〜100万円、内装工事費50〜150万円、設備・備品30〜50万円、材料10〜20万円、広告宣伝費10〜30万円、運転資金(3カ月分)50〜100万円。

フランチャイズで開業する場合:500〜1,000万円

既存のブランドに加盟し、ノウハウや知名度を活用して開業する方法です。加盟金や保証金だけで数百万円かかるケースが多く、毎月のロイヤリティも発生します。

経営経験が浅く、集客や経営のノウハウを一から学びたい方には向いていますが、自分のイメージする店舗運営ができない制約もあります。

マツエクサロン開業に使える助成金・補助金・融資

助成金(主に厚生労働省管轄)

助成金は、雇用や労働環境の改善を目的として国から支給される返済不要の資金です。美容サロンと助成金の相性は良く、スタッフを雇用する場合は活用を検討しましょう。

キャリアアップ助成金:有期雇用のスタッフを正社員に転換した場合などに支給されます。

人材開発支援助成金:技術講習やセミナーへの参加など、スタッフの教育に投資した場合に支給されます。

両立支援等助成金:産休・育休の支援制度を整備し、スタッフの職場復帰を支援した場合に支給されます。

助成金は「もらうためにルールを作る」のではなく、「良いサロンづくりをした結果として受けられる」ものです。年間で100万円以上の受給が可能なケースもあります。

助成金制度の要件や金額は年度ごとに更新されるため、最新情報は厚生労働省のサイトまたは社会保険労務士に確認しましょう。

補助金(主に経済産業省・中小企業庁管轄)

小規模事業者持続化補助金:販路開拓(集客サイトへの掲載、ホームページ制作、チラシ作成など)にかかる費用の一部を補助。上限50〜200万円。

IT導入補助金:POSレジや予約システムなどのITツール導入費用を補助。

事業再構築補助金:新規事業や業態転換を行う場合に利用可能。

補助金は公募制で審査があるため、事業計画書の作成が求められます。

融資

日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は、開業時の資金調達として最も一般的です。無担保・無保証人で融資を受けられるケースもあり、開業前の個人でも申し込みが可能です。

融資を受けるには、自己資金(目安は融資希望額の3分の1以上)と、根拠のある事業計画書の作成が求められます。

マツエクサロン開業に必要なもの(設備・備品リスト)

施術に直接必要なもの

施術用ベッド(リクライニングチェアまたはフラットベッド)。施術用ライト(目元の作業に適した明るさのもの)。ツイーザー(ストレート・カーブ)。グルー(接着剤)とグルーリムーバー。人工まつげ(各種長さ・太さ・カール)。アイシート(下まつげを保護するテープ)。まつげコーム・ブラシ。消毒液・消毒設備。

サロン運営に必要なもの

レジ(POSレジまたはキャッシュレス決済端末)。予約管理システム。カウンセリングシート。タオル・ガウン。ドリンク提供セット。BGM設備。名刺・ショップカード。

集客に必要なもの

ホームページまたはSNSアカウント(Instagram)。ホットペッパービューティーへの掲載(予算に応じて)。Googleビジネスプロフィールの登録(MEO対策)。LINE公式アカウント。

マツエクサロン開業の手順|全体の流れ

ステップ1:コンセプト設計と事業計画の作成

どんなお客さまに、どんなサービスを提供するのか。ターゲット、メニュー構成、価格帯、サロンの雰囲気を決める。事業計画書を作成し、必要な資金を試算する。

ステップ2:資金調達

自己資金、融資(日本政策金融公庫など)、助成金・補助金を組み合わせて、開業資金を確保する。

ステップ3:物件選び・契約

自宅開業、マンションの一室、テナント、居抜き物件のいずれかを選定。保健所の基準を満たせるかを事前に確認する。

ステップ4:内装工事・設備準備

コンセプトに合った内装を設計。施術に必要な設備と備品を揃える。保健所の検査基準(床面積13平方メートル以上、消毒設備、照明など)を満たす内装にする。

ステップ5:保健所への届出・検査

美容所開設届出書を提出し、立ち入り検査を受ける。「美容所確認済証」が発行されたら営業開始可能。

ステップ6:税務署への届出

個人事業主の場合、税務署に「開業届」を提出する(事業開始から1カ月以内)。同時に「青色申告承認申請書」も提出しておくと、確定申告で最大65万円の控除が受けられる。

ステップ7:集客準備・プレオープン

Instagramでの発信、Googleビジネスプロフィールの登録、ホットペッパービューティーへの掲載準備。プレオープンで知人や友人を招き、施術の流れとオペレーションを確認する。

ステップ8:グランドオープン

開業後も集客活動は継続する。開業直後はリピーターがいないため、新規集客に力を入れつつ、来店したお客さまのリピート率を高める仕組み(次回予約の提案、LINE登録など)を整える。

マツエクサロンの開業形態別|自宅・マンション・テナントの比較

項目自宅開業マンションテナント
開業資金150〜250万円200〜350万円200〜400万円
家賃なし(持ち家の場合)月5〜15万円月10〜30万円
集客力低い(立地に依存)中程度高い(立地を選べる)
プライバシー低い(自宅がバレる)中程度高い
保健所の基準クリアが必要(改装が必要な場合あり)クリアが必要クリアが必要
注意点マンション規約の確認事業利用可能な物件を選ぶ敷金・礼金が高額

マツエクサロンの施術スペースは、保健所の基準で13平方メートル(約8畳)以上が必要です。自宅やマンションで開業する場合は、この広さを確保できるか事前に確認しましょう。

マツエクサロンオーナーの年収の目安

マツエクサロンオーナーの年収は、サロンの規模、立地、客単価、客数、経費構造によって大きく異なりますが、一般的な目安は200〜430万円程度です。

1人サロンで月売上50万円、経費が30万円の場合、月の手取りは20万円程度。年収換算で約240万円。

客数が安定し、月売上が80〜100万円になれば、経費を差し引いても年収400万円以上を目指すことは可能です。

マツエクサロンは原価率が低い(材料費が売上の5〜10%程度)ため、売上に対する利益率は美容業界の中でも高い方です。ただし、「利益率が高い=儲かる」とは限りません。売上の絶対額が小さければ、利益率が高くても手元に残る金額は少ない。

売上を安定させるには、新規集客とリピート率の両方を設計する必要があります。

マツエクサロン開業で失敗しないための5つのポイント

①技術だけでなく経営の知識を持つ

技術力が高くても、集客ができなければお客さまは来ません。経費管理ができなければお金は残りません。技術と経営はまったく別のスキルです。

②開業資金に余裕を持つ

ギリギリの資金で開業すると、開業後の運転資金が足りなくなります。「開業にかかる費用+3カ月分の生活費と固定費」を確保してから開業しましょう。

③保健所への事前相談を怠らない

物件を契約してから「保健所の基準を満たせなかった」では手遅れです。物件を決める前に、図面を持って保健所に相談に行くのが鉄則です。

④集客は開業前から始める

開業日に「さあ、集客しよう」では遅い。Instagramでの発信、LINE公式アカウントの開設、Googleビジネスプロフィールの登録は、開業の2〜3カ月前から始めましょう。

⑤リピート率を意識した仕組みをつくる

新規集客にはコストがかかります。1人のお客さまに長く通ってもらう方が、経営は安定します。次回予約の提案、来店後のフォローメッセージ、LINE公式アカウントでのリピート導線を整えましょう。

まとめ

テーマポイント
必要な資格施術者は美容師免許が必須。2名以上なら管理美容師免許も。オーナーのみなら免許不要
保健所届出美容所開設届を提出→立ち入り検査→確認済証の発行で営業許可
保健所の主な基準床面積13平方メートル以上 / 消毒設備 / 照明100ルクス以上 / 換気設備 / 洗い場
開業資金自宅150〜250万 / テナント200〜400万 / フランチャイズ500〜1,000万
助成金・補助金キャリアアップ / 人材開発 / 両立支援 / 小規模事業者持続化補助金 / IT導入補助金
融資日本政策金融公庫の新創業融資。自己資金は融資額の1/3以上が目安
開業の流れコンセプト→資金調達→物件→内装→保健所届出→税務署届出→集客→オープン
開業形態自宅(低コスト)/ マンション(中間)/ テナント(集客力高い)。広さ13平方メートル以上
オーナー年収200〜430万円が目安。原価率は低いが売上の絶対額が鍵
失敗しないコツ経営の勉強 / 資金に余裕 / 保健所事前相談 / 開業前から集客 / リピート設計

マツエクサロンの開業は、正しい手順を踏めば、少ない資金からでもスタートできるビジネスです。

ただし、「技術があれば成功する」わけではありません。資格と届出を整え、資金計画を立て、集客とリピートの仕組みをつくる。開業はゴールではなくスタートです。

準備の段階で「経営の数字」を意識できるかどうかが、開業後のサロンの行方を分けます。

ぜひ参考にしてください。

よくある質問

Q. マツエクサロンの開業に使える助成金はどんなものがありますか?

キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金、両立支援等助成金などが代表的です。いずれもスタッフを雇用する場合に活用しやすい制度で、年間で100万円以上の受給が可能なケースもあります。要件や金額は年度ごとに変更されるため、最新の情報は厚生労働省のサイトまたは社会保険労務士に確認してください。

Q. 自宅のマンションでマツエクサロンを開業できますか?

保健所の構造設備基準を満たし、マンションの管理規約で事業利用が禁止されていなければ、開業は可能です。多くの居住用マンションでは店舗利用が禁止されているため、契約前に管理規約と管理組合に確認しましょう。事業利用可能な物件は限られています。

Q. オーナーとしてマツエクサロンを開業する場合、自分も美容師免許が必要ですか?

自分で施術を行わず、経営のみに専念する場合は、オーナー自身に美容師免許は不要です。ただし、施術を行うスタッフ全員が美容師免許を持っている必要があります。

Q. マツエクサロンの開業に必要な広さはどのくらいですか?

保健所の美容所登録の基準として、施術を行う作業室1室あたりの床面積が13平方メートル(約8畳)以上であることが求められます。待合スペースやトイレなどを含めると、実際に必要な広さは20〜30平方メートル程度が目安です。基準は自治体によって異なる場合があるため、開業予定地の保健所に確認してください。

Q. 融資を受けるにはどのくらいの自己資金が必要ですか?

日本政策金融公庫の融資を受ける場合、一般的には融資希望額の3分の1以上の自己資金が求められます。たとえば300万円の融資を希望する場合、100万円以上の自己資金が目安です。自己資金が多いほど審査は通りやすくなり、融資条件も有利になります。

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